The Fashion Postのインスタグラム(tfpjp) - 7月1日 21時03分
#portraits nakako hayashi
『編集者・林央子 「ファッションを考えてみたかったら、ファッションという世界の外に立つこと」』
― Elein と前田さんはともに現在田舎に暮らし、クリエイションを続けています。そこに何を見出しますか?
二人とも同じような時期に、都市から距離を置いた生活を選び取ったということに興味を抱きました。それは、彼らだけではなく21世紀に生きる人たちの、先進的な生き様の一つであることからも、彼らの行為のメッセージ性はとても高いと判断しました。
そして、彼らが暮らしのなかで見ている風景、そのなかでの「美」は、まだ本当の意味で私たちは見たことがないのではないか、と思いました。田舎の美しい里山の風景、というカレンダーになりそうなイメージとはまた違う美を彼らは見ている気がして、それは90年代ということにとどまらず、90年代を回顧することから考えはじめる未来について、多くの人がシェアしてほしいと思うイメージになるのではないかという確信もありました。
ファッションという世界は、つねに「新しさ」とともに「生き方」についても考え続けるフィールドであるべきだと私は思っています。
- 情報過多の時代において、再び「個」の強度が高まるムードがあります。トレンドと距離を置いてクリエイションを続ける作り手も増えています。コロナ禍を経験し、ファッション最大の特徴であるスピードも、いよいよ変わろうとしています。今、どんな希望を見出していますか。
ファッションの世界でいえば、iai (居相大輝) さんのような若いつくり手が出てきたこと自体が希望だと思います。東日本大震災を体験して従来の仕事をやめ、奥さんと二人で限界集落の日本家屋を自分たちの手で手入れしながら暮らし、庭先の小川や畑のなかで服をつくり、できた服を売りに行く。お二人のお子さんとの暮らしを楽しみながら、自分のクリエーションに真摯に生きる。
一方「途中でやめる」の山下陽光さんの活動にも共感します。山下さんの多彩な発信のうちの一つが服で、服だけではないつくり手ですが、彼のつくる世界のなかに服がある、ということが他のアクティビストの方たちと大きく違うところで、とても興味深いです。「しばらく鬱でふさぎこんでいたけど山下さんの服を買って、外に出ていくことが楽しみになった」というような、買い手の中に眠るエピソードをどんどん発掘していくような、買う側も自己表現する場をつくり出していく、山下さんの独特なコミュニケーション力も、尊敬しています。
NYの郊外に4人家族で住んでいるアーティストの後藤輝さんも、絵や自然素材の手づくり化粧品、お子さんとの生活を日々発信する短編映像など、さまざまな物づくりのなかで服もつくります。彼らの活動は、まず自分の生活に重きを置き、そこを始点にすべてを見据えていて、今この時代において服をつくることの意味を、どんどん拡張している実践です。こうした活動からは、目を離せません。
photography: yurie nagashima
interview & text: miwa goroku
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2020/7/1