偕成社のインスタグラム(kaiseisha_pr) - 7月24日 12時00分


内戦を逃れ、海を渡ってイギリスへ。ある少女の再生の物語『シリアからきたバレリーナ』(キャサリン・ブルートン 作/尾﨑愛子 訳/平澤朋子 絵)

アーヤは、バレエが大好きな女の子。シリアのアレッポという街で生まれ育ち、家族と楽しく暮らしていました。しかし、国内が内戦状態となり、アーヤたちの暮らしは一変します。アレッポが激しい戦闘の舞台となり、アーヤたちは大急ぎで家を捨て、逃げざるをえなくなってしまったのです。

過酷な旅を経て、アーヤとママ、弟のムーサは、イギリスにたどりつきました。イギリスに滞在する資格を得るため、アーヤたちは連日、街のコミュニティセンターの中にある「難民支援センター」に足を運びます。

そんなある日、アーヤはコミュニティセンターにバレエ教室があることを知ります。教室の先生のあとおしなどを受け、アーヤは教室に通うようになります。

教室では、ほかの子たちに「難民」としてあつかわれて同情されたり、あわれまれたりすることもあれば、アーヤ自身が「生き残ってしまった自分」をうしろめたく感じてしまうこともあり、アーヤの心はゆれうごきます。しかし、再びバレエを踊れることのうれしさが、そんなアーヤの気持ちを少しずつ解放していくのでした。

どんどん読めて、心が動かされるとともに、わたしたちにさまざまなことを考えさせる本作。巻末では「難民」や「シリア内戦」など、物語をより深く理解するためのキーワードも詳しく解説されています。

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2023/7/24

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