内沼晋太郎さんのインスタグラム写真 - (内沼晋太郎Instagram)「本は移動手段である。読者をどんな場所にでも連れて行くからだ。  LLMの普及を、自動車の普及と重ねてみる。  そのとき紙の本は、馬車のように廃れてしまうのか。それとも、自転車のように生き残るのか?  国によっても時代によっても、自転車の普及率は違う。日本は坂が多いにもかかわらず、自転車の普及率は現代においても高めのまま維持されている。  同時に、概ね国にも時代にもかかわらず言えることは、自転車は馬車と違い、新しいテクノロジーによって消えることなく、いまもふつうに生き残っているということだ。  本は、馬車になり下がることも、自転車として生き残ることも、あり得るのではないか。それは、本を愛するわたしたちの仕事次第、努力次第なのではないか。  本を自転車にするための仕事をしたい。  そう思って、自転車について調べはじめた。  なかなか変な本が蔵書されている内沼家の本棚はこういうときに頼りになるもので、見つけた『自転車の本』は1970年代後半にブリヂストンの自転車を買うとついてくる非売品だったようだ。文庫サイズで函入り、フルカラーのハードカバー。  この冒頭の一節が興味深い。「つい最近までは、実用車として、子どもの遊び用として、しか考えられていなかった自転車が、いまや、人間性回復の大きな力として、また、健康管理のよきパートナーとして、世界中で、再認識されているというのが現状です」とある。  まるで近未来の本について語られているように感じる。実用やエンタテインメントのためだった本は、LLMに頼るようになって衰えた思考力を取り戻すため、つまり人間性の回復と健康のために再認識されるのかもしれない。  本と自転車の共通点は意外なほど思いつく。起動が早い。電源がいらない。それぞれ新しいテクノロジーに対する補完的な存在になる。人体への負荷も低そうだ。  自転車をはじめとする移動手段の歴史や比較文化論などを、さらに知りたくなっている。教えてくださる詳しい方、同様に勉強した知見を共有してくださる志を同じくする方、ご連絡くださいませ。  #本の循環」4月20日 14時39分 - numabooks

内沼晋太郎のインスタグラム(numabooks) - 4月20日 14時39分


本は移動手段である。読者をどんな場所にでも連れて行くからだ。

LLMの普及を、自動車の普及と重ねてみる。

そのとき紙の本は、馬車のように廃れてしまうのか。それとも、自転車のように生き残るのか?

国によっても時代によっても、自転車の普及率は違う。日本は坂が多いにもかかわらず、自転車の普及率は現代においても高めのまま維持されている。

同時に、概ね国にも時代にもかかわらず言えることは、自転車は馬車と違い、新しいテクノロジーによって消えることなく、いまもふつうに生き残っているということだ。

本は、馬車になり下がることも、自転車として生き残ることも、あり得るのではないか。それは、本を愛するわたしたちの仕事次第、努力次第なのではないか。

本を自転車にするための仕事をしたい。

そう思って、自転車について調べはじめた。

なかなか変な本が蔵書されている内沼家の本棚はこういうときに頼りになるもので、見つけた『自転車の本』は1970年代後半にブリヂストンの自転車を買うとついてくる非売品だったようだ。文庫サイズで函入り、フルカラーのハードカバー。

この冒頭の一節が興味深い。「つい最近までは、実用車として、子どもの遊び用として、しか考えられていなかった自転車が、いまや、人間性回復の大きな力として、また、健康管理のよきパートナーとして、世界中で、再認識されているというのが現状です」とある。

まるで近未来の本について語られているように感じる。実用やエンタテインメントのためだった本は、LLMに頼るようになって衰えた思考力を取り戻すため、つまり人間性の回復と健康のために再認識されるのかもしれない。

本と自転車の共通点は意外なほど思いつく。起動が早い。電源がいらない。それぞれ新しいテクノロジーに対する補完的な存在になる。人体への負荷も低そうだ。

自転車をはじめとする移動手段の歴史や比較文化論などを、さらに知りたくなっている。教えてくださる詳しい方、同様に勉強した知見を共有してくださる志を同じくする方、ご連絡くださいませ。

#本の循環


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2023/4/20

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