SPURナショナル・ファッションストーリー・プロジェクトは服やファッションに対する思い出や記憶を集め、物語にまとめていくプロジェクト。ウェブに寄せられたリアルストーリーをお届けします。 SPUR NATIONAL FASHION PROJECT 第3回 【ローズクオーツのミサンガ ―大好きな人が着ていた服 ―】 10年来の友人の誕生日には、毎年何かしらプレゼントを渡すことにしています。予算は1万円ぐらい。アクセサリーやマニキュアなど、彼女に似合いそうなものをじっくりと選ぶのは、とても楽しいひとときです。あれは、5年前の秋頃の話。友人は大失恋のショックで、悲嘆にくれていました。食事もほとんど喉を通らずげっそり痩せて、仕事も休みがち。そんな彼女をなんとか元気づけるため、ありとあらゆるショップを回ってプレゼントを探しました。さんざん悩んだ末、当時流行っていたストーン付きミサンガを購入することに。グレーの糸で編みこまれたミサンガに、ピンクのストーンがきらりと光っています。誕生日祝いは毎年、ちょっといいお店でごはんを食べながら。デザートが運ばれ、いざ、プレゼントタイム! 包みを開けた友人に、「このミサンガをつけていると、幸せが舞い込むんだよ」なんて冗談半分で言ってみると、彼女の目にパーッと光が差し込みました。「ほ、本当!?」と嬉しそうに、早速手首につけ始めています。その様子にひと安心した私はさらに「しかもこの石、ローズクオーツじゃない? 恋愛運アップにいいんだよね」と言って盛り上げました。しかし家に帰って念のためウェブサイトで石の素材を調べると、それはローズクオーツでもなんでもなく、ただのガラスということが判明。けれど友人のあんな表情を見たあとでは、本当のことなんてとてもじゃないけれど言えません。とりあえず、当分の間黙っていることにしました。それから半年ほどして、友人に恋人ができました。「ありがとう! ミサンガのおかげだよ」と興奮気味に話す彼女。それにしては、効果が出るのが遅いんじゃ……と内心思いながらも、「そっか、良かったね」と言うことしかできない私。そして残念ながら、また別れがやってきます。その後も何人か彼氏ができるのですが、そのたびに彼女は「ミサンガのおかげ」と信仰を深めていく。彼女がそう言うたび私の罪悪感はつのるばかりです。そんなことを繰り返しながらあっという間に5年の月日が流れました。今なら彼女も幸せそうだし、そろそろ打ち明けるべき時かな、とある日思い立ち、意を決して切り出しました。「あのさ、今まで黙ってたことがあって」。「なに?」。「そのミサンガなんだけど、ローズクオーツじゃなくただのガラスなんだよね。今まで黙っててごめん」。すると友達は一瞬目を丸くしたものの、にこりと笑ってこう言いました。「知ってたよ、わりと前から」。(オーガナイザー28歳 東京都) #SPURNATIONALFASHIONPROJECT #spur_story 日本発のモード誌『SPUR』は参加型の新企画「SPURナショナル・ファッションストーリー・プロジェクト」を2016年4月より始動しました。このプロジェクトは、皆様のファッションにまつわるエピソードを、SPURが物語としてまとめていくものです。お寄せいただいたエピソードのうち、こちらのコーナーでご紹介させていただいた方には、同時に掲載する描き下ろしイラストをポストカードにしたものと、iTunesギフト1,500円分を差し上げます。性別や年齢は問いません。あなたのファッションとのエピソードを応募してみませんか? 詳しくは特設ページにて。https://spur.hpplus.jp/story/

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SPURのインスタグラム(spurmagazine) - 7月16日 20時26分


SPURナショナル・ファッションストーリー・プロジェクトは服やファッションに対する思い出や記憶を集め、物語にまとめていくプロジェクト。ウェブに寄せられたリアルストーリーをお届けします。

SPUR NATIONAL FASHION PROJECT 第3回 【ローズクオーツのミサンガ ―大好きな人が着ていた服 ―】
10年来の友人の誕生日には、毎年何かしらプレゼントを渡すことにしています。予算は1万円ぐらい。アクセサリーやマニキュアなど、彼女に似合いそうなものをじっくりと選ぶのは、とても楽しいひとときです。あれは、5年前の秋頃の話。友人は大失恋のショックで、悲嘆にくれていました。食事もほとんど喉を通らずげっそり痩せて、仕事も休みがち。そんな彼女をなんとか元気づけるため、ありとあらゆるショップを回ってプレゼントを探しました。さんざん悩んだ末、当時流行っていたストーン付きミサンガを購入することに。グレーの糸で編みこまれたミサンガに、ピンクのストーンがきらりと光っています。誕生日祝いは毎年、ちょっといいお店でごはんを食べながら。デザートが運ばれ、いざ、プレゼントタイム! 包みを開けた友人に、「このミサンガをつけていると、幸せが舞い込むんだよ」なんて冗談半分で言ってみると、彼女の目にパーッと光が差し込みました。「ほ、本当!?」と嬉しそうに、早速手首につけ始めています。その様子にひと安心した私はさらに「しかもこの石、ローズクオーツじゃない? 恋愛運アップにいいんだよね」と言って盛り上げました。しかし家に帰って念のためウェブサイトで石の素材を調べると、それはローズクオーツでもなんでもなく、ただのガラスということが判明。けれど友人のあんな表情を見たあとでは、本当のことなんてとてもじゃないけれど言えません。とりあえず、当分の間黙っていることにしました。それから半年ほどして、友人に恋人ができました。「ありがとう! ミサンガのおかげだよ」と興奮気味に話す彼女。それにしては、効果が出るのが遅いんじゃ……と内心思いながらも、「そっか、良かったね」と言うことしかできない私。そして残念ながら、また別れがやってきます。その後も何人か彼氏ができるのですが、そのたびに彼女は「ミサンガのおかげ」と信仰を深めていく。彼女がそう言うたび私の罪悪感はつのるばかりです。そんなことを繰り返しながらあっという間に5年の月日が流れました。今なら彼女も幸せそうだし、そろそろ打ち明けるべき時かな、とある日思い立ち、意を決して切り出しました。「あのさ、今まで黙ってたことがあって」。「なに?」。「そのミサンガなんだけど、ローズクオーツじゃなくただのガラスなんだよね。今まで黙っててごめん」。すると友達は一瞬目を丸くしたものの、にこりと笑ってこう言いました。「知ってたよ、わりと前から」。(オーガナイザー28歳 東京都)
#SPURNATIONALFASHIONPROJECT #spur_story

日本発のモード誌『SPUR』は参加型の新企画「SPURナショナル・ファッションストーリー・プロジェクト」を2016年4月より始動しました。このプロジェクトは、皆様のファッションにまつわるエピソードを、SPURが物語としてまとめていくものです。お寄せいただいたエピソードのうち、こちらのコーナーでご紹介させていただいた方には、同時に掲載する描き下ろしイラストをポストカードにしたものと、iTunesギフト1,500円分を差し上げます。性別や年齢は問いません。あなたのファッションとのエピソードを応募してみませんか? 詳しくは特設ページにて。https://spur.hpplus.jp/story/


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2016/7/16

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