仁科かりんさんのインスタグラム写真 - (仁科かりんInstagram)「小さい時、枕に小さなビーズが入ってる枕で寝ていて、横向きで寝ると自分の心臓の音が響いて、ズッ、ズッ、ズッ、そんな音が枕から聞こえてきて、その音が夢の中に入ってきて、その日私はキノコの兵隊が行進してる夢を見た。枕からキノコの兵隊が行進する音がして怖いと、母親に泣きながら言ったけど母親はそうだね、遅くまで起きてると、きのこのお化け出てきちゃうんだよ〜〜と言いキノコの兵隊のことを信じてくれなかった。私は本当に枕からキノコの兵隊の行進の音が聞こえると思ってしばらく寝るのが怖くなった。今となっては心臓の音があの時響いてたんだと思えるけど、あの時感じた表現は今はもうできない。　私が小さい時、テレビの下にVHSを入れるとテレビの設定を変えないままだとはじめにテレビに砂嵐が映った。設定をVHS用に変えて、正座をしてモンスターズインクを見ていたら足が痺れてきて、母親に「足の裏がテレビのはじめに出てくる砂みたいなザーザーって画面みたいな感じがする」と伝えた。その時私は足が痺れるという言葉を知らなかったので、足が痺れることをテレビの砂嵐に喩えていた。今は足が痺れるという感覚も言葉も知っているから、その現象はその言葉でしか説明が出来ないけれど。小さい時の言葉を知らないからこそ出てくる表現はなんて純朴で、稚拙で、時折素敵に見えちゃうんだろうと思う。今朝、心臓の音が枕を通して耳に伝わってきた時に、キノコの兵隊のことをふと思い出して忘れないようにしたくてここに書いてみました。おわり」8月30日 21時00分