平泉春奈さんのインスタグラム写真 - (平泉春奈Instagram)「『白昼夢』「栄太に、この観覧車の素晴らしいジンクスを教えてあげよう！」「頂上に来た瞬間キスしたらその二人は絶対別れない、とか？」「ええ？！知ってたの？」「悪いけど、俺そういうの苦手だからね」「む～、つまんないの」窓から見える壮大な景色。街も山も空も、自身の存在を強く主張している。狭い箱に収まっている私達が、いつにも増してちっぽけに感じた。彼と作り上げていく思い出は、ドキドキの連続だった。初めて手を繋いだ放課後も、公園で触れるだけのキスをした夜も、宝物にしたくなるような時間の積み重ねが今の私を支えていた。今この瞬間だって、彼とどこまでも一緒にいたいって強く思う。だけど…… いつかお母さんとお父さんみたいに、終わりがくる？お父さんが家を出ていく時、お母さんは泣きながら私に言った。「愛は永遠じゃないんだよ」あの時の、胸を突き刺す痛みは今も残ってる。私はこの先もずっと、栄太を好きでいられるのかな。栄太は変わらず、私を大切に想ってくれるのかな。分からない。どうしたらそうなれるのか、分からない。本当は私だってジンクスなんて信じてない。だけど、何かにすがりたくなる。バカみたいって分かってるけど、溢れ出す不安は止められない。と、視界から他の乗り物が消えた。一面美しい夕焼け空が広がる。私は思わず声を上げて栄太を振り返った。その瞬間、彼の顔が素早く近づき、唇が重なった。きっとそれは1秒位の時間。でもまるで、永遠のように感じられた。離れていく彼の顔は、ほんの少しだけ赤く染まっていた。「え……？だ、だってさっき、苦手って……」ついどもってしまった。栄太は頭を軽く掻いた後、下に視線を向けたまま、ポツリと呟いた。「これは別にジンクスとか関係なく……俺がしたいと思ったから、しただけだよ」胸がじんわり熱くなる。私は栄太に抱きついた。重なる鼓動は私と同じくらい早くて、そんなことに涙が出そうになった。＊「ママ！！てっぺんだよ！！」娘の甲高い声で現実に引き戻される。ぴょんぴょん跳ねながら窓にベッタリ顔をつけてはしゃぐ娘に、「こーら、飛び跳ねない！」と叱る夫。夫は私の隣に座って優しい笑顔を向けた。「どうかした？」「……なんか、懐かしい夢見てた」「ええ？寝てたの？」「ううん、起きてたけど」「お、なに？白昼夢？」私は笑いながら夫の手を強く握った。夫もその手を握り返した。人はたまに起きたまま夢を見ることがあるという。それは空想や想像を夢のように映像として見ている、という解釈もあるけど、私は違う気がしている。きっと、過去に置いてきた記憶の破片を拾いに行く作業なのかもしれない。 “今を大切に" その想いをいつまでも、胸に刻み続けられるように。 ================== #みんなが見たいカップルシチュエーション第4弾、「観覧車キス」でした❣️ みんなは観覧車でキスしたことあるかな？個人的には甘酸っぱさを感じてしまうシチュエーションだったので、高校生カップルにしてみました😌でもそれは、過去の大切な記憶の破片だったというオチです。心の中にしまってる大切な記憶、きっと誰にでもあると思います。たとえそれが結果的に過去の思い出になってしまったとしても、今の自分を作り上げた大切な時間です。思い出を優しく抱きながら、今目の前の幸せを大切にして下さいね。 #カップルイラスト #観覧車 #観覧車キス #キス #高校生カップル #高校生 #制服 #制服デート #夕焼け #遊園地 #恋人 #彼氏彼女 #青春 #白昼夢 #イラスト #ラブストーリー #カップル #イラストレーション #恋愛 #恋愛小説 #恋愛ドラマ #ヒューマンドラマ #短編 #ショートストーリー #illustration #coupleillustration #Illustrator #ferriswheel」3月28日 20時10分