ダンデライオン・チョコレート・ジャパンさんのインスタグラム写真 - (ダンデライオン・チョコレート・ジャパンInstagram)「1700年代に入ると、産業革命を機にチョコレートにも次々と技術革新が起こります。 今回は、チョコレートの工業化が進む中で誕生した「チョコレートの4大革命」について、ご紹介していきたいと思います。  ■チョコレートの工業化(1730年〜) 1775年にイギリスのジェームズ・ワットが開発した蒸気機関の技術を利用し、チョコレートの製造工場が増えたことにより、大量生産と価格の低下が可能になりました。これまで貴族の贅沢品だったチョコレートが庶民まで親しめるようになったのです。  ・チョコレートの4大革命 ①カカオバターの抽出 世に広く普及したチョコレート。しかし、カカオに含まれる油分(ココアバター)が、水やミルクなどの水分と混ざりにくく分離しやすい状態だったため、この時はまだザラザラとした食感で、舌触りの悪い飲み物でした。また、発酵による酸の香りも強烈だったそうです。  これを一気に解決したのが、1828年のオランダのヴァン・ホーテンによる技術革新です。今やココアでお馴染みの、「ヴァン・ホーテン」。通常カカオ豆には約55%の油分が含まれていますが、ヴァン・ホーテンは、ココアバターの圧搾機を発明し、カカオからココアバターを絞り出し、油分を約28%程度まで落とすことに成功しました。これをパウダー状にしたものがココアパウダーです。油分が少ないココアパウダーは水分と混ざりやすく、舌触りが良くなりました。また、カカオ豆をアルカリ処理することにより、酸が中和されて酸味が減少し、マイルドで飲みやすくすることにも成功しました。   ②固形チョコレートの誕生 1847年、イギリスのジョセフ・フライによって、最初の固形チョコレートが完成。ここでチョコレートは飲み物から食べ物に変化します。  これまでのチョコレートは、ココアパウダーを固めただけの「ココアケーキ」に、砂糖と水を加えた飲み物として親しまれていました。ところが、ジョセフ・フライがココアパウダーと砂糖にココアバターを混ぜたところ、常温で固体化するココアバターのお陰でチョコレートが固まり、結果として「食べるチョコレート」が実現したのです。   ③ミルクチョコレートの誕生 1875年には、スイスのダニエル・ペーターがミルクチョコレートの開発に成功します。ミルクチョコレートの開発における最大の難点は、「カカオバター(油分)とミルク(水分)の乳化」でした。カカオバターとミルクの水分が混ざらず分離し、また腐敗しやすいという課題がありました。 ダニエル・ペーターはスイス初のチョコレート会社François-Louis Caillerの娘ファニー・カイエと結婚したことを機に、ミルクチョコレートの開発に乗り出します。これまではダニエル・ペーターの近所に住むアンリ・ネスレの協力の元、ミルクパウダーを共同開発したと言われていました。 しかし、近年広島大学名誉教授の佐藤清隆氏により、ダニエル・ペーターは一人でミルクパウダーを開発し、ミルクチョコレートを作ったことが判明しました。  ④なめらかなチョコレートの誕生 ここまでの歴史でわたしたちの知る「チョコレート」にかなり近づいてきましたが、一つ足りないものがあります。それは、チョコレートの「なめらかさ」です。 当時のチョコレートはココアパウダーにココアバターや砂糖、ミルクパウダーを混ぜて固めただけのものだったため、ザラザラとしていて、食感が良くありませんでした。  それを解決したのが、日本でもLindt(@lindt_chocolate_japan)としてお馴染みの、ルドルフ・リンツです。菓子職人だったルドルフは、なめらかなチョコレートを作るために研究を重ねていましたが、なかなかうまく進みませんでした。ところが、1879年のある夜、チョコレートを入れた機械を稼働したまま帰宅してしまい、週末を挟んだ72時間後に工場に戻ると、なんと自分が思い描いていた艶やかでなめらかなチョコレートを発見したのです(この発見が偶然なのか、意図的なのかは諸説あります)。  この機械は、チョコレートの原材料を加熱しながら攪拌し、練り上げることで、原材料が液状化し混ざり合い、酸味やえぐ味といったオフフレーバー(本来その食品が持つ匂いから逸脱した異臭や変質臭)を揮発させる作用があり、「コンチェ」と名付けられました。リンツが使用していた容器の形がコンチ貝の形に似ていたことから、スペイン語で「貝」を意味する「コンチェ」と名付けたそうですが、現在のチョコレートの製造においても、「コンチング(精錬)」という言葉で使われています。 ---  こうして、カカオは苦い飲み物から甘い飲み物へ、そして食べ物へと進化し、ミルクチョコレートを始めとした様々な種類のチョコレートが出来るようになりました。  産業革命を機に大量生産にも成功し、それまで貴族の贅沢品だったチョコレートは庶民のお菓子や嗜好品として定着していきます。   *『チョコレートの歴史を知ろう - 海を渡って進化するチョコレート』では、カカオの発祥から現在のクラフトチョコレートの成り立ちまで、幅広く解説しています。興味のある方は、WEBサイトの記事も合わせてお読みください。」10月26日 16時18分 - dandelion_chocolate_japan

