猫沢エミさんのインスタグラム写真 - (猫沢エミInstagram)「《パリ・盗難日記 / 16日目》今朝、同じ階で向かい部屋に住む、このアパルトマンのギャルディアン（管理人/ フランスのアパルトマンには各建物に管理人が住んでいる）のマダムに「事件から早、15日経ったわね」と言われて、〝やっぱフランス人って変なところの数字に強い👀〟と密かに思う。そして、覚えていて、気遣ってくれたんだなぁと嬉しかった。実は事件の少し前、彼とキッチンでソーセージを焼いてお昼ごはんを用意していたら、煙を逃すのに開けた窓から強風が吹き込んで、ドアがものすごい勢いでしまり、ガラスが割れるという事件もあった。思えばあれも、一族からの祝い（と書いて呪いと読む）の粗品だったのかもしれない。風でしまったドアはうんともすんとも動かなくなった。携帯電話もPCもそしてユピガたちもリビングに結集している上、あと10分でにゃんフラが始まる時間だった。ところが携帯さえなく、遅れる連絡すらできない。家の中で監禁状態になってしまった私たちは、まずお隣さんに掛け合って、ベランダづたいにリビングへ入って、逆側からドアを押して開けようと考えた。ところがあいにくの留守。それで今度は、向かいのギャルディアンのお宅のドアを叩いて助けを求めた。マダムが鉄の棒を持ってきて「どうせ割れちゃってるなら、全部叩き壊して中に入って、向こう側から押せばいいんじゃない？」とアドバイスをくれた。「ピガー！ユピー！離れてなさいね‼️」さっきのドアがしまったものすごい音に驚いたユピガはすでにクローゼットの奥深くに潜り込んでいた。その後、ガッシャガッシャガラスを叩き壊して、彼がリビング側へ侵入。ドアは無事に開いたのだった。それからやたらと陶器が割れるだとか、不運の予兆はすでにあったのかもしれない。「ああ…….保険請求、ガラスも含めてやんないとなあ。日本の免許証も、銀行カードも………」そこまで考えて、なにもかもにうんざりしすぎて思考が止まった。しかも昨日は「猫沢家の一族」の発売日だったというのに、ひとつも思い出せないほど突撃役所巡りをしなくてはいけないだなんて。この本の呪われっぷりは、まさしく猫沢家の珍話集発売日にふさわしいと思わずにはいられない。フランスに来てから少し寂しいこと。出版祝いを制作チームとオンタイムでできないこと。しかも彼はまだレユニオン島だ。せめて食べたいものを作って食べようと、先週と同じく撮影上がりのゆみこ @yumikooka3 に付き合ってもらって、とんかつを揚げた。戦士の食べ物、とんかつ。そうか。不運の野郎がとことん来るなら、こっちもとんかつ食って、とことん勝つ！！もうね、スったアホのことなんかとっくに忘れたんですよね。あの時ああしていればのたられば論も意味がない。人生は時に、B案を歩かされる時もあるけれど、AからBへ移行した点にとどまっていても、なにひとつ変わらない。問題はそこじゃなくて、その後託された不運を、私がどのくらいの速さで幸運へ転換できるかの勝負。わかっちゃいるけど、心底疲れたよ。ふとベランダから夜空を見上げるとムーンボウが出ていた。真舘アニー @madachix が生きていたころ、「ムーンボウが出たら、すぐに知らせて」と言ってたなあ。世紀のロマンチストだったアニー。ハワイから頑張れってメッセージ送ってくれているんだろうなあ。ねえ、ねえ、ちょっと降りてきてふたりで出版祝いの乾杯といこうじゃないか、アニー🥂✨ #猫パリ　#猫沢エミのインターナショナル五十路ライフシフト #猫沢エミリーパリへ行く #猫沢エミのパリ盗難日記」10月29日 0時13分