コムアイさんのインスタグラム写真 - (コムアイInstagram)「🌹Interview with Yasumasa Morimura @casabrutus online🌹  アーティゾン美術館にて、森村泰昌さんとおはなしさせていただきました。 @parceltokyo での展示の時にセルフポートレートについて考える機会があって森村さんの作品を拝見していたので、マガジンハウスからお話をいただいた時は驚きました。 森村さんの活動は、過去の名作を観察し、真似ることで解釈を提示する、というシンプルなものですが、今回はコロナ以降ということで、小さなスタジオでひとりでほとんどの作業をされたそうです。お化粧だけでも100体以上あるものをやりきるなんて、おそろしい丁寧さと熱量です。インタビューでも、デビューの時になりきったゴッホとさよならしたわけでは無い、今もゴッホとは真剣に遊んでいる、と仰っていました。真似る、という誰でもできそうなことを誰もできないくらいの熱量でやる、というのが森村さんの恐ろしさだと感じます。何者かになりきる、自分と他者を合体させる楽しさということでは私も共感する部分がありますが、森村さんの青木繁への重なっていき方は、楽しさというより、決して順風満帆ではなかった作家への慈しみ、弔いのような感じがしました。新作の発端となった青木繁の『海の幸』はアーティゾン美術館のコレクションで、実際に本物が展示されていて観ることができますが、森村さんの解釈に案内され、この絵の魅力にずぶずぶと引き込まれていきました。青木が南房総の漁村へ友人の画家たちと出かけて1ヶ月ほど滞在した時に描いた作品で、3匹の大鮫の大漁陸揚げの場面を描いています。実は青木はその場面を見ておらず、目撃談から膨らませたイメージを描いているそうなのですが、それがこの絵のまとう神話感の理由のひとつなのかもしれません。ひとりだけはっきりとした顔で描かれてこちらを向いている女性は、青木の妻のたねがモデルではと言われています。この旅行に彼女もおり、海に立った彼女がこの表情で振り返ったのが青木の脳裏に焼きついていたのかもしれません。ある一方向へ向かって歩いていく様は時間を表していて、森村さんはこの絵の左右に、未来と過去の日本の神話を作り足し『海の幸』の世界を拡張していきました。青木繁の『海の幸』のように、個人的な想いを描いた作品が、普遍的な神話に化けてしまうことがあると森村さんが仰っていました。最初から神話を作ろうとすれば嘘くさいものになる。作家は個人的な想いから立ち上るものを作るしかない、のちに神の啓示とでもいうべき神話化が、されることもあればされないこともある、と。それが一番心に残りました。  Photo : @yu_inohara  Hair & Makeup:  @harukadebeau Styling : @maikoshib  Text:@mamihid」12月8日 0時14分 - kom_i_jp

コムアイのインスタグラム(kom_i_jp) - 12月8日 00時14分


🌹Interview with Yasumasa Morimura @casabrutus online🌹

アーティゾン美術館にて、森村泰昌さんとおはなしさせていただきました。 @parceltokyo での展示の時にセルフポートレートについて考える機会があって森村さんの作品を拝見していたので、マガジンハウスからお話をいただいた時は驚きました。
森村さんの活動は、過去の名作を観察し、真似ることで解釈を提示する、というシンプルなものですが、今回はコロナ以降ということで、小さなスタジオでひとりでほとんどの作業をされたそうです。お化粧だけでも100体以上あるものをやりきるなんて、おそろしい丁寧さと熱量です。インタビューでも、デビューの時になりきったゴッホとさよならしたわけでは無い、今もゴッホとは真剣に遊んでいる、と仰っていました。真似る、という誰でもできそうなことを誰もできないくらいの熱量でやる、というのが森村さんの恐ろしさだと感じます。何者かになりきる、自分と他者を合体させる楽しさということでは私も共感する部分がありますが、森村さんの青木繁への重なっていき方は、楽しさというより、決して順風満帆ではなかった作家への慈しみ、弔いのような感じがしました。新作の発端となった青木繁の『海の幸』はアーティゾン美術館のコレクションで、実際に本物が展示されていて観ることができますが、森村さんの解釈に案内され、この絵の魅力にずぶずぶと引き込まれていきました。青木が南房総の漁村へ友人の画家たちと出かけて1ヶ月ほど滞在した時に描いた作品で、3匹の大鮫の大漁陸揚げの場面を描いています。実は青木はその場面を見ておらず、目撃談から膨らませたイメージを描いているそうなのですが、それがこの絵のまとう神話感の理由のひとつなのかもしれません。ひとりだけはっきりとした顔で描かれてこちらを向いている女性は、青木の妻のたねがモデルではと言われています。この旅行に彼女もおり、海に立った彼女がこの表情で振り返ったのが青木の脳裏に焼きついていたのかもしれません。ある一方向へ向かって歩いていく様は時間を表していて、森村さんはこの絵の左右に、未来と過去の日本の神話を作り足し『海の幸』の世界を拡張していきました。青木繁の『海の幸』のように、個人的な想いを描いた作品が、普遍的な神話に化けてしまうことがあると森村さんが仰っていました。最初から神話を作ろうとすれば嘘くさいものになる。作家は個人的な想いから立ち上るものを作るしかない、のちに神の啓示とでもいうべき神話化が、されることもあればされないこともある、と。それが一番心に残りました。

Photo : @yu_inohara
Hair & Makeup: @harukadebeau
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2021/12/8

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