梅津瑞樹のインスタグラム(umetsumizuki) - 11月14日 13時18分


(海編)

あてもなく伯方島を散歩してきた。
何故か。言いようもなく"島"というものに惹かれてしまうからだ。脳裏に浮かぶそれは、鈍色の海に囲まれて常にどこか寂寥をたたえている。行き場のない孤独が海を越えられずに吹き溜まってしまうのだ。水平線の先にポツリと点となって現れる船を見つけて、"島"は密かに心躍らせるに違いない。

多少色づけして告白するが、実のところ東京にいる時も四六時中"島"について考えている。
最早胸中はいち島民の心意気であり、その証左として目を閉じると何処からか潮騒が聞こえ、瞼の裏でぼんやりと漁火がちらついて、掌は今まさに漁網を握らんとして汗ばむ。口をついて出るのは勿論大漁唄である。もしかしたら記憶にないだけで、自分は本当は"島"から出てきた孤独な海の男なのではないかしらんという気さえしてくるのだ。
色をつけすぎた気もするが、しかし考えると、この帰属意識は"島"に対するものなのか、海に対するものなのかいよいよ分からなくなってきた。

さて、道の駅でひとりアイスクリームを舐めながら辺りを見渡す。既に傾きはじめている陽の光を浴びて波間が鱗の如くうねり煌めいている。浜辺で靴を脱ぎ散らかして、恐る恐る海水に足をつけてみると殊の外暖かく、その体温の様な具合はますます生き物を思わせるのであった。


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2022/11/14

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