笠井信輔のインスタグラム(shinsuke.kasai) - 2月19日 09時42分

強烈な映画を観てしまいました
「ある人質　生還までの398日」

最初に、写真のキャプションの安田純平さんのお名前が、【順平】と間違っていることを謝らせてください

安田さん申し訳ありません

この映画は
軽い気持ちで内戦中のシリアを訪ねた若き写真家がIS（イスラム国）に拉致されて
1年以上も監禁されたという事実をもとに作られた作品です

タイトルをみてもわかる通り
「救出されるのね」
そう、完全なネタバレ映画です
でも、そんなのどうでもよくなるくらい、激しく巻き込まれてしまいました

「タイタニック」なんですよ
沈むことはわかってる
その過程のドラマが見たい…という

一言で言って「壮絶」です
信じられない拷問の数々
そして、救出までの細かなプロセスが描かれるのですが、
デンマークは日本と同じ
「テロリストとは交渉しない」という立場なので、身代金を国が用意してはくれない。
では、どうするのか？
そこで、家族が動くのです

そうか、その方法で身代金をあつめたのか！

もう驚きでした。果たして日本でそれができるか？と。

一方、拉致監禁されたのは主人公だけでなく、
世界のジャーナリストがISの監獄に捉えられていました
その中で、解放されるもの、
オレンジの服を着せられ処刑され動画で公開されるもの
その境界線の現実に唖然としました
そんなことで・・・・

処刑された日本のジャーナリストの姿を思い出し
痛ましく、悲しく、
他人事とは思えませんでした

シリアで3年間武装勢力に拘束されていた
フリージャーナリストの安田純平さんのトークイベントが先日あり行ってきたのですが、
経験者の語る言葉は重いものがありました

実際に映画に登場する他国の拉致されたジャーナリストととも
一緒に“監獄”で暮らしていただけに、生々しい体験談でした

コロナは、家族同士の接触も許さず、人と人との分断を広げています
しかし、実際に、民族紛争で強制的に家族と引き離されたとき、
拉致監禁された本人はどんな体験をし、どんな思いでいたのか？
そして家族は・・・・

この作品は、真摯に現実を見据えて伝えようという気概に満ちています

そして私は、
どんな状況にも屈せず、
「息子を必ず救う！」
という母の強き姿勢に心震え、涙が止まりませんでした

そう、世の中の全部に見捨てられても、
最後まで味方となるのは…家族…

公開規模の小さな作品ですが、一見の価値ありです

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