ダンデライオン・チョコレート・ジャパンのインスタグラム(dandelion_chocolate_japan) - 10月5日 15時06分
ダンデライオン・チョコレート ファクトリー&カフェ蔵前 - Instagrammers Gourmet
チョコレートは、カカオが採れる「生産地」から、実際に製造して喫食する「消費国」が遠く離れているという点で、とてもユニークな食べ物といわれています。
さて、今回はチョコレートの歴史とも深く関係しているマヤ・アステカ文明まで遡りたいと思います。
■マヤ・アステカ文明(紀元前2000年頃)
作物としてカカオが栽培され始めたのは、紀元前2000年頃のメソアメリカと言われています。マヤ文明の母体となったオルメカ文明時代の首都「サン・ロレンツォ(San Lorenzo:現メキシコ)」では、テオブロミンの残留物が付着した土器が発見されています。
ネックレス状の入れ物(Caamaño)、光沢のあるボトル(Pochitoca)、黒と白の縁が丸まったボウル(Tigrillo)といった、保存や調理、提供に用いられたと考えられる器具が一緒に発見されていることから、この頃からカカオを「調理」していたと考えられます。
マヤ文明の象形文字にはカカオを表すものもあり、当時のカカオは宗教や貨幣、薬といった様々な取り入れ方をされていました。貨幣としてのカカオ豆は、20粒で片道の荷物運び、100粒で奴隷一人...というように換算されていたようです。
宗教面では、神への捧げ物として、通過儀式(出産や成人、婚礼等)、豊穣祈願等に用いられました。
当時のカカオドリンクは、カカオ豆を火にかけて焙煎し、外皮を取り、石で作られた板(メターテ)と棒(マノ)ですり潰し、水を加えて混ぜてから、肩の高さに置かれた容器と床に置かれたもう一つの容器を用いて、交互に移し替えて泡立つように作られていました。
バニラ、オールスパイス、樹液、はちみつ、チリ、トウモロコシの粉を加える等の工夫もなされており、様々な味わいがあったそうです。
カカオは非常に高価なものとして特権階級の人々に限られており、強精・栄養強化の目的でも愛飲されていました。
「チョコレート」の語源には諸説ありますが、一説にはアステカのナワトル族の言葉とつながりがあるのでは、と言われています(ナワトル語の「xocolātl」= 苦い水)。他には、マヤ語の「chokol(熱い)」とナワトル語の「atl(水)」が組み合わさったという説や、「kacau(カカオ)」と「atl(水)」で「カカオ水」を意味するという説もあります。
いずれにせよ、「チョコレート」という言葉は、マヤ文化とアステカ文化の組み合わせであることが分かっており、歴史的にも現在までその文化が引き継がれていることを示しています。
ダンデライオン・チョコレートでは、主に中南米のカカオ豆を使用しています。サンフランシスコから近いのもありますが、カカオ発祥の地域であるため代々受け継がれてきたカカオ農園があること、またカカオの研究機関も多く、品質の良いカカオ豆を栽培しやすい環境であることもなども強く関係しています。
カカオの産地や歴史まで思いを馳せながらチョコレートを味わうのもまた、おすすめです。
*先日掲載した『チョコレートの歴史を知ろう - 海を渡って進化するチョコレート』では、カカオの発祥から現在のクラフトチョコレートの成り立ちまで、幅広く解説しています。興味のある方は、WEBサイトの記事も合わせてご高覧ください
Photo by @dandelionchocolate
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2020/10/5