西木ファビアン勇貫さんのインスタグラム写真 - (西木ファビアン勇貫Instagram)「芥川賞受賞作。ぜひ読んでほしい。最高におもしろい。  「現代社会の生きづらさ」を描いた小説が巷に氾濫していて、食傷気味になるけれど、この作品は全く違うように感じた。主人公のおかげだ。  まずラストシーンがほんと最高だった。まさに水を得た魚のように輝く主人公を見て、爆笑してしまった。もう最高。『まじでコンビニ人間やん!よかったな〜』ってなる。  そしてふと、気が付く。 主人公は、ずっと輝いていたのだ。 ずっとステージに立っていたし、ずっとスポットライトが当たっていたのだ。  一瞬だけコンビニを辞めた期間以外は。  ———あらすじ(公式より)———  「普通」とはなにか?  36歳未婚、彼氏なし。コンビニのバイト歴18年目の古倉恵子。 日々コンビニ食を食べ、夢の中でもレジを打ち、「店員」でいるときのみ世界の歯車になれる――。  「いらっしゃいませー!!」 お客様がたてる音に負けじと、今日も声を張り上げる。  ある日、婚活目的の新入り男性・白羽がやってきて、そんなコンビニ的生き方は恥ずかしい、と突きつけられるが……。  ——感想——  まずこのテーマを描くのにコンビニを選んだのがすごい。  大学生の時に始めたコンビニでのアルバイトを18年間続けている主人公。 36歳。 恋愛経験はなし。 別に悪いことをしているわけではなく、誰にも迷惑をかけずに生きている。  それなのに「なんでなの?」と聞いてくる友人たち。 「いい人いないの?」「就職しないの?」と、結婚か正社員かを迫られる。  それに怒る主人公、凹む主人公——それらを設定するのは簡単だが、『コンビニ人間』の主人公は一味違う。  「なんでなの?」って聞くのは、「なんでなの?」と心の底から疑問に思っている。  自分はおかしいと思っていないのに、周りからおかしいと言われるってことは、私おかしいのかな? おかしいんだろうな。  まあいいや。鬱陶しいけど、ずっと変って言われてきたし、慣れてるし、治らないしくらいの感覚で今日もコンビニで忙しなく働いている。  ここで「普通」を求められて辛いよね、生きづらいよね、と同情してしまうのは読者の勝手であり、先入観だったと気が付かされる。  そんなことより私にはコンビニがある。 と、主人公はマニュアルで行動を徹底されるコンビニをとても居心地よく感じている。(このキャラクター設定が凄すぎる)  それから「マニュアル通りに動く」ことが得意な主人公は、極めて合理的に自分の人生から、他人に不思議がられる部分を消去しようと動き始める。  それは生きづらさからの脱却ではなく、ただ楽な方に流れるかのように。  白羽が出てくる。どちらも社会不適合者だと周りから烙印を押されているが、周りと比べてしまうがゆえ気にしまくっている白羽と、びくともしない主人公の対比。 そして主人公を見下している白羽と、それを面白がっている主人公の対比も最高だった。何言われてもダメージゼロで笑ってしまう。  主人公にとって「コンビニ=社会」。コンビニで働くことが社会との接点で、コンビニによって「社会の歯車」になれると書いている。 「社会の歯車になってたまるか」のような反骨精神満載のパンクロックがあり、社畜なんて言葉とともに語られ、ネガティブな意味で使われることが多い言葉を、ポジティブに使っているのはかなり印象に残った。  僕も同じように思ったことがあるから。 社会の歯車になれるってすごいこと。  僕はコンビを解散し仕事がなくなったとき、社会と全く繋がれていない感覚に陥ったことがある。僕はどこの誰なんだろう、なんで東京にいるんだろうと心が不安定になった。居場所なんてなかった。それでも世界は回っていた。ちゃんと歯車になりたいと泣きそうになった。  「マニュアル人間」も同じ。 マニュアル通りできる人ってすごいこと。 僕は遅刻もするし、やるって言ってできないし、締め切り間に合わないし、最悪謝ればいいやと思っていた過去もある。 そう考えれば、主人公がヒーローだと思えてくる。  それから白羽のことを最低な人間だと感想を書いている人も多いが、僕はそう思えない部分がたくさんあった。  なぜなら僕も白羽的な部分はあるからで、自覚している。縄文時代〜うんぬんの理屈も理解できる。なんでこんなとこにおるんやろと思いながらバイトもしていたこともある。特にバイトしている夢追い系の人やセーフティネットの少ない自営業の人は、勝たないと、食っていけないと、白羽の思考なる可能性は高いと思う。言いたいことは痛いほどわかる。口にするかしないか、ヒモになるかは別として。  むしろ白羽を最低だと思える人は、ちゃんとしている人だと思う。まっとうに生きているからだと思う。うらやましい。  主人公も白羽も、いるよ。こういう人いる。自分もそんな部分かなりあった。  最後に……  チョコレートメロンサイダー(文庫p108)ってなんなん? ググっても出てこんし、しれっと書いてある最高の架空の飲み物ボケ。まずそうで最高!  #本 #読書 #読書記録 #読書記録ノート  #小説 #小説好きな人と繋がりたい #小説好き  #小説が好き #本好きな人と繋がりたい  #村田沙耶香 #コンビニ人間」11月17日 19時32分 - fabian_westwood

