猫沢エミさんのインスタグラム写真 - (猫沢エミInstagram)「今朝、大腸検査の予約取り直しのため、かかりつけの病院で再診察を受けてきた。  最初に言っておくけれども、なんでもない(と、思う。念のための検査)。  実は今年の1月25日、イオちゃんのがんが発覚して口腔専門病院へ駆け込んでいた日が、私の大腸検査の日でもあった。  口腔専門病院で真っ青になりながら、絶望のどん底へ突き落とされていたそのとき、予約していた病院から電話が来た。私がちっとも来ないので、何事かとかかってきた電話だった。その電話を受けるまで、自分の検査のことなど完全に忘れきってしまっていた。  私は咄嗟に「家族に急患が出まして…今、別の病院に来ています」と答えた。嘘ではなかったけれど、まるで人間の家族が急変したかのような口ぶりで話した。そのときの心情には〝動物の家族と言ってもきっと理解されないだろう〟という気持ちがあった。  イオを見送っている間、そして見送ったあとも、動物の命の攻防を体験したたくさんの方から苦しい胸の内を明かされた。または人間の大切な存在のことを。そのなかに多かったのは、「ずっと哀しみを封じ込めて、誰にも話さないできた。なぜなら、理解されないことで傷つきたくないから」というものだった。  とてもよくわかる。  私はたまたまこういう職業で、たまたまなんでもオープンに話す人間だから、SNSでイオのことを書いてきた。それで私のアカウントは、これまで話せなかった人たちの心の駆け込み寺になったり、教会の懺悔室のような役割を果たすことになった。  もしも話したかったり、話せるならば、もっと話していいと思うし、思いをだだ、ここへ置いていくだけでもいいと思っている。言葉に変換すると、見落としていたことが見えてきて、大切な存在が置いていってくれたメッセージに気がつくことができるから。  今日も主治医に1月の予約をすっぽかしたことを謝るとき、さも人間の家族を見送ったような口ぶりで話している自分がいて〝私だってどこかで理解されないと思っているじゃないか〟と思った。  「猫と生きる。」は、冠がたまたま私の愛した「猫」だけれども、ここには誰を座らせてもいい空っぽの椅子が置いてある。だから、読まれる方はその椅子に、心の中にしまいこんでいた大切な誰かを座らせて欲しい。  そして、座った誰かとじっくり話ができたらと願う。きっと心の中にしまってきた大切な存在は、嬉々としてあなたへの愛を語ってくれるだろう。  私はそんなつもりで、この本を書いた。  #猫と生きる #東京下町時間 #ピガ兄 #イオちゃんフォーエバー」9月8日 12時38分 - necozawaemi

猫沢エミのインスタグラム(necozawaemi) - 9月8日 12時38分


今朝、大腸検査の予約取り直しのため、かかりつけの病院で再診察を受けてきた。

最初に言っておくけれども、なんでもない(と、思う。念のための検査)。

実は今年の1月25日、イオちゃんのがんが発覚して口腔専門病院へ駆け込んでいた日が、私の大腸検査の日でもあった。

口腔専門病院で真っ青になりながら、絶望のどん底へ突き落とされていたそのとき、予約していた病院から電話が来た。私がちっとも来ないので、何事かとかかってきた電話だった。その電話を受けるまで、自分の検査のことなど完全に忘れきってしまっていた。

私は咄嗟に「家族に急患が出まして…今、別の病院に来ています」と答えた。嘘ではなかったけれど、まるで人間の家族が急変したかのような口ぶりで話した。そのときの心情には〝動物の家族と言ってもきっと理解されないだろう〟という気持ちがあった。

イオを見送っている間、そして見送ったあとも、動物の命の攻防を体験したたくさんの方から苦しい胸の内を明かされた。または人間の大切な存在のことを。そのなかに多かったのは、「ずっと哀しみを封じ込めて、誰にも話さないできた。なぜなら、理解されないことで傷つきたくないから」というものだった。

とてもよくわかる。

私はたまたまこういう職業で、たまたまなんでもオープンに話す人間だから、SNSでイオのことを書いてきた。それで私のアカウントは、これまで話せなかった人たちの心の駆け込み寺になったり、教会の懺悔室のような役割を果たすことになった。

もしも話したかったり、話せるならば、もっと話していいと思うし、思いをだだ、ここへ置いていくだけでもいいと思っている。言葉に変換すると、見落としていたことが見えてきて、大切な存在が置いていってくれたメッセージに気がつくことができるから。

今日も主治医に1月の予約をすっぽかしたことを謝るとき、さも人間の家族を見送ったような口ぶりで話している自分がいて〝私だってどこかで理解されないと思っているじゃないか〟と思った。

「猫と生きる。」は、冠がたまたま私の愛した「猫」だけれども、ここには誰を座らせてもいい空っぽの椅子が置いてある。だから、読まれる方はその椅子に、心の中にしまいこんでいた大切な誰かを座らせて欲しい。

そして、座った誰かとじっくり話ができたらと願う。きっと心の中にしまってきた大切な存在は、嬉々としてあなたへの愛を語ってくれるだろう。

私はそんなつもりで、この本を書いた。

#猫と生きる #東京下町時間 #ピガ兄 #イオちゃんフォーエバー


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2021/9/8

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