猫沢エミさんのインスタグラム写真 - (猫沢エミInstagram)「『妻が余命宣告されたとき、僕は保護犬を飼うことにした』(風鳴舎)小林孝延 著 を読んで。  〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜  今でも覚えている。  小林さん @takanobu_koba とSNS上で再会したのは、奥さまの薫さんが亡くなった際のFBコメントを読んで、それに私がメッセージを送ったことがきっかけだった。  その時も伝えた。「言葉なんかなんの力もないと知りつつも、心を傍に寄り添わせて欲しい」といった内容のことを。 そうなのだ。こんなとき、ひしひしと言葉の無力さを知る。定型のお悔やみの言葉など、なにひとつ伝わらない記号になってしまうものだから。  それからしばらくして、扶桑社に移ってからのリアルな小林さんに、ひょんなきっかけで再会した。  弟2人を持つ長女の私は、昔から男友達と男同士的付き合いをするのが得意で、40歳前は、親友のほとんどが男友達だった。そんな感覚で、小林さんとも気が合って、時たま飲みに行くようになった。  ふたりで飲んでいる時も、小林さんがこの本で書かれている家族の大切な部分には、ほとんど触れることがなかった。 小林さんの真のバックボーンを知らぬまま、私たちはなんとなく友達として、時に本音を話すこともあった。  私は誰が相手でも、その人が心を開くスピードに合わせるのが好きで、なんなら一生開かなくてもかまわない。どのくらい開くか?どこを開くか?は、その人が決めるべきことで、相手に合わせる必要なんかないからだ。  そんなわけで小林さんの輪郭は、以前はっきりしていなかったのだけど、その理由がこの本に書いてあった。  抑制の効いた語調。小林さんと話している時となんら変わりない、水のようにスッと抵抗もなく入ってくる、この命の旅立ちと迎え入れの物語は、読者を傷つけない、つねに優しい語りだ。  その優しさと、曖昧に見える小林さんの輪郭こそが、多くを受け入れ、噛み締めてきた小林さんのセーフティーゾーンだと。そのセーフティーゾーンに読む人はすっぽり包まれて、小林家の人々が歩いてきた日々を、おだやかな短編映画のように眺めていられる。  小林さんと近い経験をされた方や、同じく大切な存在を亡くした方も多く手にするであろうこの本は、読者の感情を荒らすことがない。そこに小林さんの人に対する敬意と優しさを感じる。  小林さんのヘラヘラしてる感じは、セーフティーゾーン(笑)。そして、福ちゃんという一匹の保護犬が、どれだけ小林家に福をもたらしたかの物語。福ちゃんは、たまに信じられない場所を掘ってみたり、様々な事件をやらかしてくれるのだけど、それすらも家族の糸を繋ぎ直す良薬となる。  そうなのだ。時に人間には難しい、忘れかけてた愛を思い出すこと。動物たち……ことに傷ついた経験を持つ保護動物たちは、存在そのものが優しい。生きることの切なさを知っているからこそ、私たちに愛することを思い出させてくれる。  そして、懸命に救おうとしている者は、救った命にいつも救われる。福ちゃんはこれからも、猫のとももえちゃんと共に、小林家を救い続けていくだろう。この一家を誰よりも愛している薫さんの意思を受け継いで。  写真1: 著書より抜粋。小林さんちのリビングの風景 写真2: つまぼくを読んでいる間、ユピ坊が私の足の間で眠っていた。ユピ坊も神奈川県の某公園で保護された子。 写真3: 読了したベランダから眺めた青空  #小林孝延 #妻が余命宣告されたとき僕は保護犬を飼うことにした #つまぼく #ユピ坊 #猫パリ」10月30日 19時17分 - necozawaemi

猫沢エミのインスタグラム(necozawaemi) - 10月30日 19時17分


『妻が余命宣告されたとき、僕は保護犬を飼うことにした』(風鳴舎)小林孝延 著 を読んで。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

今でも覚えている。

小林さん @takanobu_koba とSNS上で再会したのは、奥さまの薫さんが亡くなった際のFBコメントを読んで、それに私がメッセージを送ったことがきっかけだった。

その時も伝えた。「言葉なんかなんの力もないと知りつつも、心を傍に寄り添わせて欲しい」といった内容のことを。
そうなのだ。こんなとき、ひしひしと言葉の無力さを知る。定型のお悔やみの言葉など、なにひとつ伝わらない記号になってしまうものだから。

それからしばらくして、扶桑社に移ってからのリアルな小林さんに、ひょんなきっかけで再会した。

弟2人を持つ長女の私は、昔から男友達と男同士的付き合いをするのが得意で、40歳前は、親友のほとんどが男友達だった。そんな感覚で、小林さんとも気が合って、時たま飲みに行くようになった。

ふたりで飲んでいる時も、小林さんがこの本で書かれている家族の大切な部分には、ほとんど触れることがなかった。
小林さんの真のバックボーンを知らぬまま、私たちはなんとなく友達として、時に本音を話すこともあった。

私は誰が相手でも、その人が心を開くスピードに合わせるのが好きで、なんなら一生開かなくてもかまわない。どのくらい開くか?どこを開くか?は、その人が決めるべきことで、相手に合わせる必要なんかないからだ。

そんなわけで小林さんの輪郭は、以前はっきりしていなかったのだけど、その理由がこの本に書いてあった。

抑制の効いた語調。小林さんと話している時となんら変わりない、水のようにスッと抵抗もなく入ってくる、この命の旅立ちと迎え入れの物語は、読者を傷つけない、つねに優しい語りだ。

その優しさと、曖昧に見える小林さんの輪郭こそが、多くを受け入れ、噛み締めてきた小林さんのセーフティーゾーンだと。そのセーフティーゾーンに読む人はすっぽり包まれて、小林家の人々が歩いてきた日々を、おだやかな短編映画のように眺めていられる。

小林さんと近い経験をされた方や、同じく大切な存在を亡くした方も多く手にするであろうこの本は、読者の感情を荒らすことがない。そこに小林さんの人に対する敬意と優しさを感じる。

小林さんのヘラヘラしてる感じは、セーフティーゾーン(笑)。そして、福ちゃんという一匹の保護犬が、どれだけ小林家に福をもたらしたかの物語。福ちゃんは、たまに信じられない場所を掘ってみたり、様々な事件をやらかしてくれるのだけど、それすらも家族の糸を繋ぎ直す良薬となる。

そうなのだ。時に人間には難しい、忘れかけてた愛を思い出すこと。動物たち……ことに傷ついた経験を持つ保護動物たちは、存在そのものが優しい。生きることの切なさを知っているからこそ、私たちに愛することを思い出させてくれる。

そして、懸命に救おうとしている者は、救った命にいつも救われる。福ちゃんはこれからも、猫のとももえちゃんと共に、小林家を救い続けていくだろう。この一家を誰よりも愛している薫さんの意思を受け継いで。

写真1: 著書より抜粋。小林さんちのリビングの風景
写真2: つまぼくを読んでいる間、ユピ坊が私の足の間で眠っていた。ユピ坊も神奈川県の某公園で保護された子。
写真3: 読了したベランダから眺めた青空

#小林孝延 #妻が余命宣告されたとき僕は保護犬を飼うことにした #つまぼく #ユピ坊 #猫パリ


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2023/10/30

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