INSIDE FUJINGAHOさんのインスタグラム写真 - (INSIDE FUJINGAHOInstagram)「【配信決定! 向田邦子を語る 30名の旬な人たち】 若いうちにいろいろなことをやったほうがいい。お金は自分のために使ったほうがいい。若いうちは貯金なんてしなくていい。それが向田邦子の信条だった、と妹の和子さんは語ります。  1970年代、向田邦子は脚本家として頭角をあらわし、一週間に13本もの〆切を抱える時の人でしたが、多忙を極めるなかでも、常に全方位に気配りができる人で、4人兄弟の「長女」としても、変わりがなかったといいます。  1978年、赤坂に伝説の小料理屋「ままや」をひらくのに尽力したのは、妹・和子さんのため。「ままや」は、「おいしくて安くて小奇麗で、女ひとりでも気兼ねなく入れる]伝説的な和食の店。向田さんは知人友人さまざまな人を「ままや」に連れてきたといいます。  じつはそのころ、1975年、向田さんは右胸に乳がんを発症していました。当時、がんは不治の病であり、不運にも摘出手術後の輸血が原因で血清肝炎まで併発、「悪くすれば余命半年」と宣告を受けます。家族以外にはほとんど病を知らせることのなかった向田は、そこから、「ままや」の準備にかかり、はじめてエッセイ(『父の詫び状』を書き始め、やがて直木賞を受賞する作家になるのです。  2020年秋、和子さんとお会いして「もしもいま、向田邦子さんが92歳で生きていたなら」をうかがうことができました。 やっぱり素敵な人だなぁ。  以下、『婦人画報』2021年2月号のために書いた記事より、ご紹介します ――――――――――― 姉・向田邦子とは9つ違いの私です。姉は家族思い、きょうだい思いでしたから、「おいしい到来ものがあるから、青山に食べにおいで、取りにおいで」と呼んでくれたり、旅行中の猫の世話などで立ち寄ったり、このマンションには姉との懐かしい思い出があります。  小さいころから「お姉ちゃんは大人ですごい人だ」と思っていましたし、「台本を一本書くと結構いい収入になるのよ」と言っていたので、心配はしていませんでしたが、亡くなった後に書類の整理をするなかで“言うほどでもない”時期もあることを発見し、それなのにどうしてあんなに前向きに楽しいことばかり計画して遊んでくれたのだろう、と驚くばかりです。  普段から「まず気に入ったものを作り、食べ、それから遊び、それからおもしろい本を読み、残った時間をやりくりして仕事をする」が姉の信条で、私にも「若いうちにいろいろなことをやったほうがいい。お金は自分のために使ったほうがいい。若いうちは貯金なんてしなくていい。欲しいものがあったら買いなさい」とよく言っていました。青山のマンションも、実際のところは、分不相応だったのだと思います。でも、「ゼロになると強くなる」のが姉・邦子で、青山に越してから仕事も買い物も遊びも拍車がかかって広がりを見せました。がんになったときにも、同じようにどん底から這い上がり、左手で書いた小説が直木賞をいただいて作家としての足場を固めることになろうとは誰が想像したでしょうか。  あるとき、姉から「あなたサ、織りの着物を私が買うから、5年着てみてよ。ショウが抜けて着込んだ感じの紬を着たいのよ。新しいのは野暮だから」と言われたことがあります。骨董品が好きな姉ではありましたが、着物にも、時代を経た布の風情を好んだのでしょうか。「真新しいものは恥ずかしい」という美意識は姉の独特のものだと思います。ですから、人間についても「清潔でまっとうで」という礼讃ではなく、老若男女どの人にもだめなところがあり、そこも含めて愛おしい、という眼差しを感じるのです。  2021年に向田邦子が生きていたなら、やはり、ここ青山に暮らしていたでしょうね。この「南青山第一マンションズ」は、半世紀を経ていまだ価値を保つビンテージ物件になり、ますます「姉好み」になっていたでしょう。姉はそういう「ほんもの」だけを愛する人です  ―――――――――――――――――――――――――――――― 明日から、ドキュメンタリー『向田邦子からの贈り物』の配信があります!! 1.20(水)15:30 / 18:30 1.21(木)12:30 / 15:30 / 18:30 *上映時間80分 https://t.pia.jp/pia/search_all.do?kw=風が吹いている ★登場するのは、こんな旬の方々★ #江口宏志 #大草直子 #太田光 #角田光代 #平井夏美 #岸本加世子 #小松美羽 #酒井順子 #鈴木理策 #タナダユキ #DOTAMA #登美丘高校ダンス部 #中井美穂 #永井尋己 #中野量太 #西加奈子 #西炯子 #西谷牧人 #華恵 #藤田貴大 #冷水希三子 #平松洋子    #婦人画報 #fujingaho #向田邦子 #スパイラル #小泉今日子 #三谷幸喜 #quiet_life_2015  #婦人画報カルチャー担当エディターのつぶやき」1月22日 13時26分 - fujingahojp

