林信行さんのインスタグラム写真 - (林信行Instagram)「「ただマネキンにブランドの服を着せた展示にしたくなかった」 美術館ならではの批評性のあるファッション展を目指した 「ドレス・コード?―着る人たちのゲーム」展(8/9-10/14)。 今日から京都国立近代美術館で始まります。  昭和55年から5年に1度のペースでファッション系の展覧会を開いてきたという京都の国立近代美術館#京都服飾文化財団 の日本初公開の所蔵品300点強を使った展覧会。 同館の牧口主任研究員は「最近はハイブランドのメゾンが非常に優れ展覧会を開くようになってきている。そうした中で美術館だからこそできるファッションの展覧会とは何かを考え、『批評性』を持たせること」という結論に至り本展を企画した、と言う。  プロローグ+12章で構成された展覧会。 その展覧会でプロローグを飾るのはミケランジェロ・ピストンの「ぼろぎれのヴィーナス」。 大量の服の山の前に裸のヴィーナス像が佇む作品。 作者にその意味や意図はなかったが、まるで大量生産、大量消費、大量廃棄のファーストファッションで捨てられた服の山に見える。 そして、その横にプロローグのテーマ 「裸で外を歩いてはいけない?」 この後、第1章 「高貴な振る舞いをしなければならない?」とビジネススーツや貴族の服が 「働かざる者、着るべからず?」で労働服が…と言った感じで展覧会が続き、 途中版からはストリートファッションの展示も多くなり、おしゃれなホームレスの写真なども登場する。  ブランドロゴの象徴としての意味合いを問うた「見極める眼を持たなければならない?」と言う章も面白く、ただロゴが2つ並ぶだけのブランドコラボ商品の展示などを見ると「ブランド」とは何なのだろう?と考えさせられる。 ちなみに先日、ちょうど誰かとこの話をしていた(角尾さんが話していたのかな?)。 最近のファッションでは、面白いアイテムが出てもすぐにその意匠がファーストファッションに真似されてしまう。ファッションの意匠は知的所有権が保護されていない。しかし、ロゴが入ると別で、だから最近、ロゴを大きくあしらったファッションアイテムが多いのだと言う。そうして記号化されたファッション性が、今度はその記号同士でコラボを始めるが、これにどれほどの意味があるのだろう。 「他人の眼を気にしなければならない?」と言う章ではハンス・エイケルブームがパリの様々な場所に同じ時間帯にいた似た格好をしている人々の写真を集めたコラージュがズラーっと並ぶ。 人と違う見た目にしようと選んだはずのファッションが、結局、他の誰かと(しかも、ここまで)被っていることの悲劇が膨大な量展示されている。  今回、出展作家の中にアンリアレイジ(森永邦彦)やユイマ ナカザト(中里唯馬)、リトンアフタワーズ(山縣良和)といったお馴染みの若手たちの名前を見かけたのでレセプションで会えるかと楽しみにしていたが、今回は京都服飾文化財団(KCI)のコレクションからの展示ということで、レセプションに参加しているデザイナーはあまりいなかった。 その代わり遭遇してビックリしたのが来年のベネチア建築ビエンナーレにも選出された建築家の 元木大輔さん。今回の展示の空間デザインを行なっている。  また最近、ワコールのオフィスの空間演出を手掛けたアーティストの ミヤケマイさんとも久々の再会を果たした。  京都国立近代美術館が投げた変化球が、ファッションの世界にどんな話題を巻き起こすのだろう!? (ちなみに京都国立近代美術館、元木さんの話によれば青山スパイラルと同じ頃の槇文彦建築で、両方のコンペに応募したら両方通って同時に手掛けたらしく、階段とか見ると両方の建築の似ているところがたくさんあるらしい。 東京から同館を訪れる人は、ぜひ、そんな建築的な楽しみ方も一緒に味わってもらえればと思う)。 【特別な許可をもらって撮影しています。展覧会は撮影コーナーはありますが、原則 撮影禁止です】」8月9日 10時32分 - nobihaya

