WWDジャパンのインスタグラム(wwd_jp) - 7月4日 15時57分


インタビュー:義足のアーティスト片山真理が「セルジオ ロッシ」のハイヒールを履いて見た景色

片山真理は9歳から両足を義足で歩くアーティストだ。国際的にも高く評価されている作品発表と並行して、2011年からは「ハイヒールを自由に選択できる一つ」とすべく、義足を製作し、街を歩き、ステージに立つ “ハイヒール・プロジェク”を続けている。「セルジオ ロッシ(SERGIO ROSSI)」はこのプロジェクトに賛同し、22年から参画。日伊で対話と試行錯誤を重ね、同年10月に一足のハイヒールにたどり着いた。片山と靴の職人たちが探した“美”とは? 6月に東京で開かれた片山の個展会場で話を聞いた。

WWDJAPAN(以下、WWD):“ハイヒール・プロジェクト”を始めたきっかけは?

片山真理(以下、片山):美大の学費を稼ぐためにしていた夜の仕事でした。周囲には体のことを伝えず、接客をしたり、歌ったりしていたけど、あるとき酔っ払いのお客さんに「ハイヒール履いていない女は、女じゃない!」とお酒をかけられて。よくある一コマかもだけど、すごく悔しくて。ふとステージでモデルを務めていた母のことを思い出しました。

子供の頃、当時の私はまだ足はあったけど、先天性の奇形で足裏が湾曲し地面に付かず、骨がどんどん曲がってきちゃう病気で、矯正用のブーツを履いていました。ある時、母のステージ写真を見つけて「綺麗な靴を履いてドレスを着てママ、素敵!」と言ったことがある。そしたら次の日には写真と、おまけに下駄箱のハイヒールが全部片付けられていた。母の靴に足を入れて「ママの靴が履けた!」と見せ、母は笑ってくれたけどなぜだか罪悪感をおぼえたことも。おちゃらけすら、母を傷つけてしまう。シングルマザーの母は、娘の足について「自分に原因があるんじゃないか」という思いをずっと抱えて生きてきたと、今、自分も母になってわかります。

WWD:それがハイヒールとの関係の始まり?

片山:そうです。だから、母を悲しませないために、ハイヒールという希望は心の中に封印しちゃった。だけど酔っ払いにお酒をかけられたことで「その思い出、君ずっと隠し持っているでしょ?」と秘密を見透かされた気がしたんですよ。悔しさと、自分の心に気づいちゃった気持ちとでいても立ってもいられず、そのまま朝方、店から義足の病院へ向かい、担当の義肢装具士さんに「今一番高くハイヒールが履ける義足部品を取り寄せて!」と伝えた。答えは「あるけど、保険適応外だからアメリカ製を自腹で買わなきゃいけないよ」。2足で60万円、取り寄せて買いました。

ただ、義足は届いたけど、合う靴がなかった。「シンデレラシューズを探すんだ!」ってワクワクしながら靴コーナーに向かうけど、全然ない。やっと見つけても、義足が強すぎるから数歩歩くと壊れて、靴から指が出ちゃったりね。私には足首のクッションがないから、道具として強くなりすぎてしまう。

インタビュー全文は @WWDジャパン プロフィールのリンクから

PHOTO:1,3,10枚目 MAYUMI HOSOKURA、2,4,5~9枚目 MARI KATAYAMA

#片山真理#marikatayama#セルジオロッシ#SERGIOROSSI#ハイヒール#義足#アーティスト#アート#ファッション#fashion


[BIHAKUEN]UVシールド(UVShield)

>> 飲む日焼け止め!「UVシールド」を購入する

1,214

3

2023/7/4

さいとうなるのインスタグラム
さいとうなるさんがフォロー

WWDジャパンを見た方におすすめの有名人