奇妙礼太郎さんのインスタグラム写真 - (奇妙礼太郎Instagram)「82  散文  うるさい人間が歩いているからってそれがうるさいとは限らない。果汁の中に手を突っ込みその中にある種をつかもうとしても重力に影響を受け続けた大脳皮質への刺激で瞳に涙が滲む。その色がいつか見た工場の壁のようで小指の先に電気を帯びる。錆びた風の新品のポスト。誰からの手紙かわからないけれど、文面から滲む空虚な喜び。うっすらとずれたピントに映るのは亀のような顔の鳥だった。キングストン、キングストン、ジョナサンがお呼びだ。8本目の指で黄色い家の方を指した。猫が暗闇からこちらの様子を伺い、その身をうずくめている路地には、町でいちばん長身の爺いが眠っていた。夏はいくつもやってきて、僕らのほとんどを溶かしてしまう。大切にしたかったものがなんだったのか、今はもうわからない。美しい少女が虫を食べながら微笑む草むらでは、小さな宇宙がひとつ音もなく潰れました。土の匂い。風を掴み懐に入れる。しばらくは大丈夫か。立ち上がり歩き始める。太陽が覆いつくし空は追いやられた。目を閉じると動いている。赤い心臓、トラクタのエンジン様に、無様な音を立てて、胸の中で振動している。赤い機械、俺たちは赤い赤い機械。  やがらの森では目には見えない小さな人びとが歌を歌う。わたし達には聞こえない。特別な音。そのとき遠くで弾ける光が聞こえ、鳥たちは一斉に飛び立つ。もう消えた。苦しくて息を止める。飛び出た6本の弦でこれが宇宙だよと見せてくれたあの人。心には8つの穴が空いている。 ひとつひとつ絵の具で塗り潰して、どの穴にどの色を、どの穴にどの色を。手のひらには小さな島がいくつかあり、そこで暮らす。感情のさやかに触れながら鋭角の夢を描く。罪の中に輝く蜜や、罰の中染み込む嘘や快感に飽き飽きしているよ。 今君の気持ちをラミネートしたいよ 甘い焼き菓子の香り 潰れたプラムのような明け方の空をすべて食べつくしてついたため息は世界中の憂鬱を輝かせて消えた。 もう誰もいない もう誰もいない 君も僕も  真空に咲く愛、愛、愛 誰にも触れられない だから永遠に美しい それは悲しみのまま 君を終わらせてくれる  馬鹿だからこんなところまで来れてしまった いいことなのかわからないけど とにかく荷物を下ろしドアをノックする  扉が開いて現れる ヨーゼフ、その咳は普通じゃないよ ヨーゼフ、1000年前の服を着て 大きな鉄を打ち付ける 黙々と黙々と  飛行機から  悲しみが離陸した、大海を渡り、夜には星になる 朝の嵐がなにもかもを吹き飛ばした なあ君はどこへ行くつもりなんだ君を置いたまま なあ僕はどこへ行ってしまったんだ僕を置いたまま  着陸したところにはたくさんの過去が咲いている。  無限の中で振動する粒子 ただ純粋に触れ合って光る、だけ。  僕たち綺麗だ。  気がついたら野生の鹿の瞳の中に居た そこから僕は世界を見ていた 満天の星空の下 ペテルギウスの放つ矢が、ロメロの心の臓を射抜くのを見たし アリアロスのこぼした涙が、海になるのを見た  小さな舟の上 全てのことは羅針盤が示していた だがひとつだけわからないことがあった 影の中に動く赤い目玉  信号が変わる。 交差点で彼女がアイスクリームを食べたいと言った スマートフォンからは100年後のパンクロック 子どもらが犬にキスして世界は消え去った  写真の中の好きな人に触る ちょっと悪いことをしている気持ち  そう、その9番目の鍵穴に そう、その9人目の奴隷に そう、その9回目の  真っ白な煙の中から現れたのは まだ誰も見たことのない存在  氷の様に燃える肉体 見てはいけないんだ 見てはいけない  勇ましさの中に必ずある恐怖を しっかり握りしめていなければ  裸の人間たち、歓喜を歌う リンゴはつぶれて酒になり テーブルにきれいなナイフ 地球をふたつに切り分けてしまった  取り返しのつかないこと 傷口、やばいよ  ギターを弾いている  ギターを弾いていたら、のめり込んでしまった。 いつの間にか僕はギターになってしまった。 古椅子に立てかけられ、忘れられてしまった。  しかしこの身体にはありとあらゆる音楽が宿る 世界中の楽器たちもそう。 あなたがその気になれば、そこから引き出すことができる。  VIVA LA VIE YA 5505141277878994JAX  PLEASE I VOLE YOU  ソファでさよなら、ちょっと眠る」5月31日 1時43分 - reitaro_strange

