林信行さんのインスタグラム写真 - (林信行Instagram)「人生賭け敗れた夢、新しい夢 FAILURE SATOSHI TAKAMATSU 9/4-27 カップヌードルやコカコーラが宇宙で撮影したCMを放映してるのを覚えている人も多いだろう。あのCMを企画した代理店のクリエイター、高松聡さん、夢は宇宙飛行士で、CM制作の後、サラ・ブライトマンのバックアップクルーとして自らも宇宙へと旅立つはずだった。ロシアの許されたものだけが入れる軍事施設、星の街で宇宙飛行士となるべく厳しい訓練を受け宇宙を目指していたが、訓練が厳しさを増していたある日、サラ・ブライトマンが姿を消し宇宙への旅を取りやめたことを発表。それに合わせてバックアップクルーもお役御免となる。しかし、宇宙飛行士の夢を捨てられず、既に数億円の私財を投じていた高松は訓練を最後まで受けさせてくれと懇願し、なんとか訓練は続いた。どうせ宇宙に行くことはない相手に、対して態度を豹変させる訓練スタッフ。それでも高松は訓練を続ける。やがて乗るはずだったソユーズの別の船長が決まり、それに合わせて高松は正式にソユーズ乗組員から外される。そうしてなんとか訓練を終え修了証を受けとるが、後でその内容を翻訳してもらうと「宇宙飛行士と認める」の一文は削除されていたことがわかる。宇宙に旅立つ能力の習得は認めるが、宇宙に行かない以上、宇宙飛行士としては認められないというわけだ。高松は元々、写真家としての教育を受けておりサラ・ブライトマン失踪の頃から星の街の写真を撮り始めていたが、この頃から宇宙飛行士の資格を持つものだけが撮れる場所にも立ち入り本格的に星の街の写真を撮り始めていた。あまり知られていないロシア版のスペースシャトルや搬送されるロケット、宇宙飛行士たちが今まさに乗り込むロケットの至近写真。これまでちゃんとした写真の教育を受けた人間が宇宙に旅立ったことはなく、それだけに星の街のちゃんとした写真もなかったと高松は言う。星の街を訪れた頃は、ただ漠然と宇宙飛行士を目指していたが、やがて彼の中に写真家として宇宙に旅立ち、これまでにない高解像度の映像美で宇宙から見た地球を捉えて大型の表示装置で見せれば、これまで以上に多くの人がその美に感動するはずだと宇宙写真家になることを目指し始める。聞けば、空きができた際に搭乗する民間宇宙飛行士募集のプロジェクトにも応募し、第一搭乗権を持つグーグル共同創業者セルゲイ・ブリンに次ぐ2番目の権利を手にしているという。「失敗」をテーマにした今回の展覧会は、そんな高松の新たな夢への出発の第一歩でもあるという。 2つある映像作品の2つ目はかなり心を打つので必見だ。世界にこんな場所があり、こんな挑戦もあるのだということを知るためにも見ておいて損はない展覧会だ。宇宙を目指した男の「失った夢」と「発見した夢」 FAILURE SATOSHI TAKAMATSU 9/4-27 SPACE FILM GALLERY (表参道 246沿いの旧Brooks Brotherのビルの2階北青山3-5-6)」9月4日 7時49分