猫沢エミさんのインスタグラム写真 - (猫沢エミInstagram)「イオの見送りの物語に深く関わっていた、ハコちゃんの話をしてもいいかな。ハコちゃんは、大分のあるお菓子アトリエの子で、パティシエールのマコさんの最愛の猫ちゃんだった。私がInstagramで偶然ハコちゃんを見つけたとき、そのまあるいお顔と猫にしては小さめのおめめの愛らしさに釘付けになって、ひっそりと跡を追い始めたのがきっかけだった。 Instagramで日々上がってくるたくさんの猫ちゃんはどの子もかわいいけれど、飼い主さんの視線が「猫」止まりなのも多い。そんななか、ハコちゃんに対するマコさんの視線は〝一個体のはっきりとした個性を持っている、独立した命〟で、それゆえにハコちゃんは時に面白おかしく、輝いていた。そんなハコちゃんが、今年の初めごろ…ちょうどイオの扁平上皮がんが発覚する3週間ほど前に、同じ扁平上皮がんになってしまった。そのときは、聞いたこともないこのガンになってしまったハコちゃんに対する神さまの非情さに「神のくせして神も仏もねぇわ！」と地団駄を踏んだ。ところが、そのたった3週間後に奇しくもイオまで扁平上皮がんに侵されていることがわかった。ハコちゃんの病巣は下半身で、イオはあごと、できた場所が違ったというのもあったけれど、ハコちゃんは9ヶ月を越える延命を果たして、先日ハワイへ旅立った。お互いの愛猫の見送り時、たびたび交わしていた飼い主マコさんとの往復書簡では、お互いを励ましたり、涙をわかち合ったり、苦しい胸の内を語り合ったりした。私たちはどちらも最愛の娘がかわいくて、手放したくなくて、苦しんだ。イオがハワイへ旅立ってからは、イオにハコちゃんの守護神となるよういつもお願いしていた。ハコちゃんの延命は、私がイオにも下した手術をしないというこのがんの、もしかしたら最良の選択にいつも希望の光を与えてくれた。我が身の命を捧げても繋ぎ止めたい最愛の存在に穏やかな最期を贈るため、かなぐり捨てる願いやエゴ。それがどれだけ苦しいものなのか、私もマコさんも知っている。その、握りしめた手のひらに血が滲むような心の葛藤の末に、ハコちゃんとイオは、苦しむことなく天国タクシーへ乗ってアロ〜ハ〜とハワイへ旅立った。最期はマコさんの腕の中で……星降る夜空の下で、眠るようにいけたという。その日の同時刻、イオではない猫ちゃんの影が、イオの祭壇前をかすめる姿を見た。私も息子たちも「？」と顔を見合わせて不思議がってたけれど、あれは天国タクシーがちょっと寄り道して「あざます♡」ってハコちゃんが律儀にご挨拶をしていってくれたんだと少し後でわかった。生前は会うことがなかったけれど、イオには今、女の子の親友ができた。歳も近いふたりのフラダンスな毎日は、きっと楽しくて素敵なことだろう。ハコちゃん、あなたがきっかけで、ママとお友達になれました。どうか、イオとも仲良くしてあげてね。そしていつか、みんなみんなでフラダンスを踊りましょう。イオの母より、心を込めて。 #猫と生きる #ハコちゃんへのラブレター💌　#イオちゃんフォーエバー」10月7日 14時16分