窪塚洋介のインスタグラム(yosuke_kubozuka) - 9月16日 22時59分


遠藤周作先生
生誕100年記念で訪れた長崎。
素晴らしい滞在だった。
ピュアで熱く真摯なスタッフの方々と
素敵な時間を過ごせて幸せ^ ^
また必ず戻って来ます📖

〜遠藤周作 生誕100年記念〜
登壇挨拶。
(1人喋りパート全文)

遠藤周作
生誕100年ということでお祝いに駆けつけさせて頂きました
窪塚洋介です。

僕は2017年に公開になったハリウッドの巨匠、マーティン・スコセッシ監督による映画「Silence〜沈黙〜」にてメインキャストの1人キチジロー役で出演させて頂いた経緯から、本日お声がけ頂いたものと思います。
運営の皆様、お招き頂きまして本当にありがとうございます。
心底光栄に思っております。

僕は正直に言いまして「沈黙、海と毒薬、深い河、故里庵先生名義のエッセイ」と数えるほどしか先生の作品を読んでいませんが、
それでも、先生が恐ろしいほどの洞察力と正直さで、人間の本質を残酷なまでに言葉でえぐる様は、
どれほど自分自身と向かい合えば、ここまでの言葉を選び,組み合わせ、勇気をもって我々の心に落とし込むことができるのだろうかと驚愕します。
生きた時代や生きた環境が著しく違うという理由だけなのでしょうか?

例えば「海と毒薬」の勝呂の相方の言葉ですが、
「他人の眼、社会の罰が恐いのであって、自身の良心の呵責が起こらないことが不気味」
不気味…思わず本を閉じ目を閉じて、反芻せざるを得ないような言葉が散りばめられています。共感してくださる方がいたら嬉しいのですが、そのためになかなかページを繰れないことが多々あります。

大連で幼少期を過ごされ、戦後日本人で初めて2ヶ月の航海を経てフランスに渡り、戦犯国の留学生としてリヨン大に学び尚、「合わない洋服」と語った"物心つく前に入信していたキリスト教"と、その後のご自身との折り合いの付け方が、稀代の作家を生み出したこともまた想像に難くないことではあります。

これは医師であり作家の夏川さんの言葉ですが、
"神を持たない日本人、良心を持たない日本人"を
書き続けた遠藤周作先生。

もしかしたら人が嫌いなのでは?と思いきや、故里庵山人というとてもチャーミングな側面で、人の世を笑ってみせることが出来る。。この二面性というか懐の深さが、作品を越えて特に魅力的です。

「深い河」で大津が「神は存在ではなく働きです。ぼくは善と悪とをあまりにはっきり区別できません。善の中にも悪はひそみ、悪の中にも良いことが潜在していると思います。だからこそ、神は手品を使えるんです。ぼくの罪さえ活用して、救いに向けてくださった」と
夕暮れのリヨンの街で、久しぶりの再会を果たした美津子に話しますが、僕も"神は働きである"ということに全くもって同じ見解です。
僕自身、家は仏教徒、本人は窪塚教徒ですが、"神"と言う言葉を使う時は、宇宙の理だったり、この世の真理、法則というようなものと同義と捉えて使っているように思います。
大津はキリストのことを「たまねぎと呼んだっていい」と言いましたが、僕も誰に教えられるわけでもなく、なんという名で呼んでみても、それは変わらないもの、と思っておりました。20代前半で出演した「GO」という作品の原作に"薔薇という名前を変えてみても美しい香りはそのまま"という扉の言葉がありますが、それも同じことを現しているのだと思います。

いまの日本人は、ハロウィンをやってクリスマスをやって、年末年始に寺社仏閣に参拝が出来るほどの"柳のようなしなやかさ"を身につけました。裏を返せば海外の方や一神教の信徒の方々からは、一貫性のない無神経な無神教徒と思われるかもしれません、長いものに絡め取られるような感じで、根源的な不安感の原因を他人と同じにすることで払拭するただ弱いモノのようですが、その根底には、黙してただすべてに寄り添う八百万の神々という信仰が、この遺伝子に組み込まれた故の"美意識"ということがあるからなのかも、とも思います。
いいものはいい。好きなものは好き。私はこう生きる。ありがとう。そういうもの同士が手を取り合い肩を叩き合いながら、尊重し合って生きられる時代をつくっていきたいです。国や通貨や宗教や性別や趣味や趣向が違っても幸せを願う気持ちは同じですもんね?

👇後半へ続く


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2023/9/16

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