猫沢エミのインスタグラム(necozawaemi) - 12月27日 12時28分

3年前のティアラ江東でのホールライブの直前に発覚した、重度の頚椎ヘルニア。「一発転んだり、無理したら全身麻痺だよ」という主治医の言葉を振り切ってのプレイ後、案の定、日に日に体が動かなくなり、緊急手術が行われました。

それから3年。リハビリと度重なる苦痛に耐えつつも、なんとかパーカッショニストとして復帰することができた。

とはいえ、すでに51歳。頚椎ヘルニアがなくとも、五十肩やら骨が脆くなる老化現象と、ここから先どう向き合っていくのか？など、課題はたくさんある。それでも、10代から鬼のように鍛錬した基礎的な打法の確かさは、今回も老化を抱える私の体を支えてくれたように思う。

最終曲の『Zo-wa-z'oiseaux / ゾワゾワゾ』サイコーだったな✨　各パートのインプロヴィゼーションの自由度、テクニック、発想ともにSphinxの史上最高の演奏だったのではないでしょうか。

アンコール1曲目の『for IO』。坂本美雨ちゃんが、イオの旅立ちの瞬間に作った美しい讃美歌。リハの時、心が入りすぎて泣いてしまって歌いきれなかった。それで、本番は絶対に最後まで歌い切ると覚悟を決めて歌った。それでも堪えきれず、間奏のインターバルで泣き、8小節で立て直して歌う…で、最後まで歌い切った。イオちゃん、嬉しかっただろうな。ホールの真っ白なスポットの中で笑うイオが見えた気がした。

アンコールの2曲目は、今年8月に逝去したプロデューサー渡辺善太郎さん作曲の『The end of the world』。コロムビア時代の素晴らしいサウンドワーク、同じ音楽家としての心の交流に感謝を込めて。そして、東日本大震災、コロナをくぐり抜けた故郷・白河。私の命の出発点で、新しい未来の再生を誓って歌い上げた。

生と死が交差した2021年の終わり。大切な命を再びこの体に迎え入れて、私はパリへ旅立つ。大切な土地を離れることで、もっとその土地は近くなる。

形あること、目に見えること、それはわかりやすくて嬉しいものだけど、大事なことは目には見えない。

魂も、愛も、音楽も。

さあ、行こうか。

photo @mika_inoue_photography

※このライブの映像は、今後 @necozawaemi_music へ少しずつupの予定です。お楽しみに❣️

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