林信行のインスタグラム(nobihaya) - 8月9日 10時32分


「ただマネキンにブランドの服を着せた展示にしたくなかった」
美術館ならではの批評性のあるファッション展を目指した
「ドレス・コード?―着る人たちのゲーム」展(8/9-10/14)。
今日から京都国立近代美術館で始まります。

昭和55年から5年に1度のペースでファッション系の展覧会を開いてきたという京都の国立近代美術館#京都服飾文化財団 の日本初公開の所蔵品300点強を使った展覧会。
同館の牧口主任研究員は「最近はハイブランドのメゾンが非常に優れ展覧会を開くようになってきている。そうした中で美術館だからこそできるファッションの展覧会とは何かを考え、『批評性』を持たせること」という結論に至り本展を企画した、と言う。

プロローグ+12章で構成された展覧会。
その展覧会でプロローグを飾るのはミケランジェロ・ピストンの「ぼろぎれのヴィーナス」。
大量の服の山の前に裸のヴィーナス像が佇む作品。
作者にその意味や意図はなかったが、まるで大量生産、大量消費、大量廃棄のファーストファッションで捨てられた服の山に見える。
そして、その横にプロローグのテーマ
「裸で外を歩いてはいけない?」 この後、第1章
「高貴な振る舞いをしなければならない?」とビジネススーツや貴族の服が
「働かざる者、着るべからず?」で労働服が…と言った感じで展覧会が続き、
途中版からはストリートファッションの展示も多くなり、おしゃれなホームレスの写真なども登場する。

ブランドロゴの象徴としての意味合いを問うた「見極める眼を持たなければならない?」と言う章も面白く、ただロゴが2つ並ぶだけのブランドコラボ商品の展示などを見ると「ブランド」とは何なのだろう?と考えさせられる。
ちなみに先日、ちょうど誰かとこの話をしていた(角尾さんが話していたのかな?)。
最近のファッションでは、面白いアイテムが出てもすぐにその意匠がファーストファッションに真似されてしまう。ファッションの意匠は知的所有権が保護されていない。しかし、ロゴが入ると別で、だから最近、ロゴを大きくあしらったファッションアイテムが多いのだと言う。そうして記号化されたファッション性が、今度はその記号同士でコラボを始めるが、これにどれほどの意味があるのだろう。 「他人の眼を気にしなければならない?」と言う章ではハンス・エイケルブームがパリの様々な場所に同じ時間帯にいた似た格好をしている人々の写真を集めたコラージュがズラーっと並ぶ。
人と違う見た目にしようと選んだはずのファッションが、結局、他の誰かと(しかも、ここまで)被っていることの悲劇が膨大な量展示されている。

今回、出展作家の中にアンリアレイジ(森永邦彦)やユイマ ナカザト(中里唯馬)、リトンアフタワーズ(山縣良和)といったお馴染みの若手たちの名前を見かけたのでレセプションで会えるかと楽しみにしていたが、今回は京都服飾文化財団(KCI)のコレクションからの展示ということで、レセプションに参加しているデザイナーはあまりいなかった。
その代わり遭遇してビックリしたのが来年のベネチア建築ビエンナーレにも選出された建築家の 元木大輔さん。今回の展示の空間デザインを行なっている。

また最近、ワコールのオフィスの空間演出を手掛けたアーティストの ミヤケマイさんとも久々の再会を果たした。

京都国立近代美術館が投げた変化球が、ファッションの世界にどんな話題を巻き起こすのだろう!? (ちなみに京都国立近代美術館、元木さんの話によれば青山スパイラルと同じ頃の槇文彦建築で、両方のコンペに応募したら両方通って同時に手掛けたらしく、階段とか見ると両方の建築の似ているところがたくさんあるらしい。
東京から同館を訪れる人は、ぜひ、そんな建築的な楽しみ方も一緒に味わってもらえればと思う)。 【特別な許可をもらって撮影しています。展覧会は撮影コーナーはありますが、原則 撮影禁止です】


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2019/8/9

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