佐々木良のインスタグラム(ryosasaki) - 11月17日 23時31分


KANさんが逝ってしまわれた。
Xにも書いたけど、KANさんのことだから我々のために最後に何かとんでもない事を仕掛けてあるんじゃないかと思えてなりません。
訃報を耳にした瞬間にそんなことを思ってしまった。
悲しみと同時に、数日後か、何年後か、何十年後かにKANさんからのサプライズがあるのではないかと思うと、ずっと楽しみでいられるということで、遺してくれた作品を聴きながら一生待つことができると思いました。(ビートルズの新曲がリリースされる時代だし)

中学生のときに『愛は勝つ』が大ヒット。
シングルは買った気がするけど、アルバムはレンタルCD屋さんで借りたような気がする。
その時直後に出たベストアルバム『めずらしい人生』はもう文字通り擦り切れるほど聴いて、(レンタルCD→カセット)KANさんの曲で1曲挙げるとして真っ先に浮かぶのが『めずらしい人生』。この曲が今日ほど沁みることはないでしょう。

その後はリリースのたびに追いかけるというほどではなくなっていき、大人になった。
2001年、自分もミュージシャンとしていよいよメジャーデビューすることになった。
所属のBMGファンハウスに、ちょうどその時期KANさんも所属していた。
その時初めてライブを観に行かせていただいて、KANさんのパーソナリティを知らずに曲だけを聴いていた自分は大いに衝撃を受けた。
「え!KANさんのライブってこんな感じなの?!」と笑(どストライク)
あの時のライブの小ネタは今でも思い出せるほど衝撃的だった。

当時の自分は、第一に「メジャーデビュー」することが目標で、ようやくそのチャンスを掴みかけたところで、雑誌やテレビやラジオに出ていないと「売れている」とみなされないという先入観があったため(当時のお茶の間的にはそうだったんじゃないかなぁ)、『愛は勝つ』が大ヒットしていた時代から比べるとメディアへの露出が大きく減っていたにもかかわらず、大きな会場が満員のお客さんで熱狂している事実にも大いにカルチャーショックを受けた。

残念ながらBMGからはシングル2枚とアルバム1枚をリリースして移籍してしまったが、そのときに発売したアルバム『Gleam & Squeeze』が最もたくさん聴いたアルバムになった。

その後、同じくKANさんの大ファンであるイトケンが直接御本人と繋がっているご縁でライブに誘ってくれて、ご挨拶させてもらった。
また、何と言ってもイトケンと一緒にやっているバンド『サトミツ&ザ・トイレッツ』の2017年にリリースした1stアルバム『ホワイトアルバム』が、KAN さんのレギュラーラジオ『KANのロックボンソワ』において、KANさんが選ぶAlbum of the Year2017に選んでいただいたことはまさに天にも昇る気持ちであった。
まさに自分もKANさんイズムで音楽とユーモアは切り離せないものと考えているため、パロディや洒落を散りばめながら音楽的にも高いものを目指したこのアルバムを評価していただいたことは自信に繋がった。

そして2019年、兼ねてからKANさんが「はじまりはいつも雨」の澤近さんのアレンジを絶賛しているお話や、その澤近さんもあらゆる面においてKANさんを大尊敬しているという事実があり、ジリジリと近づいていた二人の間をキューピットのイトケンが繋いでくれて、会食をセッティングしてくれた。
KANさん、澤近さん、イトケン、イトシュン、自分でしこたまシャンパンを呑んだ。幸せなひとときでありました。

そんな形でお近づきになって2021年、毎年恒例の澤近さんの誕生日ライブのシークレットゲストにダメ元でオファーをしたところ、なんと快諾してくださることに。(この年はなんとASKAさんも出てくださってとんでもない神回に)
澤近さんが大好きな曲のカバーということで「愛は勝つ」を弾き語り、KANさんが2番からご本人登場という流れ。もちろんKANさんはアメフトの防具一式と、でかい羽を付けての登場。短いゲスト出演でも一切手を抜かない。
そのあと澤近さんのピアノ伴奏で、珠玉のバラード『エキストラ』をそのままの格好で歌い上げた。
あまりに飄々としている上に素晴らしい楽曲と歌唱であるため、『奇をてらった格好をしている』という事実が完全に気にならなくなるばかりかむしろ感動するレベルに達しておられた。

KANさんが病気療養を発表されての今年6月。澤近さんの生誕ライブスペシャルで、私も町田市民ホールのステージに立たせていただいた。澤近さんのご提案で、エールを込めて満員のお客さんの前で「愛は勝つ」を歌った。
こころを込めて歌ったものの、「歌の力」や「思いよ届け」などなんかおこがましくて、KANさんに伝えたいのをぐっとこらえて特にご報告はせずにいた。
知っててくださったかな?やっぱり「歌わせていただきました〜!」って報告すればよかったな。
きっと軽いダジャレを交えて丁寧にお返事をくれたことでしょう。そして最後に

「では、股。   KAN」と。

さて、KANさんからのサプライズを気長に待つことにします。
「あると思わせて無い」っていうサプライズかも笑
無いことは証明できないので一生楽しみにできますね。

では、股。


[BIHAKUEN]UVシールド(UVShield)

>> 飲む日焼け止め!「UVシールド」を購入する

425

6

2023/11/17

佐々木良を見た方におすすめの有名人