ダンデライオン・チョコレート・ジャパンのインスタグラム(dandelion_chocolate_japan) - 10月26日 16時18分



ダンデライオン・チョコレート ファクトリー&カフェ蔵前 - Instagrammers Gourmet


1700年代に入ると、産業革命を機にチョコレートにも次々と技術革新が起こります。
今回は、チョコレートの工業化が進む中で誕生した「チョコレートの4大革命」について、ご紹介していきたいと思います。

■チョコレートの工業化(1730年〜)
1775年にイギリスのジェームズ・ワットが開発した蒸気機関の技術を利用し、チョコレートの製造工場が増えたことにより、大量生産と価格の低下が可能になりました。これまで貴族の贅沢品だったチョコレートが庶民まで親しめるようになったのです。

・チョコレートの4大革命
①カカオバターの抽出
世に広く普及したチョコレート。しかし、カカオに含まれる油分(ココアバター)が、水やミルクなどの水分と混ざりにくく分離しやすい状態だったため、この時はまだザラザラとした食感で、舌触りの悪い飲み物でした。また、発酵による酸の香りも強烈だったそうです。

これを一気に解決したのが、1828年のオランダのヴァン・ホーテンによる技術革新です。今やココアでお馴染みの、「ヴァン・ホーテン」。通常カカオ豆には約55%の油分が含まれていますが、ヴァン・ホーテンは、ココアバターの圧搾機を発明し、カカオからココアバターを絞り出し、油分を約28%程度まで落とすことに成功しました。これをパウダー状にしたものがココアパウダーです。油分が少ないココアパウダーは水分と混ざりやすく、舌触りが良くなりました。また、カカオ豆をアルカリ処理することにより、酸が中和されて酸味が減少し、マイルドで飲みやすくすることにも成功しました。


②固形チョコレートの誕生
1847年、イギリスのジョセフ・フライによって、最初の固形チョコレートが完成。ここでチョコレートは飲み物から食べ物に変化します。

これまでのチョコレートは、ココアパウダーを固めただけの「ココアケーキ」に、砂糖と水を加えた飲み物として親しまれていました。ところが、ジョセフ・フライがココアパウダーと砂糖にココアバターを混ぜたところ、常温で固体化するココアバターのお陰でチョコレートが固まり、結果として「食べるチョコレート」が実現したのです。


③ミルクチョコレートの誕生
1875年には、スイスのダニエル・ペーターがミルクチョコレートの開発に成功します。ミルクチョコレートの開発における最大の難点は、「カカオバター(油分)とミルク(水分)の乳化」でした。カカオバターとミルクの水分が混ざらず分離し、また腐敗しやすいという課題がありました。
ダニエル・ペーターはスイス初のチョコレート会社François-Louis Caillerの娘ファニー・カイエと結婚したことを機に、ミルクチョコレートの開発に乗り出します。これまではダニエル・ペーターの近所に住むアンリ・ネスレの協力の元、ミルクパウダーを共同開発したと言われていました。
しかし、近年広島大学名誉教授の佐藤清隆氏により、ダニエル・ペーターは一人でミルクパウダーを開発し、ミルクチョコレートを作ったことが判明しました。

④なめらかなチョコレートの誕生
ここまでの歴史でわたしたちの知る「チョコレート」にかなり近づいてきましたが、一つ足りないものがあります。それは、チョコレートの「なめらかさ」です。
当時のチョコレートはココアパウダーにココアバターや砂糖、ミルクパウダーを混ぜて固めただけのものだったため、ザラザラとしていて、食感が良くありませんでした。

それを解決したのが、日本でもLindt(@lindt_chocolate_japan)としてお馴染みの、ルドルフ・リンツです。菓子職人だったルドルフは、なめらかなチョコレートを作るために研究を重ねていましたが、なかなかうまく進みませんでした。ところが、1879年のある夜、チョコレートを入れた機械を稼働したまま帰宅してしまい、週末を挟んだ72時間後に工場に戻ると、なんと自分が思い描いていた艶やかでなめらかなチョコレートを発見したのです(この発見が偶然なのか、意図的なのかは諸説あります)。

この機械は、チョコレートの原材料を加熱しながら攪拌し、練り上げることで、原材料が液状化し混ざり合い、酸味やえぐ味といったオフフレーバー(本来その食品が持つ匂いから逸脱した異臭や変質臭)を揮発させる作用があり、「コンチェ」と名付けられました。リンツが使用していた容器の形がコンチ貝の形に似ていたことから、スペイン語で「貝」を意味する「コンチェ」と名付けたそうですが、現在のチョコレートの製造においても、「コンチング(精錬)」という言葉で使われています。
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こうして、カカオは苦い飲み物から甘い飲み物へ、そして食べ物へと進化し、ミルクチョコレートを始めとした様々な種類のチョコレートが出来るようになりました。

産業革命を機に大量生産にも成功し、それまで貴族の贅沢品だったチョコレートは庶民のお菓子や嗜好品として定着していきます。


*『チョコレートの歴史を知ろう - 海を渡って進化するチョコレート』では、カカオの発祥から現在のクラフトチョコレートの成り立ちまで、幅広く解説しています。興味のある方は、WEBサイトの記事も合わせてお読みください。


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2020/10/26

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