猫沢エミさんのインスタグラム写真 - (猫沢エミInstagram)「1ヶ月前の今日、私はイオが病であることを悲痛な気持ちで知り、それをまだ半分も受け入れられぬまま、命をつなぐために奔走を始めた。  疲れ切ったあの日の夜も、不確かな希望と絶望のあいだを秒単位で行ったり来たりしながら、月を眺めていたっけな。  私は頑なで、容易に人の言うことを信じないところがある。だから、実際に調べたり自分の目で確かめて体感しないと、何事も決められないのだ。  〝泣くのは後でも出来るから、苦難がやってきたら今すぐに動かねばならない〟というのは、これまでの人生で自分自身がガンになったとき、全身不随の危険が差し迫った時にも発動した、突破口を見つけるための私のスローガンだった。  あの日も同じ気持ちで、一日に出来うることを最大限探して片っ端から挑んでいた。  それでも突破できないこともあると知ったのは、それから5日後だったけれど。  たくさんのサプリメント、はっきりした医学的データのない、まことしやかな情報が流れ込んできて混乱した。手立てがない。時間もない。それでも、それなりに情報を精査する必要があった。  嵐のような1ヶ月を終えてみて、どうして飼い主さんが藁をもすがる気持ちでそうしたものに頼るのか、今なら痛いほどわかる。  サプリメントはおそらく飼い主さんの心の薬で、それもまた手立てのない子を支えるには必要なときもあるということも。自分はなにかしてあげられている…決してただ黙って見ているだけじゃないのだ、っていう。それでもいいのだ。泣いて塞ぎ込む飼い主さんが傍にいるよりも、すこしでも笑っていられる飼い主さんに動物たちはいてほしいから。彼らは優しく、私たち人間が思うよりずっと賢い。  ところで親きょうだいが死ぬよりも、一緒に暮らした動物に死なれる方がずっと辛いのはなぜだろうね。それは理想の子どもだから。永遠におとなにならないゆえ、最愛の存在として定義される者たちだから。  私たちは彼らに魂の一部を預けて共に暮らす。それを持ったまま旅立ってしまうから心にぽっかりと穴が空く。ただ、その穴には時を経て渾々と水が湧き出す。はじめは滲み出るように、それから泉となって、最後には海のように満々と水をたたえる。その水は愛でできていて、彼らが去ったあとの飼い主たちの人生を、絶えることなく潤していく。   見送る運命を引き受けて、動物と暮らすことを決め、それをまっとうした人にだけ与えられる芳醇の海。  なんて豊かなことだろう。  #東京下町時間 #イオの扁平上皮ガン日記」2月25日 2時58分 - necozawaemi

猫沢エミのインスタグラム(necozawaemi) - 2月25日 02時58分


1ヶ月前の今日、私はイオが病であることを悲痛な気持ちで知り、それをまだ半分も受け入れられぬまま、命をつなぐために奔走を始めた。

疲れ切ったあの日の夜も、不確かな希望と絶望のあいだを秒単位で行ったり来たりしながら、月を眺めていたっけな。

私は頑なで、容易に人の言うことを信じないところがある。だから、実際に調べたり自分の目で確かめて体感しないと、何事も決められないのだ。

〝泣くのは後でも出来るから、苦難がやってきたら今すぐに動かねばならない〟というのは、これまでの人生で自分自身がガンになったとき、全身不随の危険が差し迫った時にも発動した、突破口を見つけるための私のスローガンだった。

あの日も同じ気持ちで、一日に出来うることを最大限探して片っ端から挑んでいた。

それでも突破できないこともあると知ったのは、それから5日後だったけれど。

たくさんのサプリメント、はっきりした医学的データのない、まことしやかな情報が流れ込んできて混乱した。手立てがない。時間もない。それでも、それなりに情報を精査する必要があった。

嵐のような1ヶ月を終えてみて、どうして飼い主さんが藁をもすがる気持ちでそうしたものに頼るのか、今なら痛いほどわかる。

サプリメントはおそらく飼い主さんの心の薬で、それもまた手立てのない子を支えるには必要なときもあるということも。自分はなにかしてあげられている…決してただ黙って見ているだけじゃないのだ、っていう。それでもいいのだ。泣いて塞ぎ込む飼い主さんが傍にいるよりも、すこしでも笑っていられる飼い主さんに動物たちはいてほしいから。彼らは優しく、私たち人間が思うよりずっと賢い。

ところで親きょうだいが死ぬよりも、一緒に暮らした動物に死なれる方がずっと辛いのはなぜだろうね。それは理想の子どもだから。永遠におとなにならないゆえ、最愛の存在として定義される者たちだから。

私たちは彼らに魂の一部を預けて共に暮らす。それを持ったまま旅立ってしまうから心にぽっかりと穴が空く。ただ、その穴には時を経て渾々と水が湧き出す。はじめは滲み出るように、それから泉となって、最後には海のように満々と水をたたえる。その水は愛でできていて、彼らが去ったあとの飼い主たちの人生を、絶えることなく潤していく。 

見送る運命を引き受けて、動物と暮らすことを決め、それをまっとうした人にだけ与えられる芳醇の海。

なんて豊かなことだろう。

#東京下町時間 #イオの扁平上皮ガン日記


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2021/2/25

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