大宮エリーのインスタグラム(ellie_omiya) - 11月22日 21時59分


「答えは絵の中に」

なぜ絵を描いているのか。それを教えてくれたのは、絵を見に来てくれたお客さんだった。
絵を描きたくて描くというよりも、語弊を恐れずにいうと
自分にとっては、神事に近い。
いろんな土地に呼んでいただき、ライブペイントをすることになるんだけれど、いつもなんでだろうなぁ?と思うのだけれど
終わってみると、なるほどこういうことだったのかと
それが絵の中に入っている。
自分でもだから終わってみないとわからない。
ただ絵を描くようになったきっかけも、現代美術界に入るきっかけも
ギャラリーに所属したり、美術館で展覧会させていただいたりも
自分の意思というよりも何か
大いなる存在からのお試し、とか指示みたいな感じがしていて
だから、ええええっ?!とおののきながらも
必死に逃げずにやってきた。
今世での使命がこれなのかなぁと思って粛々となんとか
全うできるようにと。
だって、普通、脚本とか映像とか、色々やってたのに、画家になります?!
おかしい、、。
どう考えても。。。。
で、これにはどういう意味があるのか。そもそもいろんな土地で絵を描いているのはなぜなのか。私はどうしたらいいのか、わからない時期がありました。
絵を描く理由を少し知ったのは、2013年のことだったと思います。
久高島にひょんなことで行くことになり、
その日は、パワースポットに連れて言ってくれるはずのガイドの友人が
居酒屋で1杯飲もんでからというので、飲んだら、どんどん人を呼んじゃって
結局、何もみないで、島を後にしたことがありました。
その後、毎月、連絡をもらって、「島のみんながエリーさんと
飲みたがってるから、来ない?」というのですが
なかなか仕事で休みもなく、
それから半年の間、毎月断っているのが
さすがに申し訳なく思って来て、ある時自分から
「明日、仕事が急になくなったから、明日なら行ける」
と電話をしたんです。
するとガイドの友人が黙ってるので、さすがに急で悪かったかな?と言ったら、
「いや、、、明日は、島の人しか知らない大事な神事があるから、
驚いたの」
というのだ。
「じゃあいいよ、またにするよー」
というと、
「いやむしろ、神様に呼ばれてるんだと思うので、来て欲しい!
島のみんなには、私から言っておくから」
というのです。
偶然だと思うけど、、呼ばれてるだなんて大げさなと思ったけれど
いくことになり、そして、私はその島の人しか参加しない神事に参加したのです。
その夜、神事のあとの宴で、おばあから、
「この餅たべていいよ」
と言われたのが、神事に使われた餅で
「え?でも神様の餅では?」
というと、
「もう神事おわったからただの餅」
とにこっと笑うのです。
それで、食べてみたら、さすが、おばあたちが、指でちいさく
まあるくこねた餅なので、美味しいのです。
5、6個ぺろりと食べてしまった時に、
急に高熱がでてきた。
あれ?なんだろう。震えるし、頭がふらふらだし。
明日、大阪に入り、美術館で絵を描かないといけないので
このままだとまずいと思って
「バファリンか何かあります?」
と聞いたら、おばあは、
「それは神様の熱だから下げない方がいい」
って言うんです。
困った私は
「いや、明日絵の仕事があるから薬欲しい」と懇願すると、
「絵を描いたら治る」
とおばあ。
「エネルギーが強すぎたんよ。出したら治る」と。
そのあと、他の若い人にもこっそり解熱剤もらおうとしたけれど
「あ、神様の熱なので」と同じ答え。
観念して、うなされながら、翌日大阪入り。そして
青い海の絵を描きあげたら
熱が下がっていた。
でも、私はそのとき、時間もたったし、自然治癒したなと
思っていたんです。
ところが、数日後、
東京で打ち合わせしていたら、大阪の美術館から電話が。
「先生のあの青い海の絵の前で、たくさん人が倒れて
ぐーぐー寝ているのですが、どうしたらいいでしょうか」
というのです。さらに、
「作家さんの意図を伺いたいです。
起こしたほうがいいのか、寝かしておいたほうがいいのかを」
というのです。
すごくびっくりしました。
そんなことってあります?

そのとき、ハッとしたんですね。
私が絵を描く理由って、こういうことなのかなと。
絵を描いていた時ひとつだけしていたのが、久高島で録音させてもらった三線の音を流しながら
みんなが久高の聖なる海で、ゆりかごのようにゆられて抱かれて
リラックスしたらいいなあという願いを込めて描きました。
すると結果、みんなが眠くなった。
正直嘘みたいな話で、忘れていたんですけれども
後日、なにかの講演会の時に、そのあと、残られた男性がいて
サインかな?と思ったら
「実は僕は、大阪の個展に行って、寝ていたものです。
他にももうすでに寝てらっしゃる方がいて、
僕もなんだか絵を見ていたら眠くなって来て、寝てしまいました」
「え?本当にそんなことが?」
「はい、ふしぎな経験でした」
そんなことがありました。
それで、へえ、そんなことあるのかいなと思った時に、
え?もしかして、、私が絵を描く理由って、
みんなに届けなくてはいけないエネルギーを絵という媒体で転写してるのかな?
と思ったんです。


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2020/11/22

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