小沢仁志のインスタグラム(ozawa_hitoshi) - 5月11日 07時48分
花子の自粛・2週目
第6話
気がついたら、商店街近くの公園にひとり佇んでいる花子。その手の中にある飴玉だけが、さっきまでのことが現実であった事を証明しているかの様に存在している
もしかしたら、私は特別な人間なのかもしれない
特別？
どう特別？
ダメよ惑わされたら、私が特別なんてありえないし
この飴…いや
そもそも飴かどうかもわからない
宇宙みたいな青色が、細長く白い雲みたいな模様に渦巻かれている飴玉なんて見たことないし
その時、突風が吹き荒れて
花子の長くて黒い髪が風に舞っていく…
え、なに？
ウソ、無理！
急に沸き始めた冒険心を押さえきれなくなってきた
花子はジッと飴玉を見つめ
食べたい！
無性に食べたい！
けど、あの少年…いや
ココロナはまだ食べちゃダメだと言ってたっけ…
でも食べたい！
ダメだと言われたら
尚更食べたい！
花子が飴玉をゆっくり
口へと運んでいくと
声「ダメだよ」
花子「？」
辺りを見回すが誰もいない
気にせず、もう一度飴玉を口へと運んでいく
声「ダメだって」
花子「…」
飴玉を持つ手を下ろす
花子「ねぇ、ひょっとして
私の心の中にいる？」
声「いるよ」
花子「ココロナ君だよね？」
声「そだよ」
花子「ココロナ君は私なの？」
声「そうだよ」
花子「なら教えてよ。この飴玉はなに？」
と、飴玉を空にかざして見つめると
「ドン！」
と、後ろから肩を叩かれ
思わず飴玉を飲みこんでしまう花子
花子「！」
声「ダメだーっ」
大きな音を立て、飴玉を飲み込んでしまった
花子「…」
声「何してんだ？」
振り返ると、中学からの同級生の近藤がいた
近藤「桜田、お前大丈夫か？」
花子「えっ？」
近藤「一人でブツブツ言ってて、ヤバイ奴みたいだったぞ」
花子「やめてよ」
近藤「変な薬やってない？」
花子「…」
昔から、この無神経さが苦手だった
すると、苦手な近藤の顔が突然歪みはじめてきた
花子「？」
近藤「おい、桜田、大丈夫か？」
声まで遠くから響いている
暗闇に吸い込まれていく花子
ココロナ君、コレなに？
聞こえる？
ねぇ、返事してよ！
ココロナの返事がないまま
花子は暗闇に飲み込まれていった
と、思ったら
物凄い勢いで光が近づいて来て
その光の中へと吐き出されて行く
花子が降り立ったその場所
そこは、果たして… 🌏
🌎
ヒデ、頑張って
花子に負けるな
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2020/5/11
