小橋めぐみのインスタグラム(megumikok) - 10月5日 21時46分
エルザ・マルボ著「念入りに殺された男」が、新鮮で面白かった…
フランスの片田舎で民宿を営む小説家の夢破れた主婦アレックスが、泊まり客のベストセラー作家の男ベリエを殺してしまう。
家族を守るため、死を偽装するため、アレックスはパリに出て、ベリエのアシスタントになりすまし、画策する。アレックスを殺すのにふさわしい人物は誰かと。
果たして、書けない彼女は、完全犯罪のシナリオを書けるのか?締め切りまでに…
面白いのは、今までは全然筆が進まなかったアレックスが、ベリエ殺害の偽装工作のためには、どんどんアイディアを思いつき、筆が進むのである。火事場の馬鹿力というか、人は追い詰められたら、やるしかなくなったら、力を発揮することができるのだ。
また、今まで周りの人の人生を盗み、それを書いて作品にしてきたベリエが、今度は書かれる側になるのも興味深い。
作家の業のようなものが滲み出ている。
他にも好きなところが沢山あるのだけれど、ネタバレになりそうなので、やめておきます。
写真右の、ちょうど本と同じ配色のものは、
愛用のフレデリックマルの香水。
ローディベール(冬の水)
読んでいる途中で香りが欲しくなったので。
人が消えても、携帯やネットには様々なものが痕跡として残り、また、その人の、匂いも残る。
その、残されたものたちがリアルで、
匂い立つような小説だった。
#sonautremort
#fredericmalle
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2020/10/5