猫沢エミのインスタグラム(necozawaemi) - 1月24日 18時13分
《喫茶たそがれ 誕生日秘話》
ある日のたそがれ時、私は突然、喫茶 たそがれを書き始めました。
たそがれのメインテーブルがあるベランダの一角は、イオちゃんの見送り時、何度もこぶしを握りしめて泣き、決断を迫られた #心の定点観察場 でした。
哀しい思い出が詰まったその場所を、安らかな心の喫茶店へと変えたかった。哀しみを消したり忘れるためではなく、思い出を丁寧に反芻したり、愛おしく感じるための場所へと。
彼女が亡くなって、約1年が経ちました。
安楽死という過酷な決断を選ばざるを得なかった私。この決断に迷いや後悔はありません。ただ、他者……しかも最も愛する存在の命の期限を決めるという行為で、心に大きな穴が開きました。
時間が経てば、穴は埋まり、傷は癒えるのだと思い込んでいたけれど、そうではなかった。穴は埋まらず、傷は一生残るのだと気づいた日、私は愕然としました。でもそれからまた時間が経ってわかったことは、穴は埋めなくてもいい、傷は癒さなくてもいい、ということでした。
開いた穴は、表面がとてもつるんとして滑らかで、向こう側がよく見える。もしかしたらこの穴に、いつか花が咲くかもしれない。新しい何かがやってきて、気持ちよく横たわるかもしれない……穴の今後はまだ予想もできないけれど、どう変わっていくのかちょっと楽しみですらあります。
SNSでふだんよりクローズアップされるのは、平凡で幸せな日常よりも、どちらかといえば困難や病気といった負の話題の方が多いのではないかと感じます。ことに飼われている動物を取り上げた場合。もちろん、そこにはフォロワーさんの「頑張って!」の応援がある。イオのように保護されてから亡くなるまで、ずっと闘い続きだった子はなおさら。
ふと、ある日のたそがれ時、足元で戯れるピガとユピを眺めて「あゝ 今この瞬間だ。本当にクローズアップされるべきなのは」そう感じました。イオがもしも生きていたら、きっと彼女もたそがれの看板娘として、たくさんの物語を生んだだろう……だからこそ、心優しい黒猫店長と、サボり魔だけど懐の深いバイトのゆぴ吉くんの輝く今を切り取らねば、と。
彼らの生き生きとした生の息吹、たぶんこんなことを考えているんじゃないかという優しいファンタジーが、書き手の私、読み手のみなさんに大きな安らぎをもたらしてくれると信じて。
イオちゃんは、多くの素晴らしい哲学を私とピガ、ユピに遺していってくれました。死を乗り越えた先にある、光眩い優しい世界。
そんな喫茶 たそがれは、私にとってとても大切な場所なのです。
#喫茶たそがれスピンアウトストーリー
#猫沢イオ #イオちゃんフォーエバー
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2022/1/24