モルのインスタグラム(m_scape) - 8月18日 20時48分

⑦
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その夜、のぞみちゃんはこっちの友だちとご飯を食べるというので、待ち合わせ場所まで送ったあと、買い物した荷物を預かり1人帰宅。
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家について鍵をあける。
『ただいま…』
暗い部屋に声がむなしく響いた。
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今までの暮らしとなにも変わらないのに、空港で出迎えてから今まで丸一日ずっと一緒だった従姉妹がいないだけでずいぶんと寂しく感じる。
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嫁に先立たれた夫の気分ってこんな感じかなって思うと泣けてきた。
まぁ嘘だが。
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帰宅してすぐシャワーをすませ汗を流してから晩酌する。いつものパターン。
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風呂場からハーフパンツ姿で部屋に戻る。
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昨夜はのぞみちゃんもいたためちゃんとＴシャツとか着てたが、夏は上半身裸でいるのが好きだ。
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そのまま冷蔵庫からビターズの500缶をだし、セブンで買った枝豆をつまむ。
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至福の時間。
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枝豆チップスもうまいよね。モンドセレクション金賞をあげたい。
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ちなみにエアコンは妹が住んでいた部屋にしかなく、リビングにもボクの部屋にもない。
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ふだんは妹の部屋のドアを開けてリビングまで冷気が行くようにしていたのだが、今はのぞみちゃんが使っているのでドアが閉まっている。
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勝手に部屋に入るわけにもいかず、汗が引くまで裸のまま過ごすことに。
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手持無沙汰で、ＴＶを横目で眺めつつリビングにあるＰＣでヒマつぶししていてふと気づいた。
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あれ？1週間のうち、のぞみちゃんいないのって今夜だけじゃね？
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となるとすることは１つ。
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ヘッドフォンを用意し、音が漏れないように気を付けつつも、お気に入りサイトから本日のターゲットを選び出す。
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ちなみにエロに関することはすべてネットで済ませている。
ビバ！情報化社会。
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今週のラストチャンスだと思うと自然と選択眼も厳しいものに。
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一切の妥協はゆるさない。イーグルアイを発動させたままサムネイルを睨むようにし、全体から当たりを一瞬で見つける。
これも嘘だ。
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ようやく相手が決まり、いざ尋常に勝負！と再生ボタンをクリックしたところで鍵を回す音が。
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あわててモニタの電源を落とし、Ｔシャツをとりに部屋へ。
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「ただいま～♪」
『おかえり。お友達とは楽しめた？』
「うん。やっぱ離れてても友だちはいいもんだね～」
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ふぅ。どうやらボクの動きには気づいてないようだ。うまくごまかせた。妹と暮らしてた経験が初めて役立った。
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「あれ？お食事中？」
『うん。飲んでるとこ』
「あたしも飲みたーい。なんか飲めそうなのあるかな～」
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と冷蔵庫を覗き込む。
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「あ、ほろ酔いもらうね」
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おい、だめだろ未成年が！と思いつつも自分が高校の時のことを考えると強くは言えない。
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「『じゃかんぱーい』」
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彼女がコンビニで買ってきたお菓子をつまみにする。
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ちなみに友だちとの夜ご飯はカフェ飯だったので、ちょっと足りなかったと文句言ってた。
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いやあなたが食べすぎなだけです。
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彼女の話を聞きながら2人でお酒を飲む。
なんかまったりしていい時間。
付き合うなら飲める人のほうがやっぱいいな～とか思った。
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「暑くなってきた～エアコンいれていいですか？」
ちょっと酔ったのか、頬も赤くなったまま聞いてくる。
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『エアコン、のぞみちゃんの部屋にしかないんだ。そこのドア開けてるとすぐ冷えるよ』
「え？じゃ昨日も暑いのガマンしてたんですか？ごめんなさい。すぐつけますね」
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というと、部屋に戻りスイッチをいれて戻ってきた。
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ソファに座り直してほろ酔いを一口飲むと、覗き込むように聞いてきた。
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「今夜、あたしの部屋で一緒に寝ます？」
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#従姉妹に惚れた話
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#ハピネス
#ははっ
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