猫沢エミのインスタグラム(necozawaemi) - 6月29日 08時37分

フランスへ来て、私はこれまでとはまったく違う次元で〝野菜が好き〟になった。

もちろんこれまでも野菜中心の食事でなにより野菜は好きだったけれど、日本の野菜たちはおしなべて甘く優しく柔らかく、どちらかというと作り手がその繊細さを気遣っておいしいところへもっていく感じがしていた。

それに比べてフランスの野菜は存在の主張が強い。懇々と湧きあがるような力に溢れていて、野生味もあるから作り手も力を込めて対峙できる。

食べる時も、「ただ食べられてんじゃないな、こいつら」という感じがする。食べ手と対等なまま命を手渡してくる野菜たち。そして食べた瞬間に、ビタミンや栄養がすごい濃度で体の中に流れ込んできて、即効性を感じるのだよ。

今日は人参、青りんご、そしてハーブの品が良かったから、ひよこ豆とレーズン、くるみにセロリも合わせたタブレ風のサラダを作る。フランスの青りんご🍏は最高に美味しくてね。ほのかな渋みと舌にのせるとチリッとするような酸味もあるけど、ちゃんとその奥に深い甘みがある。で、硬くてカリッとしている。他の野菜たちも、えぐみや渋み、香りの強さなどを良しとする原種の魅力を失っていないなと感じる。

@lamainvertebio の野菜博士みたいなマダムが「バジルは今が旬よ。香りがとても強いから、使う量に注意して」とアドバイスをくれた通り、若葉のように薄く柔らかいバジルからは見た目とは反した雄々しい香り。コリアンダーと合わせてたっぷり刻んで入れました。

一口ごとに広がる夏の野趣。

フランスの風も大地もぜんぶ閉じ込めたような味わい。

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