西木ファビアン勇貫さんのインスタグラム写真 - (西木ファビアン勇貫Instagram)「摩訶不思議。滅茶苦茶やん。 そう思って、はじめの方は読み進めた。 こういうふうに進むのか、と理解できると段々面白くなってくる。  さすが奇書と言われるだけあって、改行はほとんどなく、句読点も少ない。文字の壁。新手の拷問かと思う。 小説界のラーメン二郎と誰かが書いていたが、言い得て妙。それくらい濃厚。  心して読んで欲しい。 単なる読書ではなく、筒井康隆への挑戦となる。  執筆に6年をかけたらしく、終盤では他の創作の依頼は断ったらしい。筒井康隆の集大成的作品とも言われている。  ーーーあらすじと感想ーーー  第一章 文房具  宇宙船団の中のひとつに、山ほど文房具が乗っている文房具船があり、文房具たちは全員どこか狂っている。そしてP20までに大学ノートは死に、ダブルクリップが自殺する。  は?  自分は大事だと思うところや物語のキーになっているところに線を引きながら読むタイプだが、この本に関しては、見返してみると、自分でも何故そこに線を引いたのか全くわからない。  少しだけ登場人物(文房具)とその性格を紹介すると  自意識過剰なコンパス 性欲が抑えきれない糊(のり) 誰かれ構わず喧嘩して殴り返されるホチキス 精神崩壊を起こしている輪ゴム 自分を天皇と思っている消しゴム 自分をスパイだと思い込んでいるチョーク 初老ナルシストの下敷き 大作家である三角定規兄弟の兄 兄への嫉妬に狂う三角定規兄弟の弟。などなど。  文房具たちは、どこまで行くのか、いつ帰れるのかも分からない宇宙航海のせいで、一人残らずみな気が狂っているが、閉鎖的な文具船の中ではそれが増幅され、結果として狂っていることが正常、正常こそが狂っているという逆転現象さえ起こっている。  なんとか航海を続けていたが、ある時中央船団から『惑星クォールの全住民殲滅』の指令が届く。  第二章 鼬族十種  惑星クォールの歴史物語。 これがまた重厚で、二章だけで世界史の教科書を読破した気分になる。参考書を読む時のように何度も何度も、前ページの地図や家系図を見直すことになる。  惑星クォールに住んでいるのは流刑されてきた鼬(イタチ)族の子孫で、原始的な状態から文明社会を築き上げていた。核兵器すら開発する。  血塗られた歴史は世界大戦へと行きつき、最終的には核戦争が起こってしまう。それはちょうど文房具船が住民殲滅に来襲したのと時を同じくしていた。  第三章 神話  文房具対鼬の戦争。 目線が何度も切り替わり、空間や時系列の移動も激しいのだが、読み応え抜群。バトル小説。 第1章、第2章を読み終えたご褒美だとも感じた。面白い。  そして賛否両論を引き起こした箇所が出てくる。僕は映画『大日本人』を思い出した。面白い人はここに行き着くのかとおもった。 最後のセリフも最高だった。  筒井さん曰く 「第一章でまず、SF嫌いと、主人公にしか感情移入できぬレベルの者と、物語の展開だけを求めて小説を読む読者が疎外される」  「第二章で、人間がひとりも登場しないことがはっきりし、人間以外の者に感情移入できないレベルの読者が排除される」  「第三章で、通常のエンターテインメントの如く漫然と読んでいても筋は追えるとたかをくくった読者は作品から拒否されてしまう。あたり前だ。そんなに気軽に消費されてたまるか」  #本 #読書 #読書記録 #読書記録ノート  #小説 #小説好きな人と繋がりたい #小説好き  #小説が好き #本好きな人と繋がりたい  #読書好きな人と繋がりたい #bookstagram  #book #books #novel  #作家 #小説家  #fabibooks #第一芸人文芸部  #本のある暮らし  #筒井康隆 #虚航船団」11月9日 1時53分 - fabian_westwood

