猫沢エミさんのインスタグラム写真 - (猫沢エミInstagram)「やってしまったー……インロック（部屋にカギを置き忘れて閉めること）。しかも彼は今日、郊外の消防署の壁画制作に出かけていて、うちまで戻ってくるのに最短でも40分はかかる。しかし私も仕事が立て込んでいてどうしようもなく、一度帰ってきてもらうしか術がなかった。ちー……😩　弱り目に祟り目の日ってあるけれど、パリはその輪郭がすごくくっきりしていると感じる。申し訳なくて、および腰な声で電話した。ところがさらに運悪く、郊外からパリのメトロにアクセスするトラムで事故があって、運行停止とな。かー……😫　なぜこんな日にインロックなんてまぬけなことをしたものか。 1時間半ほど家の前で待っていた。この夕暮れをぼんやりと眺めながら。小鳥たちが鳴きかわす声。向かいのパン屋の前では、さっきから狂ったムッシュが絶叫している。桃色の空が少しずつ褪せて、夜色に変わっていく頃、彼が疲れた顔をして到着した。「ははは……大丈夫だよ。ありえることじゃん」と笑顔だったけど、聞けばトラムの代わりのバスがぜんぜん来ないから、メトロのある駅まで4kmも歩いたとな。申し訳なさすぎて、深々と頭を下げて日本語でこう言った。「大変申し訳ありませんでした‼︎ 😖」土下座を通り越して、切腹したい気分だった。日本人の私は、やっぱり心底謝りたい時、フランス語じゃ足りないのだ。52年、繰り返し気持ちを込めて言葉にしてきた「申し訳ありませんでした」じゃないと。ザ・日本人の謝罪を目にした彼は、クスクス笑った後「俺にはエネルギーが必要だ。なぁ、向かいのブーシェリでステーキ肉を買ってきて食べようぜ」と買い出しに行き、シャシャッとステック&インゲンのソテーを作ってくれた。「今夜は遅くなるから、疲れたら先に寝てなよ」と、トラムがもう動き始めているのを確認して、また仕事の現場に戻って行った。この人は、私にだけでなく、友達が困っていたら、自分を横に置いて動ける人なのだ。ここはみつを共和国。誰もが不完全さを許し合い、助け合って生きている。彼の背中がいつもより大きく見えた。 #みつを共和国🇫🇷 #猫彼飯　#ねこしき　#猫パリ　#猫沢エミのインターナショナル五十路ライフシフト #猫沢エミリーパリへ行く」2月18日 6時34分