北欧、暮らしの道具店さんのインスタグラム写真 - (北欧、暮らしの道具店Instagram)「中村暁野さんの連載コラム『ケの日のこと』10話目が公開になりました。 ・ 一筋縄ではいかない子育て。でも、子供から教わることも大いにあるようです。 ・ - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - 第10話:斜め上いく娘 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -  もうすぐ娘が小学2年生になります。小学校の最初の年が終わるんだなあと、この1年を振り返ると感慨深いものがあります。娘は赤ちゃんの頃からずっと、敏感で繊細、人見知りが激しく意思の強い、心配の多い子でした。 25歳のときになんの準備もないままわたしは母になりました。それでも「おかあさん」になれた喜びや期待でいっぱいで、最初の数年は触れるもの、食べるもの、着るもの、娘にいいと思うありとあらゆるものを手渡そうとしていました。子供を持つまで、何かを頑張ったら頑張っただけの結果がでるものだと思っていたのです。まさに努力は実る精神。子育てに関しても、わたしの頑張りが娘に影響するのだわ、と表面上は穏やかに、しかし内心はねじり鉢巻きに前のめりな姿勢で、「おかあさん」を全うしようとしていました。 ところが、そんなわたしをよそに、娘はいつも想像の斜め上をいく子でした。市の検診に行けば大暴れするのは毎度のこと。保育園ではいくらたっても先生とお話が出来ないまま。幼児期になっても夜泣きがひどく近所の人に通報されたことも一度ではありません。スムーズにいかないひとつひとつに当時はひどく悩み、打ちのめされていました。 そんな気持ちが変化したのは娘が4歳を過ぎた頃です。ある日、娘とぶつかっては怒っていたわたしが珍しく心穏やかに過ごせたと思い、ふと「今日は仲良くできたね」と声をかけると、娘はサラリと「全部がママの思う通りにいったからじゃない?」と返したのです。ドーン!と衝撃が走りました。 思った通りに物事が進んだらそりゃあ安心です。気持ちも良いです。思い通りにいかないから苛立って不安になる。それはまさにわたしの子育ての状況そのもので。 あれもこれも出来ない……と思っていた娘は、観察力とユーモアがあり気持ちをしっかり言葉にできる、わたしにはないものをたくさんもった女の子でした。 人はちがうから面白い。そう思っているはずなのに、実際は違いを認められなかったり、同じであることを求めてしまったり。親子であっても娘とわたしは違う人間で、わたしが求めるものを娘が形にする必要なんてないんだ。そう思えたら、わたし自身も決して何かが足りない母親じゃないんだ、と思えるようになりました。あの日の娘の言葉がそれを教えてくれたのです。 とはいえ、頭でわかってはいても予想外の出来事が起こるたびにびっくりおののき、心配で心が吹き荒れるのは止められない。きっと新しい1年も、斜め上をいく娘に振り回されてわたしは息切れするのだと思います。でも、不安でいっぱいなはずの、そんな未知なるケの日々がなんだか楽しみでもあるのです。 ・ (エッセイ:中村暁野) ・ ▶こちらの連載は、当店サイトにて「ケの日のこと」と読みもの検索するとご覧いただけます。プロフィールのリンクよりどうぞ→@hokuoh_kurashi ・ #北欧暮らしの道具店 #中村暁野 #ケの日のこと」3月30日 15時30分 - hokuoh_kurashi

北欧、暮らしの道具店のインスタグラム(hokuoh_kurashi) - 3月30日 15時30分


中村暁野さんの連載コラム『ケの日のこと』10話目が公開になりました。・一筋縄ではいかない子育て。でも、子供から教わることも大いにあるようです。・- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -第10話:斜め上いく娘- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - もうすぐ娘が小学2年生になります。小学校の最初の年が終わるんだなあと、この1年を振り返ると感慨深いものがあります。娘は赤ちゃんの頃からずっと、敏感で繊細、人見知りが激しく意思の強い、心配の多い子でした。25歳のときになんの準備もないままわたしは母になりました。それでも「おかあさん」になれた喜びや期待でいっぱいで、最初の数年は触れるもの、食べるもの、着るもの、娘にいいと思うありとあらゆるものを手渡そうとしていました。子供を持つまで、何かを頑張ったら頑張っただけの結果がでるものだと思っていたのです。まさに努力は実る精神。子育てに関しても、わたしの頑張りが娘に影響するのだわ、と表面上は穏やかに、しかし内心はねじり鉢巻きに前のめりな姿勢で、「おかあさん」を全うしようとしていました。ところが、そんなわたしをよそに、娘はいつも想像の斜め上をいく子でした。市の検診に行けば大暴れするのは毎度のこと。保育園ではいくらたっても先生とお話が出来ないまま。幼児期になっても夜泣きがひどく近所の人に通報されたことも一度ではありません。スムーズにいかないひとつひとつに当時はひどく悩み、打ちのめされていました。そんな気持ちが変化したのは娘が4歳を過ぎた頃です。ある日、娘とぶつかっては怒っていたわたしが珍しく心穏やかに過ごせたと思い、ふと「今日は仲良くできたね」と声をかけると、娘はサラリと「全部がママの思う通りにいったからじゃない?」と返したのです。ドーン!と衝撃が走りました。思った通りに物事が進んだらそりゃあ安心です。気持ちも良いです。思い通りにいかないから苛立って不安になる。それはまさにわたしの子育ての状況そのもので。あれもこれも出来ない……と思っていた娘は、観察力とユーモアがあり気持ちをしっかり言葉にできる、わたしにはないものをたくさんもった女の子でした。人はちがうから面白い。そう思っているはずなのに、実際は違いを認められなかったり、同じであることを求めてしまったり。親子であっても娘とわたしは違う人間で、わたしが求めるものを娘が形にする必要なんてないんだ。そう思えたら、わたし自身も決して何かが足りない母親じゃないんだ、と思えるようになりました。あの日の娘の言葉がそれを教えてくれたのです。とはいえ、頭でわかってはいても予想外の出来事が起こるたびにびっくりおののき、心配で心が吹き荒れるのは止められない。きっと新しい1年も、斜め上をいく娘に振り回されてわたしは息切れするのだと思います。でも、不安でいっぱいなはずの、そんな未知なるケの日々がなんだか楽しみでもあるのです。・(エッセイ:中村暁野)・▶こちらの連載は、当店サイトにて「ケの日のこと」と読みもの検索するとご覧いただけます。プロフィールのリンクよりどうぞ→@北欧、暮らしの道具店#北欧暮らしの道具店#中村暁野#ケの日のこと


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2018/3/30

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