岡清華のインスタグラム(okasaya) - 12月27日 16時50分

Day17 Darma〜使命と託されたBhagavad-Gita (バガヴァッド・ギーター)

この出来事をInstagramでシェアしようか少し迷っていましたが、私の人生の大切な経験となり沢山のことを学びましたので、投稿させて頂きたいと思います。

実は1週間前。この施設に到着したばかりの日本人男性が1人他界されました。朝のプージャ(儀式)にて礼拝をしたまま心臓発作を起こされたのです。病院で一時脈を引き返すも、続かず亡くなってしまいました。わたしは当初現場に居合わせずその出来事を知らなかったのですが、後から協力してくれないか？と施設のDr.達から声かけがあり、遺族の方々へ伝える役割を任されました。

しかし緊急連絡先に記載されている電話番号がどうしても2桁足りない… いくら予測しても全く該当せずだったのです。次の日は日曜日。インドの日本大使館は閉館になり、ここから連絡できなければご遺族へのコンタクトは2〜3日遅れてしまいます。

何故だか私は他人事に思えずどうしても伝えなければいけない気がして諦められず、記載されている住所から日本にいる知人に電話番号を割り出していただき、なんとかご実家のお母様へ繋がりました。
かなりのご高齢で聴きとるのも話すのも困難且つ、現状が理解できなかった様子だったのでお母様に娘さんのご連絡先をいただきよくやく伝えることができたのは、3時間後。現場にも居合わせず、何も出来なかった私が、故人の突然の死をご遺族に伝えるのは本当に心が傷みました。少し声も震え涙も流れましたが、ご遺族にありのままの事実、真実を直ぐに伝えられた時、私は心が少し落ち着きました。

私が行動することで結果が変わった訳でもないのですが、とにかく今出来ることを最大限にやることの大切さを改めて実感し、きっと何が変わる訳でなくてもその気持ちや想い自体が、誰かの、何かの救いになるとより一層信じられそうな気がしています。

そして今日、ご遺族の方が施設へ到着され、遺品の中から買ったばかりで未封筒のCDがあるから受け取ってくれないか？を手渡してくださいました。

開けてみて驚いたのは、私が今最も読みたい哲学書の一つのバガヴァッド・ギーターの聖典のレコードだったのです。そしてこの聖典の名言は、 "生まれたものに、死はかならず来る。
死せるものは、かならずまた生まれる。
さけられないことを、嘆いてはいけない。" という再生と破壊の人生論なのです。
この内容をご遺族にもお伝えし、自然の輪廻や人生について語りました。

故人は、若い頃からずっと海外在住勤務、かなりの多忙で生涯を独身で終えたそうです。きっと素晴らしく優秀で且つ、使命を持って仕事に取り組む真面目な方だったのでしょう。

そして多忙に過ごされる中で恐らく生きることや人生観へも真っ直ぐに向き合い、人間としての本質を求めてこの聖典やこの施設に足を運んでいたのだと思います。

どれだけ優秀な方でも、背負った使命を抱えたまま、達成できないまま突然に身体を失ってしまうことがあります。

人は、何かが有限であることを理解した時にやっとその何かを大切に思い始めるようです。大切なものは失ってから気づく。しかしその気づきを一度でも得たのなら、二度と繰り返さないこと、そして有限の人生の中で、人生にとって本当に必要で生涯に歓びを与えてくれるものは何なのか？を改めて考えさせられるような出来事でした。

そして、彼に託していただいたこの聖典は私の人生の叡智として私に学びを与え、何かを導き出してくれるような気がしています。

改めて故人のご冥福をお祈り致します。
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