INSIDE FUJINGAHOのインスタグラム(fujingahojp) - 1月22日 13時26分


【配信決定! 向田邦子を語る 30名の旬な人たち】
若いうちにいろいろなことをやったほうがいい。お金は自分のために使ったほうがいい。若いうちは貯金なんてしなくていい。それが向田邦子の信条だった、と妹の和子さんは語ります。

1970年代、向田邦子は脚本家として頭角をあらわし、一週間に13本もの〆切を抱える時の人でしたが、多忙を極めるなかでも、常に全方位に気配りができる人で、4人兄弟の「長女」としても、変わりがなかったといいます。

1978年、赤坂に伝説の小料理屋「ままや」をひらくのに尽力したのは、妹・和子さんのため。「ままや」は、「おいしくて安くて小奇麗で、女ひとりでも気兼ねなく入れる]伝説的な和食の店。向田さんは知人友人さまざまな人を「ままや」に連れてきたといいます。

じつはそのころ、1975年、向田さんは右胸に乳がんを発症していました。当時、がんは不治の病であり、不運にも摘出手術後の輸血が原因で血清肝炎まで併発、「悪くすれば余命半年」と宣告を受けます。家族以外にはほとんど病を知らせることのなかった向田は、そこから、「ままや」の準備にかかり、はじめてエッセイ(『父の詫び状』を書き始め、やがて直木賞を受賞する作家になるのです。

2020年秋、和子さんとお会いして「もしもいま、向田邦子さんが92歳で生きていたなら」をうかがうことができました。
やっぱり素敵な人だなぁ。

以下、『婦人画報』2021年2月号のために書いた記事より、ご紹介します
―――――――――――
姉・向田邦子とは9つ違いの私です。姉は家族思い、きょうだい思いでしたから、「おいしい到来ものがあるから、青山に食べにおいで、取りにおいで」と呼んでくれたり、旅行中の猫の世話などで立ち寄ったり、このマンションには姉との懐かしい思い出があります。

小さいころから「お姉ちゃんは大人ですごい人だ」と思っていましたし、「台本を一本書くと結構いい収入になるのよ」と言っていたので、心配はしていませんでしたが、亡くなった後に書類の整理をするなかで“言うほどでもない”時期もあることを発見し、それなのにどうしてあんなに前向きに楽しいことばかり計画して遊んでくれたのだろう、と驚くばかりです。

普段から「まず気に入ったものを作り、食べ、それから遊び、それからおもしろい本を読み、残った時間をやりくりして仕事をする」が姉の信条で、私にも「若いうちにいろいろなことをやったほうがいい。お金は自分のために使ったほうがいい。若いうちは貯金なんてしなくていい。欲しいものがあったら買いなさい」とよく言っていました。青山のマンションも、実際のところは、分不相応だったのだと思います。でも、「ゼロになると強くなる」のが姉・邦子で、青山に越してから仕事も買い物も遊びも拍車がかかって広がりを見せました。がんになったときにも、同じようにどん底から這い上がり、左手で書いた小説が直木賞をいただいて作家としての足場を固めることになろうとは誰が想像したでしょうか。

あるとき、姉から「あなたサ、織りの着物を私が買うから、5年着てみてよ。ショウが抜けて着込んだ感じの紬を着たいのよ。新しいのは野暮だから」と言われたことがあります。骨董品が好きな姉ではありましたが、着物にも、時代を経た布の風情を好んだのでしょうか。「真新しいものは恥ずかしい」という美意識は姉の独特のものだと思います。ですから、人間についても「清潔でまっとうで」という礼讃ではなく、老若男女どの人にもだめなところがあり、そこも含めて愛おしい、という眼差しを感じるのです。

2021年に向田邦子が生きていたなら、やはり、ここ青山に暮らしていたでしょうね。この「南青山第一マンションズ」は、半世紀を経ていまだ価値を保つビンテージ物件になり、ますます「姉好み」になっていたでしょう。姉はそういう「ほんもの」だけを愛する人です

――――――――――――――――――――――――――――――
明日から、ドキュメンタリー『向田邦子からの贈り物』の配信があります!!
1.20(水)15:30 / 18:30
1.21(木)12:30 / 15:30 / 18:30
*上映時間80分 https://t.pia.jp/pia/search_all.do?kw=風が吹いている
★登場するのは、こんな旬の方々★
#江口宏志 #大草直子 #太田光 #角田光代 #平井夏美 #岸本加世子 #小松美羽 #酒井順子 #鈴木理策 #タナダユキ #DOTAMA #登美丘高校ダンス部 #中井美穂 #永井尋己 #中野量太 #西加奈子 #西炯子 #西谷牧人 #華恵 #藤田貴大 #冷水希三子 #平松洋子  

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2021/1/22

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