猫沢エミのインスタグラム(necozawaemi) - 2月20日 02時42分

我が家のバルコン（ベランダ）は70cmの小さな箱庭。

でもぜんぜん満足。バルコンがあるとないとじゃ生活がまるで違うから。そもそもパリのアパルトマンでバルコン付きを探すこと自体が至難の技だもの。

去年のノエルにフローリストの友人カップルから頂いたガーデン・シクラメンが、極寒の冬を乗り越えて、今もワシワシ咲いてくれている。

私、生活に関しては、足ることを知っていると思っている。豪奢な家も車もいらない（持つ機会があれば、それもまたよし）。食べるものは基本自分で作ればいいし、服がぼろけたら繕えばいいと思う。

幸せのハードルが低いのだ。

それはこれまでの人生が波乱に満ちていたせいもあるだろう。

昔、自分だけが稼いだんではないお金のおかげで一瞬だけ、生活に困らない時期を過ごしたことがある。ところが、心はたいして満足しなかった。

服も物も溢れるようにあったけど、心の真ん中に穴が空いていた。

それからひどく貧乏になって、始めて選び取ることの大切さを知った。選択に真剣味をおびたのは、使えるお金がとても少なかったから。

でも、それがよかった。それが、今の私を作った。どんな小さなことにも喜べる自分になれた。

さっきモノプリに買い出しに行ったら、80歳くらいのおばあちゃんが、自動支払機のシステムがわからずにエラーを起こして、アラームがビービー鳴ってしまったのだけど、店員さんが優しく対応してくれていて、私も笑顔になった。

彼が一日の終わりにかならずこう聞く。

T’as passé une bonne journée ?
-いい一日だった？

うん。今日もいい一日だったよ。

夕焼けに包まれながら、そろそろ夕餉の支度に入ろうか。

#猫パリ　#猫沢エミのインターナショナル五十路ライフシフト #猫沢エミリーパリへ行く #ねこしき

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