平泉春奈のインスタグラム(hiraizumiharuna0204) - 2月14日 19時57分
『恋は矛盾を飛び越えて』
「おまえ、山崎にチョコあげるんだろ」
小5の時、クラスの(バカな)男子に暴露され、それはすぐそばにいた山崎君の耳にももちろん入った。
現実は少女漫画のようにいくことはなかった。それでも顔を真っ赤にしてその場から逃げ出す私の姿は、まるで少女漫画そのものだったにちがいない。
カバンの中で今か今かとその時を待ち構えていた手作りチョコは行き場をなくし、結局その夜、全てが私の胃袋へ消えた。甘いはずのチョコレートはなんだかやけにしょっぱかった。
今考えれば笑っちゃうようなエピソード。山崎くんの顔なんて、もう思い出せないくらい昔の話だ。でもあの日以来、バレンタインデーというイベントはただ周りが色めき立つだけの日になった。チョコレート?何それ。そんな風に、乾いた心が小さく疼く日。
それなのに今、
“2月14日に可愛いパッケージを纏った甘い塊を握りしめ、下駄箱で好きな人を待っている私”
というベタ過ぎるこの状況が生まれたワケを説明しようと思う。
*
なぜ香坂君を好きなのか、自分でもよく分からない。特別顔が良いわけでもないし、目立つタイプでもない。話した事も決して多いわけじゃない。それなのになぜ、こんなにも惹かれるのか。
香坂君が持つ空気は他と明らかに違った。
底の部分に甘さを感じる低い声が耳に届いた瞬間、自分を取り巻く全ての雑音が消えた。そこにいるだけで、その半径3メートル位が穏やかな空気に囲まれた。たまに見せるどこか寂しげな笑顔は、私の胸の奥をざわつかせた。大きくてしなやかな背中を見てるだけで、下腹部にジンとした熱を感じた。
恋という炎は一度燃え上がると自分の意思では消すことができない。ましてや人生で初めての欲情を伴ってしまうと、もはや制御不能だ。
あなたの瞳に私を写したい。
あなたの心を独占したい。
あなたの全てが欲しい。
香坂君への想いは時間と共に増幅し
膨れ上がっていった。
そして。キッカケは香坂君が言ったあの一言。
「女の子が勇気出してチョコレート渡す瞬間って、なんかいいよな」
友達にポツリと話したその言葉は、長年抱えてきた過去のトラウマを一瞬にして甘酸っぱい思い出に変えてくれた。
恋って無敵だ。
*
騒がしかった周りの音が消えていく。
ああ、すぐそばに彼がいる。
どうか勇気を。たった一つの勇気を私に。
私は深く深呼吸をして
まだ見ぬ恋の先へ
全力で飛び込んだ。
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ハッピーバレンタイン♥️たまには女の子のドキドキした絵とかいいかなと思い敢えてピンイラストにしました!(来年の2月のカレンダーイラストはこれかな☺️)
皆さんのバレンタインデーの思い出(リアルタイムのお話)も良ければ教えて下さいね🥰
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2021/2/14