eclat.magazineのインスタグラム(eclat.magazine) - 8月12日 13時00分
『クッキー』(弊社刊)で連載中の、『日に流れて橋に行く』がおもしろいです。
舞台は、石造りの橋が竣工する明治末の日本橋。近代化に出遅れた老舗呉服店「三つ星」を立て直すべく、英国から帰国した星乃家三男・虎三郎と、切れ者の相棒・鷹頭、そしてファッションオタクの時子らが奮闘する物語で、4巻まで発売中。
物語に着物、装身具といったおしゃれアイテムが絡むから楽しいのに加え、時代設定が魅力的です。
今に残る日本橋の架橋は1911年。日本女性はまだ着物中心だけれど、いずれは洋装部門を作りたいと虎三郎たちは目論んでおり、西洋ではようやくコルセットなしのドレスが定着し始め、そこには着物へのオマージュも見出せるという、服飾文化のターニングポイントの頃。また、時子が新しい女性像をリードするあたりも、同年秋には『青鞜』創刊という時代背景を感じさせます。
絵がきれいなのでサクサク読めるのと、深沙大王の看板絵といった当時の美術のエッセンスがにじみ出ているところも個人的にツボでした。
現在、COREDO室町テラスでは『日に流れて橋に行く』と「誠品生活日本橋」のコラボ企画を開催中です(〜9/11)。作中でも言及される"本藍染め"で製作したオリジナルの手ぬぐいやマスク(写真、3、4枚目。意匠は京森康平さん)を販売するほか、複製原画等の展示も。
日本橋方面(最寄りは「三越前駅」)へお出かけの際は、お立ち寄りください。『エクラ』も売ってます😊
(編集B)
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2020/8/12