猫沢エミのインスタグラム(necozawaemi) - 12月22日 21時03分

ただいまフランス全土で繰り広げられているゼネラルストライキ。

マクロン政権が打ち出した、新しい年金制度改革が国民の猛反発を受けてのことなんですが、ここまで大規模なストは1998年以来。

これまでのフランスの年金制度は、職種などに合わせて42（！）ものカテゴリーがあり、それを見直して、受給年齢を60歳から64歳に引き上げる&受給額も少なくなるというのがおおまかな概要なんですけど、日本の年金制度に比べたら…というのが正直な感想。そして、次世代の人たちが困らないよう、今我々が闘わねば！という心意気がなんともフランスらしく、そんな彼らが眩しく見えてしまう昨今です。

日本は、日本人は、これからどうするのだろう？真面目に働いて年金を払い、額を減らされ、受給年齢を勝手に上げられてもおとなしい羊の群れのごとく、なにも声をあげないんだろうな…という虚無感だけが胸に渦巻く。表層的な『うまく行ってる感』で大多数の国民が、決して遠くはない危ない未来に目を瞑る。そんな感慨に浸ってしまう。

ちなみにクリスマスまでには終わらせたかっただろうストは、フランス労働総同盟（CGT）をはじめとする組合機関と政府の交渉決裂により膠着状態。パリ市内の輪番停電が始まるなど、激化している。ただし、病院などの命に関わる施設へは送電を止めない配慮も。

私の彼も仕事場への不便な通勤に難儀していますが、決して屈するつもりはないそう。実際、この状況でも国民の62%がストに賛成しており、さすがフランス革命を起こした民族は違うな！

ところで昨日、アトリエに向かうバスに乗っていた彼から実況中継がありました。バスの運転手さんが疲弊するパリ市民を気遣って、ずっと愉快なディスクジョッキーをしてくれて、大盛り上がり。お客さんが乗り込んでくるたびに『このバスはラスベガス行きだ〜❣️』『Ouiiiiiiiii ‼️』と、乗客もノリノリだった。個人主義だから人のことは知らんぷり、じゃないのよ。ひとりひとりに指針があるからこそ、集団になったとき、絶大な力を発する。

私こそが国である。その私が政治を司っているという意識は、世界で一番最初に政治学を確立した国のアイデンティティなのかもしれない。

日本のフランス、どちらがいいという話ではない。私たちの国には、フランスには真似のできない素晴らしい点がたくさんあるからこそ、フランスから学ぶこともあるんじゃないかと私は思う。

あのめんどくさくて不便だけれど、生きていることをひしひしと感じるエネルギーのなかに、再び身を置きたいと思う自分がいる。

#猫パリ　#フランスストライキ

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