松井玲奈のインスタグラム(renamatui27) - 12月3日 23時13分
シアターコクーンにて上演中の『#ツダマンの世界』を観てきました。
いやあ、面白かった。
戦時中から戦後までの作家・津田万治という男性を描いた作品なのだけど、ツダマンと呼ばれるこの男なかなかに波瀾万丈の人生を歩んでいる。
3時間強の演目ですが、その中で阿部サダヲさんがぶらり、ふらりと様々なツダマンの表情を見せ、時には可笑しく、時にはおぞましく、見る側も何か試されているような気持ちになる。面白おかしくしている場面でも、本当は苦しさを吹き飛ばすためにそうしているように感じられることも。
ツダマンの弟子の葉蔵は恵まれた自身を不幸だと嘆き、すぐ死ぬと口にするにも関わらず野心は人一倍ある。演じる間宮くんがあまりにもカラッと演じているから、彼の不平不満も嘆く様子も喜劇になる。
いや、私はカラッとと思ったけど、ピカッとと言う人もいるやも、、、。
それはさておき相変わらずのコメディセンスでした。細かい動きまで面白くて、そのコミカルさがあるからこそ、強かな野心を持つ悲劇屋の彼が魅力的に感じられる。凄いなあ。
ツダマンの妻・数を演じる吉田羊さん。以前ご一緒した時は低い声で朗々とセリフを話していたけれど、今回は儚げな美しい女性。なんと和装の似合うこと!!
言葉を飲み込むようで、ちょっと皮肉っぽく相手にぶつける所が面白く、数さんの言葉で何度もクスリとしましたが、心細そうにする姿に段々とこちらも胸が苦しくなる。
羊さんの見せるパタっと切り替わるお芝居の数々に驚きを隠せませんでした。
ああ、もっと観たい。何度でも観たい。
どこかアドリブだっただろうかとか、深く深く作品を知りたいなと思いました。
この余韻に浸りながら、今夜は夢枕に誰も立ちませんようにと祈ります。
追記
全ての人がそうじゃないと断言はするけれど、作家も俳優も
、表現を生業にする人の中には自身の経験を作品のために切り売りする部分がある。
わっと泣いたり、不幸なことがあっても心のどこかで何かのネタになるかもと考える瞬間があるたび、ひでぇ人間だなと自分をゴミみたいに思う。だけどしょうがないじゃないか!!と言ってしまう私は葉蔵タイプですかね。はは。
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2022/12/3