西木ファビアン勇貫のインスタグラム(fabian_westwood) - 11月9日 01時53分


摩訶不思議。滅茶苦茶やん。
そう思って、はじめの方は読み進めた。
こういうふうに進むのか、と理解できると段々面白くなってくる。

さすが奇書と言われるだけあって、改行はほとんどなく、句読点も少ない。文字の壁。新手の拷問かと思う。
小説界のラーメン二郎と誰かが書いていたが、言い得て妙。それくらい濃厚。

心して読んで欲しい。
単なる読書ではなく、筒井康隆への挑戦となる。

執筆に6年をかけたらしく、終盤では他の創作の依頼は断ったらしい。筒井康隆の集大成的作品とも言われている。

ーーーあらすじと感想ーーー

第一章 文房具

宇宙船団の中のひとつに、山ほど文房具が乗っている文房具船があり、文房具たちは全員どこか狂っている。そしてP20までに大学ノートは死に、ダブルクリップが自殺する。

は?

自分は大事だと思うところや物語のキーになっているところに線を引きながら読むタイプだが、この本に関しては、見返してみると、自分でも何故そこに線を引いたのか全くわからない。

少しだけ登場人物(文房具)とその性格を紹介すると

自意識過剰なコンパス
性欲が抑えきれない糊(のり)
誰かれ構わず喧嘩して殴り返されるホチキス
精神崩壊を起こしている輪ゴム
自分を天皇と思っている消しゴム
自分をスパイだと思い込んでいるチョーク
初老ナルシストの下敷き
大作家である三角定規兄弟の兄
兄への嫉妬に狂う三角定規兄弟の弟。などなど。

文房具たちは、どこまで行くのか、いつ帰れるのかも分からない宇宙航海のせいで、一人残らずみな気が狂っているが、閉鎖的な文具船の中ではそれが増幅され、結果として狂っていることが正常、正常こそが狂っているという逆転現象さえ起こっている。

なんとか航海を続けていたが、ある時中央船団から『惑星クォールの全住民殲滅』の指令が届く。

第二章 鼬族十種

惑星クォールの歴史物語。
これがまた重厚で、二章だけで世界史の教科書を読破した気分になる。参考書を読む時のように何度も何度も、前ページの地図や家系図を見直すことになる。

惑星クォールに住んでいるのは流刑されてきた鼬(イタチ)族の子孫で、原始的な状態から文明社会を築き上げていた。核兵器すら開発する。

血塗られた歴史は世界大戦へと行きつき、最終的には核戦争が起こってしまう。それはちょうど文房具船が住民殲滅に来襲したのと時を同じくしていた。

第三章 神話

文房具対鼬の戦争。
目線が何度も切り替わり、空間や時系列の移動も激しいのだが、読み応え抜群。バトル小説。
第1章、第2章を読み終えたご褒美だとも感じた。面白い。
そして賛否両論を引き起こした箇所が出てくる。僕は映画『大日本人』を思い出した。面白い人はここに行き着くのかとおもった。
最後のセリフも最高だった。

筒井さん曰く
「第一章でまず、SF嫌いと、主人公にしか感情移入できぬレベルの者と、物語の展開だけを求めて小説を読む読者が疎外される」

「第二章で、人間がひとりも登場しないことがはっきりし、人間以外の者に感情移入できないレベルの読者が排除される」

「第三章で、通常のエンターテインメントの如く漫然と読んでいても筋は追えるとたかをくくった読者は作品から拒否されてしまう。あたり前だ。そんなに気軽に消費されてたまるか」

#本 #読書 #読書記録 #読書記録ノート
#小説 #小説好きな人と繋がりたい #小説好き
#小説が好き #本好きな人と繋がりたい
#読書好きな人と繋がりたい #bookstagram
#book #books #novel
#作家 #小説家
#fabibooks #第一芸人文芸部
#本のある暮らし
#筒井康隆 #虚航船団


[BIHAKUEN]UVシールド(UVShield)

>> 飲む日焼け止め!「UVシールド」を購入する

55

0

2023/11/9

西木ファビアン勇貫を見た方におすすめの有名人