職人.comのインスタグラム(shokunincom) - 11月14日 12時49分


【和製マジョリカタイル】

私が「和製マジョリカタイル」の存在を知ったのは、京都の船岡温泉で、脱衣所や洗面室の壁一面に豪華絢爛なタイルが敷き詰められている光景を目にした時でした。緑に水色、ピンクなどの華やかな色合い、さまざまな絵柄、凹凸のある立体的なデザイン。気になってあとから調べたところ、それらが「和製マジョリカタイル」と呼ばれるものだということが分かりました。

和製マジョリカタイルは、大正初期から昭和10年代ごろに、近代イギリス製の「ヴィクトリアンタイル」を模倣して日本で生産された多彩色レリーフタイルです。金型で花柄など凹凸のレリーフが施されており、筆で手作業で一つ一つ色付けされています。幕末から明治以降、洋風建築に使われたヴィクトリアンタイルが注目されるようになり、日本のタイルメーカーは国内でも生産するべく研究を重ね、明治末期に乾式成形法による和製マジョリカタイルを完成させました。当時イギリスでは、ヴィクトリアンタイルを範としたタイルがスペインやイタリアのマヨルカ焼の流れをくむことから「マジョリカタイル」と呼ばれていたため、日本でもその名前で広がりました。

昭和初期の和製マジョリカタイルの輸出最盛期には、東南アジア、オーストラリア、アフリカなどにまで輸出され、特に台湾、シンガポール、マレーシア、タイなどのアジアの国々では、あらゆる日本のタイルメーカーの和製マジョリカタイルが建築物に取り入れられました。台湾では、和製マジョリカタイルに歴史的価値を見出し、保存する動きも見られています。イギリスで生まれたマジョリカタイルが、日本の技術によって形を変え、再び世界へと広まり、現在もなお世界中の建築物を彩っているのです。

京都では、京都市北区にある船岡温泉のほかに、その数軒隣にある「さらさ西陣」というカフェでも和製マジョリカタイルを見ることができます。さらさ西陣は、船岡温泉の姉妹湯であった築93年の「旧藤ノ森湯」をリノベーションし、2000年にオープンしました。どの席に座っても和製マジョリカタイルを堪能できる贅沢な造り。船岡温泉も、和製マジョリカタイルの見応えはもちろん、脱衣所に欄干の透かし彫りがあったり、脱衣所と浴室の間の渡り廊下の下の池に鯉が泳いでいたりとまるで現実ではないような世界が広がっていて、京都に来たらぜひとも行っていただきたいスポットです。この先も、日本、そして世界のあちこちで、宝探しのように現在も残る和製マジョリカタイルを見つけていきたいと思います。

船岡温泉
http://funaokaonsen.net/dish.html
さらさ西陣
https://www.cafe-sarasa.com/shop-info/%E3%81%95%E3%82%89%E3%81%95%E8%A5%BF%E9%99%A3/
今出川ショールーム
https://www.shokunin.com/jp/showroom/imadegawa.html

参考資料
https://danto.jp/fukulaboblog/2021/05/11/whatismajolicatile/
https://bijutsutecho.com/exhibitions/2806
https://livingculture.lixil.com/ilm/see/exhibit/japan-made-majolicatiles/
https://livingculture.lixil.com/archives/museum/current/030_history/000297.html

@職人.com

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2023/11/14

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