蜷川実花のインスタグラム(ninagawamika) - 6月8日 11時45分


いつか,東京ときっちり向き合って写真を撮らなくてはいけないとずっと思っていた。

東京に生まれて東京に育ち,この街にしか住んだことがない。

でも何だか向き合うだけの準備ができていない気がして,ずっとうやむやにしてきていた。

大事なものすぎてなんだか手を出せないような感じ。

2年前,ふとそのタイミングがきた気がした。

たくさんの人達と映画『Diner ダイナー』と『人間失格太宰治と3人の女たち』を撮り終えた頃,

ふと得意技を封じて,シャッターを切ることだけで勝負をしてみたいと思った。

撮り始めてみると,私にとっての東京とは私の半径2.3メートルの世界だった。

その中に常に虚構と現実が入り交じる日々。

どうやらその境界線が曖昧なのが私の日常,東京。

この本のほとんどは写ルンですで撮影している。

自分の得意技を全て使えない状況においた時に何が残るのか,何ができるのかが知りたかった。

表面を支配しているものを無くした時に見えてくる景色を見たかった。

きっとそこに答えはある。

今在りし日の東京の一面を眩しく見返している。

やはり写真には時代が写り込んでくる。

フィルムに焼きつく光景が日々変わっていく。

今も東京を撮り続けている。

写真はやっぱり面白い

ーー蜷川実花 『東京 TOKYO / MIKA NINAGAWA』
会期:2020/6/12〜6/29
会場:PARCO MUSEUM TOKYO(渋谷パルコ4F)
入場料:一般500円、学生400円、小学生以下無料
art.parco.jp

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#TOKYO蜷川実花
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2020/6/8

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