林信行さんのインスタグラム写真 - (林信行Instagram)「#ヨコハマトリエンナーレ 圧倒されました。元気もらいに見に行って欲しい! 取材に向かった頃は新型コロナ(COVID-19)の犠牲になったイベント、「応援しなきゃ」なんていう気持ちでした。 でも内覧会で3つ目のギャラリーを見始めたあたりで、自分のあさはかさが可笑しく笑いだしてしまいました。  「コロナ、何それ?」とでも言いたくなるほど、まったく遠慮なしのイベント。 ひとつひとつの作品の力量、作品の点数。しかも、この時期、海外アーティストは来日できないはずなのに、そんなのおかまいなしで海外アーティストの作品もたくさん。 前半は繊細な作品が多いのだけれど、それでもパワーが凄くて、むしろ、見ていたこちらが元気もらって応援されてしまった印象。  個人的に2回目に行ったら、じっくりと時間をかけてみたいのは以下の作品だけど、他にも見逃しているもの多そう(なお、写真はインスタ映えだけで選んでいて文章と連動していません)。  エントランスのニック・ケイブの作品「回天する森」。 この万華鏡の中に入り込んでしまったような体験ができる作品は、本当に1時間は飽きずに眺めていられそうなので、できれば人がいない状態でVRカメラで舐めまわしながら、たっぷりと眺めていたい。  竹村京さんの壊れたいろいろなものをラップして、蚕に螢光の絹で継ぎをさせた作品。  「たそがれ」の美しさを表現したチェン・ズの「パラドクスの窓」。  サルカ・プロティックという人の「生命の光(と影)」の映像作品。  もう1つの会場では、最大のサプライズと言われた作品が、予約がいっぱいになってみれなかったので、それも見に行きたいし、足を休めながら見ていたらなかなか終わらなくて、よく見てみたら30分ということで諦めたロシアっぽさ全開の「宇宙市民」という作品もしっかりみてみたい。  第2会場2階は「これでもか」というくらいのエビ攻め(行けばわかります)。一人の作家がどうやってこれだけたくさんの作り込み?どうしてそこまでエビの生殖に真剣になれるのだろう。でも、これって少子化ニッポンへのメッセージ?みたいなエネルギー爆発の作品があるのだけれど、今日はなめるだけだったので、次回はもうちょっと真剣に向き合って(剥きあって?)みたい。  1つ1つの作品もパワフルだけれど、今回のヨコハマトリエンナーレは、その背骨が面白い。 トリエンナーレ初の海外のアーティスティック・ディレクターとしてRaqs Media Collectiveを起用しているのだけれど、これをただの一過性のイベントに終わらせたくないと言うことで、実は昨年の11月からエピソード0という名でパフォーマンスイベントなどを開催してきた(そして公言はしていないが、図などをみても、イベント終了後も、タイトルもそうだし「Afterflow(光の余韻)」はつづきそうだ。  ただ、非常にinspirationalなので、このRMCが、展覧会の原典とした「ソースブック」で記した言葉をここで共有したい。 (ちなみに新型コロナのパンデミックの前に書かれた言葉だ) 「生命、宇宙、世界、そして日々の時間は、数え切れないほどの行為を通じて、分解・再構成され、発光に守られて徐々に再建されていく。短い闇の傷も、時間の有毒なかけらが放つ残光(afterglow)の中で回復していく。生命とは発光する独学者なのである」。  彼らのこんな視座を背骨に企画された「2020 ヨコハマトリエンナーレ AFTERGLOW 光の破片をつかまえる」では、さらに展示の鍵となる5つのキーワードが掲げられている。  独学: 自らたくましく学ぶ。 発光: 学んで得た光を遠くまで投げかける。 友情: 光の中で友情を育む。 ケア: 互いを慈しむ。 毒:  世界に否応なく存在する毒と共存する。  記者説明会で組織委員会委員長の近藤誠一さんがこんなことを言っていた。 「地球上には人間にとっては都合の悪いもの害虫や毒と言ったものもある。でも、そうしたものがそれぞれの役割を果たしているからこそ生態系が成り立ち、その中で人間も生かしてもらっている。」  ただ、普段の我々は、特にこの平和な日本では、そんな毒に触れる必要もないし、だから、毒気の多い現代アートと距離を置く人も多いのかもしれない。 組織委員会副委員長の蔵屋美香さんの新型コロナの体験で、多くの人が日常の中で課題を感じ、真剣に考える時間が増え敏感になっており、現代アートに対しても敏感になっている、という見方を示していたが、これも「なるほど」と思えた。  普段は現代アートとの接点が少ない人にも、ぜひとも足を運んでもらいたい。  ヨコハマトリエンナーレは本日スタート。 そして開催期間は10月11日(日)まで。 BankARTやアーティストコミュニティーの黄金町バザールを巡れる「横浜アート巡りチケット」というのもあるらしい。 チケットはこちらから: https://www.yokohamatriennale.jp/2020/」7月17日 0時54分 - nobihaya

