猫沢エミさんのインスタグラム写真 - (猫沢エミInstagram)「鹿っぺと高嶋の話をしてもいいかな。  ときどき我が家のリビング写真に写る鹿っぺを見て〝猫沢さん、剥製だなんて……悪趣味〟と動物愛護の観点から思っていた方がいらっしゃっただろう。当然だと思う。  私も剥製や、毛皮は大反対だ。  鹿っぺ(1枚目の子)との出逢いは今から21年前、高嶋(2枚目)との出逢いは、16年前と記憶している。  鹿っぺは東京都内の某インテリアショップでB級品として売られていた。高嶋は、コペンハーゲンの古物屋のショーウィンドーに、半ば放り出されたかのように雑に置かれていた。  どちらもたまらなく不憫に思えて、しかも、人間の都合でこんな格好にされてしまったことを申し訳なく思った。そして、売れ残ったらどうなるのか店の人に聞いてみたところ、どちらも「破棄する」と返ってきて、ますます放っておけなくなった。  それで、取り返しのつかないこの所業は如何ともし難いけれど、せめて一緒に暮らして魂を弔いたいと思った。それがふたりを連れ帰った理由だった。  二頭は剥製にしてはめずらしく穏やかで優しい顔をしていた。きっと悪くない生を送れたんじゃないかと想像もしてみた。我が家の歴代の猫たちと対話をし、一緒にいくつものクリスマスやお正月、お盆も過ごした。  パリへ行くにあたり、「もうそろそろ弔いの時間を終えて、天国で待っている、それぞれの身体のところへ返してあげようと思ってるんだ。千葉県に剥製を弔ってくれるお寺があるのよ。そこで荼毘にふそうかと思ってる。イオちゃんが先にハワイに行ってるから、ふたりの体を探してくれると思うし」ってベッチに話したのが少し前のこと。  するとベッチ(「ねこしき」を共に作った編集者・田辺真由美)が「私が引き受けようか?」と言ってくれた。ベッチは将来、目の前に川が流れる、この家ととてもよく似た環境へ暮らすかもしれず、そこにふたりを迎えてくれるという。  ふたりをオブジェとか、モノとして捉えていないことをよく理解しているベッチなら託してもいいと思った。  そう。鹿っぺも高嶋も、動かないけど我が家の生きた動物の家族だったから。  ふたりの耳元で、これから面倒を見てくれるベッチの紹介をして、キスをして、それからありがとうと伝えた。綺麗に拭いて、丁寧に梱包して、夏みかんの木があるベッチの素敵なお宅へ届けた。  我が家の植物たちも、すべてベッチに預けた。これで安心してパリへ旅立てる。彼女は誰よりも、私の命に対する思いを理解している人だから。  ベッチ、頼んだよ。そしてありがとう。  鹿っぺ、高嶋、いつか北上川の素敵なおうちで、再会できることを楽しみにしているよ。ベッチ姐さんと一緒に、幸せにおなり。  #鹿っぺと高嶋 #猫沢エミのインターナショナル五十路ライフシフト #高嶋は高嶋政伸に似ているところから命名」1月25日 1時43分 - necozawaemi

猫沢エミのインスタグラム(necozawaemi) - 1月25日 01時43分


鹿っぺと高嶋の話をしてもいいかな。

ときどき我が家のリビング写真に写る鹿っぺを見て〝猫沢さん、剥製だなんて……悪趣味〟と動物愛護の観点から思っていた方がいらっしゃっただろう。当然だと思う。

私も剥製や、毛皮は大反対だ。

鹿っぺ(1枚目の子)との出逢いは今から21年前、高嶋(2枚目)との出逢いは、16年前と記憶している。

鹿っぺは東京都内の某インテリアショップでB級品として売られていた。高嶋は、コペンハーゲンの古物屋のショーウィンドーに、半ば放り出されたかのように雑に置かれていた。

どちらもたまらなく不憫に思えて、しかも、人間の都合でこんな格好にされてしまったことを申し訳なく思った。そして、売れ残ったらどうなるのか店の人に聞いてみたところ、どちらも「破棄する」と返ってきて、ますます放っておけなくなった。

それで、取り返しのつかないこの所業は如何ともし難いけれど、せめて一緒に暮らして魂を弔いたいと思った。それがふたりを連れ帰った理由だった。

二頭は剥製にしてはめずらしく穏やかで優しい顔をしていた。きっと悪くない生を送れたんじゃないかと想像もしてみた。我が家の歴代の猫たちと対話をし、一緒にいくつものクリスマスやお正月、お盆も過ごした。

パリへ行くにあたり、「もうそろそろ弔いの時間を終えて、天国で待っている、それぞれの身体のところへ返してあげようと思ってるんだ。千葉県に剥製を弔ってくれるお寺があるのよ。そこで荼毘にふそうかと思ってる。イオちゃんが先にハワイに行ってるから、ふたりの体を探してくれると思うし」ってベッチに話したのが少し前のこと。

するとベッチ(「ねこしき」を共に作った編集者・田辺真由美)が「私が引き受けようか?」と言ってくれた。ベッチは将来、目の前に川が流れる、この家ととてもよく似た環境へ暮らすかもしれず、そこにふたりを迎えてくれるという。

ふたりをオブジェとか、モノとして捉えていないことをよく理解しているベッチなら託してもいいと思った。

そう。鹿っぺも高嶋も、動かないけど我が家の生きた動物の家族だったから。

ふたりの耳元で、これから面倒を見てくれるベッチの紹介をして、キスをして、それからありがとうと伝えた。綺麗に拭いて、丁寧に梱包して、夏みかんの木があるベッチの素敵なお宅へ届けた。

我が家の植物たちも、すべてベッチに預けた。これで安心してパリへ旅立てる。彼女は誰よりも、私の命に対する思いを理解している人だから。

ベッチ、頼んだよ。そしてありがとう。

鹿っぺ、高嶋、いつか北上川の素敵なおうちで、再会できることを楽しみにしているよ。ベッチ姐さんと一緒に、幸せにおなり。

#鹿っぺと高嶋 #猫沢エミのインターナショナル五十路ライフシフト #高嶋は高嶋政伸に似ているところから命名


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2022/1/25

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