西木ファビアン勇貫のインスタグラム(fabian_westwood) - 11月17日 19時32分


芥川賞受賞作。ぜひ読んでほしい。最高におもしろい。

「現代社会の生きづらさ」を描いた小説が巷に氾濫していて、食傷気味になるけれど、この作品は全く違うように感じた。主人公のおかげだ。

まずラストシーンがほんと最高だった。まさに水を得た魚のように輝く主人公を見て、爆笑してしまった。もう最高。『まじでコンビニ人間やん!よかったな〜』ってなる。

そしてふと、気が付く。
主人公は、ずっと輝いていたのだ。
ずっとステージに立っていたし、ずっとスポットライトが当たっていたのだ。

一瞬だけコンビニを辞めた期間以外は。

———あらすじ(公式より)———

「普通」とはなにか?

36歳未婚、彼氏なし。コンビニのバイト歴18年目の古倉恵子。
日々コンビニ食を食べ、夢の中でもレジを打ち、「店員」でいるときのみ世界の歯車になれる――。

「いらっしゃいませー!!」
お客様がたてる音に負けじと、今日も声を張り上げる。

ある日、婚活目的の新入り男性・白羽がやってきて、そんなコンビニ的生き方は恥ずかしい、と突きつけられるが……。

——感想——

まずこのテーマを描くのにコンビニを選んだのがすごい。

大学生の時に始めたコンビニでのアルバイトを18年間続けている主人公。
36歳。
恋愛経験はなし。
別に悪いことをしているわけではなく、誰にも迷惑をかけずに生きている。

それなのに「なんでなの?」と聞いてくる友人たち。
「いい人いないの?」「就職しないの?」と、結婚か正社員かを迫られる。

それに怒る主人公、凹む主人公——それらを設定するのは簡単だが、『コンビニ人間』の主人公は一味違う。

「なんでなの?」って聞くのは、「なんでなの?」と心の底から疑問に思っている。

自分はおかしいと思っていないのに、周りからおかしいと言われるってことは、私おかしいのかな?
おかしいんだろうな。

まあいいや。鬱陶しいけど、ずっと変って言われてきたし、慣れてるし、治らないしくらいの感覚で今日もコンビニで忙しなく働いている。

ここで「普通」を求められて辛いよね、生きづらいよね、と同情してしまうのは読者の勝手であり、先入観だったと気が付かされる。

そんなことより私にはコンビニがある。
と、主人公はマニュアルで行動を徹底されるコンビニをとても居心地よく感じている。(このキャラクター設定が凄すぎる)

それから「マニュアル通りに動く」ことが得意な主人公は、極めて合理的に自分の人生から、他人に不思議がられる部分を消去しようと動き始める。

それは生きづらさからの脱却ではなく、ただ楽な方に流れるかのように。

白羽が出てくる。どちらも社会不適合者だと周りから烙印を押されているが、周りと比べてしまうがゆえ気にしまくっている白羽と、びくともしない主人公の対比。
そして主人公を見下している白羽と、それを面白がっている主人公の対比も最高だった。何言われてもダメージゼロで笑ってしまう。

主人公にとって「コンビニ=社会」。コンビニで働くことが社会との接点で、コンビニによって「社会の歯車」になれると書いている。
「社会の歯車になってたまるか」のような反骨精神満載のパンクロックがあり、社畜なんて言葉とともに語られ、ネガティブな意味で使われることが多い言葉を、ポジティブに使っているのはかなり印象に残った。

僕も同じように思ったことがあるから。
社会の歯車になれるってすごいこと。

僕はコンビを解散し仕事がなくなったとき、社会と全く繋がれていない感覚に陥ったことがある。僕はどこの誰なんだろう、なんで東京にいるんだろうと心が不安定になった。居場所なんてなかった。それでも世界は回っていた。ちゃんと歯車になりたいと泣きそうになった。

「マニュアル人間」も同じ。
マニュアル通りできる人ってすごいこと。
僕は遅刻もするし、やるって言ってできないし、締め切り間に合わないし、最悪謝ればいいやと思っていた過去もある。
そう考えれば、主人公がヒーローだと思えてくる。

それから白羽のことを最低な人間だと感想を書いている人も多いが、僕はそう思えない部分がたくさんあった。

なぜなら僕も白羽的な部分はあるからで、自覚している。縄文時代〜うんぬんの理屈も理解できる。なんでこんなとこにおるんやろと思いながらバイトもしていたこともある。特にバイトしている夢追い系の人やセーフティネットの少ない自営業の人は、勝たないと、食っていけないと、白羽の思考なる可能性は高いと思う。言いたいことは痛いほどわかる。口にするかしないか、ヒモになるかは別として。

むしろ白羽を最低だと思える人は、ちゃんとしている人だと思う。まっとうに生きているからだと思う。うらやましい。

主人公も白羽も、いるよ。こういう人いる。自分もそんな部分かなりあった。

最後に……

チョコレートメロンサイダー(文庫p108)ってなんなん?
ググっても出てこんし、しれっと書いてある最高の架空の飲み物ボケ。まずそうで最高!

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2023/11/17

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