林信行のインスタグラム(nobihaya) - 7月17日 00時54分


#ヨコハマトリエンナーレ 圧倒されました。元気もらいに見に行って欲しい!
取材に向かった頃は新型コロナ(COVID-19)の犠牲になったイベント、「応援しなきゃ」なんていう気持ちでした。
でも内覧会で3つ目のギャラリーを見始めたあたりで、自分のあさはかさが可笑しく笑いだしてしまいました。

「コロナ、何それ?」とでも言いたくなるほど、まったく遠慮なしのイベント。
ひとつひとつの作品の力量、作品の点数。しかも、この時期、海外アーティストは来日できないはずなのに、そんなのおかまいなしで海外アーティストの作品もたくさん。
前半は繊細な作品が多いのだけれど、それでもパワーが凄くて、むしろ、見ていたこちらが元気もらって応援されてしまった印象。

個人的に2回目に行ったら、じっくりと時間をかけてみたいのは以下の作品だけど、他にも見逃しているもの多そう(なお、写真はインスタ映えだけで選んでいて文章と連動していません)。

エントランスのニック・ケイブの作品「回天する森」。
この万華鏡の中に入り込んでしまったような体験ができる作品は、本当に1時間は飽きずに眺めていられそうなので、できれば人がいない状態でVRカメラで舐めまわしながら、たっぷりと眺めていたい。

竹村京さんの壊れたいろいろなものをラップして、蚕に螢光の絹で継ぎをさせた作品。

「たそがれ」の美しさを表現したチェン・ズの「パラドクスの窓」。

サルカ・プロティックという人の「生命の光(と影)」の映像作品。

もう1つの会場では、最大のサプライズと言われた作品が、予約がいっぱいになってみれなかったので、それも見に行きたいし、足を休めながら見ていたらなかなか終わらなくて、よく見てみたら30分ということで諦めたロシアっぽさ全開の「宇宙市民」という作品もしっかりみてみたい。

第2会場2階は「これでもか」というくらいのエビ攻め(行けばわかります)。一人の作家がどうやってこれだけたくさんの作り込み?どうしてそこまでエビの生殖に真剣になれるのだろう。でも、これって少子化ニッポンへのメッセージ?みたいなエネルギー爆発の作品があるのだけれど、今日はなめるだけだったので、次回はもうちょっと真剣に向き合って(剥きあって?)みたい。

1つ1つの作品もパワフルだけれど、今回のヨコハマトリエンナーレは、その背骨が面白い。
トリエンナーレ初の海外のアーティスティック・ディレクターとしてRaqs Media Collectiveを起用しているのだけれど、これをただの一過性のイベントに終わらせたくないと言うことで、実は昨年の11月からエピソード0という名でパフォーマンスイベントなどを開催してきた(そして公言はしていないが、図などをみても、イベント終了後も、タイトルもそうだし「Afterflow(光の余韻)」はつづきそうだ。

ただ、非常にinspirationalなので、このRMCが、展覧会の原典とした「ソースブック」で記した言葉をここで共有したい。
(ちなみに新型コロナのパンデミックの前に書かれた言葉だ)
「生命、宇宙、世界、そして日々の時間は、数え切れないほどの行為を通じて、分解・再構成され、発光に守られて徐々に再建されていく。短い闇の傷も、時間の有毒なかけらが放つ残光(afterglow)の中で回復していく。生命とは発光する独学者なのである」。

彼らのこんな視座を背骨に企画された「2020 ヨコハマトリエンナーレ AFTERGLOW 光の破片をつかまえる」では、さらに展示の鍵となる5つのキーワードが掲げられている。

独学: 自らたくましく学ぶ。
発光: 学んで得た光を遠くまで投げかける。
友情: 光の中で友情を育む。
ケア: 互いを慈しむ。
毒:  世界に否応なく存在する毒と共存する。

記者説明会で組織委員会委員長の近藤誠一さんがこんなことを言っていた。
「地球上には人間にとっては都合の悪いもの害虫や毒と言ったものもある。でも、そうしたものがそれぞれの役割を果たしているからこそ生態系が成り立ち、その中で人間も生かしてもらっている。」

ただ、普段の我々は、特にこの平和な日本では、そんな毒に触れる必要もないし、だから、毒気の多い現代アートと距離を置く人も多いのかもしれない。
組織委員会副委員長の蔵屋美香さんの新型コロナの体験で、多くの人が日常の中で課題を感じ、真剣に考える時間が増え敏感になっており、現代アートに対しても敏感になっている、という見方を示していたが、これも「なるほど」と思えた。

普段は現代アートとの接点が少ない人にも、ぜひとも足を運んでもらいたい。

ヨコハマトリエンナーレは本日スタート。
そして開催期間は10月11日(日)まで。
BankARTやアーティストコミュニティーの黄金町バザールを巡れる「横浜アート巡りチケット」というのもあるらしい。
チケットはこちらから:
https://www.yokohamatriennale.jp/2020/


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2020/7/17

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