奇妙礼太郎のインスタグラム(reitaro_strange) - 5月31日 01時43分


82

散文

うるさい人間が歩いているからってそれがうるさいとは限らない。果汁の中に手を突っ込みその中にある種をつかもうとしても重力に影響を受け続けた大脳皮質への刺激で瞳に涙が滲む。その色がいつか見た工場の壁のようで小指の先に電気を帯びる。錆びた風の新品のポスト。誰からの手紙かわからないけれど、文面から滲む空虚な喜び。うっすらとずれたピントに映るのは亀のような顔の鳥だった。キングストン、キングストン、ジョナサンがお呼びだ。8本目の指で黄色い家の方を指した。猫が暗闇からこちらの様子を伺い、その身をうずくめている路地には、町でいちばん長身の爺いが眠っていた。夏はいくつもやってきて、僕らのほとんどを溶かしてしまう。大切にしたかったものがなんだったのか、今はもうわからない。美しい少女が虫を食べながら微笑む草むらでは、小さな宇宙がひとつ音もなく潰れました。土の匂い。風を掴み懐に入れる。しばらくは大丈夫か。立ち上がり歩き始める。太陽が覆いつくし空は追いやられた。目を閉じると動いている。赤い心臓、トラクタのエンジン様に、無様な音を立てて、胸の中で振動している。赤い機械、俺たちは赤い赤い機械。

やがらの森では目には見えない小さな人びとが歌を歌う。わたし達には聞こえない。特別な音。そのとき遠くで弾ける光が聞こえ、鳥たちは一斉に飛び立つ。もう消えた。苦しくて息を止める。飛び出た6本の弦でこれが宇宙だよと見せてくれたあの人。心には8つの穴が空いている。
ひとつひとつ絵の具で塗り潰して、どの穴にどの色を、どの穴にどの色を。手のひらには小さな島がいくつかあり、そこで暮らす。感情のさやかに触れながら鋭角の夢を描く。罪の中に輝く蜜や、罰の中染み込む嘘や快感に飽き飽きしているよ。
今君の気持ちをラミネートしたいよ
甘い焼き菓子の香り
潰れたプラムのような明け方の空をすべて食べつくしてついたため息は世界中の憂鬱を輝かせて消えた。
もう誰もいない
もう誰もいない
君も僕も

真空に咲く愛、愛、愛
誰にも触れられない
だから永遠に美しい
それは悲しみのまま
君を終わらせてくれる

馬鹿だからこんなところまで来れてしまった
いいことなのかわからないけど
とにかく荷物を下ろしドアをノックする

扉が開いて現れる
ヨーゼフ、その咳は普通じゃないよ
ヨーゼフ、1000年前の服を着て
大きな鉄を打ち付ける
黙々と黙々と

飛行機から

悲しみが離陸した、大海を渡り、夜には星になる
朝の嵐がなにもかもを吹き飛ばした
なあ君はどこへ行くつもりなんだ君を置いたまま
なあ僕はどこへ行ってしまったんだ僕を置いたまま

着陸したところにはたくさんの過去が咲いている。

無限の中で振動する粒子
ただ純粋に触れ合って光る、だけ。

僕たち綺麗だ。

気がついたら野生の鹿の瞳の中に居た
そこから僕は世界を見ていた
満天の星空の下
ペテルギウスの放つ矢が、ロメロの心の臓を射抜くのを見たし
アリアロスのこぼした涙が、海になるのを見た

小さな舟の上
全てのことは羅針盤が示していた
だがひとつだけわからないことがあった
影の中に動く赤い目玉

信号が変わる。
交差点で彼女がアイスクリームを食べたいと言った
スマートフォンからは100年後のパンクロック
子どもらが犬にキスして世界は消え去った

写真の中の好きな人に触る
ちょっと悪いことをしている気持ち

そう、その9番目の鍵穴に
そう、その9人目の奴隷に
そう、その9回目の

真っ白な煙の中から現れたのは
まだ誰も見たことのない存在

氷の様に燃える肉体
見てはいけないんだ 見てはいけない

勇ましさの中に必ずある恐怖を
しっかり握りしめていなければ

裸の人間たち、歓喜を歌う
リンゴはつぶれて酒になり
テーブルにきれいなナイフ
地球をふたつに切り分けてしまった

取り返しのつかないこと
傷口、やばいよ

ギターを弾いている

ギターを弾いていたら、のめり込んでしまった。
いつの間にか僕はギターになってしまった。
古椅子に立てかけられ、忘れられてしまった。

しかしこの身体にはありとあらゆる音楽が宿る
世界中の楽器たちもそう。
あなたがその気になれば、そこから引き出すことができる。

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ソファでさよなら、ちょっと眠る


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2023/5/31

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