小沢健二さんのインスタグラム写真 - (小沢健二Instagram)「深夜の東京タワーの光線の中へ、あいみょんさんと昇った   東京は、江戸時代から始まったわけではない。東京タワーの横、芝公園には実は5世紀の前方後円墳がある。全長百メートルの大古墳。緑煙る古代、ここで誰が、どんな暮らしをしていたのだろう?  古墳の横、増上寺には徳川将軍たちの墓が並ぶ。タワーの逆側には、日本国の地理上の中心、日本経緯度原点がある。  東京の神殿、東京タワー。  それは現代の日本列島の中心にある、抽象的なマンダラで、その格子状の構造は、土に打ちこまれているのではなく、逆に土の中から、植物のように上に向かって生えている、と僕は思っている。   高い塔の光線は、天上へ昇る幻。  その光線の中へ、このものすごい年2020年の9月9日、あいみょんさん(以下敬称略)新譜発売日の深夜、彼女と昇ってみた。フジTV「ラブミュージック」の対談の相手として彼女からご指名いただいたので、東京タワーでお話ししませんか? とお返事したのだ。  新譜『おいしいパスタがあると聞いて』の一曲目は僕には、書かれるべくして書かれたプロテストソングに聞こえた。本人、そんな気はないかもしれない。でもボブ・ディランって人も、自分の曲が時代とそれほどシンクロしているとは思っていなかったという。  無意識っていい。行動は、ある高度を超えると、もう全部が無意識になる。  その時、狙いとか、意図とかはなくなり、ただ自然に、起こるべきことが起こる。オカルトみたいに聞こえたら困るけど、一曲目『黄昏にバカ話をしたあの日を思い出す時を』は、そんな必然の一つに聞こえた。  そして2020年、新しいメロディーと言葉を起爆した彼女と、古代の未来図が姿を変えていく、その中心にあるタワーの上で話すのも、起こるべくして起こることなのかしらんと、先に入った展望台で彼女を待っていて思った。   待っていた、といえば。  二十五歳のあいみょんは同い年くらいの僕が表紙の雑誌をたくさん持ってきてくださって、「お会いできてうれしい」と言ってくださったけど、逆から見るとどうだろう?  二十五、六歳の僕にしたら、ディスられながら独り作ってる作品が誰かの心の深くまで届いて、その誰かが名曲を次々と作って、二十六年後の東京タワーで「だよね?」と話すなんて、出来すぎだろう。  だから、彼女が僕に会うのを待っていたのよりも、もしかしたらもっと強烈に(笑)、若き日の僕は彼女に会うことを待っていた、のかも。  それは究極には、彼女だけの話ではなく、リスナーみんなについて思う。  作る人はだいたい、誰かを待っているのだ。   さてさて、深夜の東京タワーでどんな話になったのか? 「ハルノヒ」初演を聴いて、僕がぶっ飛んだこととは? 彼女がショックを受けた、僕の最近の曲とは?  ソングライター、ものを紡ぐ人、そしてそういうものを愛でる人こぞりて、『パスタ』ともども、ご賞味ください。  放送は十月四日。そして秋へ。  #あいみょん #東京タワー #前方後円墳」9月12日 20時17分 - sokakkoii

小沢健二のインスタグラム(sokakkoii) - 9月12日 20時17分


深夜の東京タワーの光線の中へ、あいみょんさんと昇った

 東京は、江戸時代から始まったわけではない。東京タワーの横、芝公園には実は5世紀の前方後円墳がある。全長百メートルの大古墳。緑煙る古代、ここで誰が、どんな暮らしをしていたのだろう?
 古墳の横、増上寺には徳川将軍たちの墓が並ぶ。タワーの逆側には、日本国の地理上の中心、日本経緯度原点がある。
 東京の神殿、東京タワー。
 それは現代の日本列島の中心にある、抽象的なマンダラで、その格子状の構造は、土に打ちこまれているのではなく、逆に土の中から、植物のように上に向かって生えている、と僕は思っている。

 高い塔の光線は、天上へ昇る幻。
 その光線の中へ、このものすごい年2020年の9月9日、あいみょんさん(以下敬称略)新譜発売日の深夜、彼女と昇ってみた。フジTV「ラブミュージック」の対談の相手として彼女からご指名いただいたので、東京タワーでお話ししませんか? とお返事したのだ。
 新譜『おいしいパスタがあると聞いて』の一曲目は僕には、書かれるべくして書かれたプロテストソングに聞こえた。本人、そんな気はないかもしれない。でもボブ・ディランって人も、自分の曲が時代とそれほどシンクロしているとは思っていなかったという。
 無意識っていい。行動は、ある高度を超えると、もう全部が無意識になる。
 その時、狙いとか、意図とかはなくなり、ただ自然に、起こるべきことが起こる。オカルトみたいに聞こえたら困るけど、一曲目『黄昏にバカ話をしたあの日を思い出す時を』は、そんな必然の一つに聞こえた。
 そして2020年、新しいメロディーと言葉を起爆した彼女と、古代の未来図が姿を変えていく、その中心にあるタワーの上で話すのも、起こるべくして起こることなのかしらんと、先に入った展望台で彼女を待っていて思った。

 待っていた、といえば。
 二十五歳のあいみょんは同い年くらいの僕が表紙の雑誌をたくさん持ってきてくださって、「お会いできてうれしい」と言ってくださったけど、逆から見るとどうだろう?
 二十五、六歳の僕にしたら、ディスられながら独り作ってる作品が誰かの心の深くまで届いて、その誰かが名曲を次々と作って、二十六年後の東京タワーで「だよね?」と話すなんて、出来すぎだろう。
 だから、彼女が僕に会うのを待っていたのよりも、もしかしたらもっと強烈に(笑)、若き日の僕は彼女に会うことを待っていた、のかも。
 それは究極には、彼女だけの話ではなく、リスナーみんなについて思う。
 作る人はだいたい、誰かを待っているのだ。

 さてさて、深夜の東京タワーでどんな話になったのか? 「ハルノヒ」初演を聴いて、僕がぶっ飛んだこととは? 彼女がショックを受けた、僕の最近の曲とは?
 ソングライター、ものを紡ぐ人、そしてそういうものを愛でる人こぞりて、『パスタ』ともども、ご賞味ください。
 放送は十月四日。そして秋へ。

#あいみょん #東京タワー #前方後円墳


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2020/9/12

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