Reiko Lewisさんのインスタグラム写真 - (Reiko LewisInstagram)「ハワイ報知マンスリーコラム 今月のコラムがでました。 よろしければご一読ください。 My monthly column for Hawaii Hochi Newspaper was issued yesterday. It is all in Japanese and I talked about some memories of my father. #hawaiihochinewspaper #mymemory #ハワイ報知新聞 #コラム #お正月の思い出 #父  七転八起 謹賀新年。日本では、年始に各家庭へ年神様と呼ばれる神が訪れるとされており、そのお祝いとして家人同士で挨拶を行うのがしきたりとなっている。私の実家では新年の挨拶とお屠蘇のあと、新しいノートに一枚づつ簡単な絵と今年の抱負の言葉を家族一人一人が綴るという慣習があった。家長である父から書き始めるのであるが、絵の得意であった父が一筆書きの見事な縁起物のだるまの絵の横に「七転八起」の文字を書き添えた年があった。精神的に幼かった私には縁起の良いだるまに添えたその言葉の本当の意味があまりわからなかったが、今になると父の人生そのものであったのだと思う。一流大学を出て大きな商社に勤めたが、陸軍経理学校をでたあと朝鮮出征をして終戦後シベリア生活を強いられ、ソ連からの最後の船で帰国した。財閥解体で行く会社も失い、就職した会社で役員となったもののドラマで見るような役員会での活劇。「倍返し」をする暇もなく病気で倒れ、そのあとは闘病生活を繰り返して最後をとげた。自分が実社会にでてから、どれだけ父が頑張ってきたのだろうと思うと子供のころのだるまのイメージとは全く違うものが見えてくる。自分の思い描く人生をおくれる人のほうが勿論少ないが、戦争、災害、そしてコロナ禍のようにどうしようもない状況に翻弄されると本当に挫けそうになる。では父の「七転八起」の原動力はなんだったのだろうと考えると、やはりそこには家族愛しかなかったと思われる。ささやかな幸せでも家族に与えたい、一緒に囲める食卓を作りたい、それが原動力であったのだと今は思っている。去年一年を通じて同じことに私は気づかされた。だるまの絵と合わせて思い出されるのが、毎月一回の長い夕食会である。昼頃から家族全員で買い出しに出かけ、時には焼き鳥の串うちからはじめ、夕食が終わるのが9時という長い夕食である。そこにはいつも楽しそうに夕食づくりを仕切る父の元気な姿があった。ささやかな幸せを守ることは存外難しいが、それがあるからこそ「七転八起」ができるのかもしれない。 ルイス玲子・ヴェンタスデザイン代表 (808-358-9135) CNNテレビ東京支局でシニアプロデューサー職を16年務め渡米後インテリアデザイナーに転身。本業のインテリアデザインの仕事の傍ら茶の湯の指導にあたっている。」1月15日 6時52分 - ventus_design_hawaii

Reiko Lewisのインスタグラム(ventus_design_hawaii) - 1月15日 06時52分


ハワイ報知マンスリーコラム
今月のコラムがでました。
よろしければご一読ください。
My monthly column for Hawaii Hochi Newspaper was issued yesterday.
It is all in Japanese and I talked about some memories of my father.
#hawaiihochinewspaper
#mymemory
#ハワイ報知新聞
#コラム
#お正月の思い出
#父

七転八起
謹賀新年。日本では、年始に各家庭へ年神様と呼ばれる神が訪れるとされており、そのお祝いとして家人同士で挨拶を行うのがしきたりとなっている。私の実家では新年の挨拶とお屠蘇のあと、新しいノートに一枚づつ簡単な絵と今年の抱負の言葉を家族一人一人が綴るという慣習があった。家長である父から書き始めるのであるが、絵の得意であった父が一筆書きの見事な縁起物のだるまの絵の横に「七転八起」の文字を書き添えた年があった。精神的に幼かった私には縁起の良いだるまに添えたその言葉の本当の意味があまりわからなかったが、今になると父の人生そのものであったのだと思う。一流大学を出て大きな商社に勤めたが、陸軍経理学校をでたあと朝鮮出征をして終戦後シベリア生活を強いられ、ソ連からの最後の船で帰国した。財閥解体で行く会社も失い、就職した会社で役員となったもののドラマで見るような役員会での活劇。「倍返し」をする暇もなく病気で倒れ、そのあとは闘病生活を繰り返して最後をとげた。自分が実社会にでてから、どれだけ父が頑張ってきたのだろうと思うと子供のころのだるまのイメージとは全く違うものが見えてくる。自分の思い描く人生をおくれる人のほうが勿論少ないが、戦争、災害、そしてコロナ禍のようにどうしようもない状況に翻弄されると本当に挫けそうになる。では父の「七転八起」の原動力はなんだったのだろうと考えると、やはりそこには家族愛しかなかったと思われる。ささやかな幸せでも家族に与えたい、一緒に囲める食卓を作りたい、それが原動力であったのだと今は思っている。去年一年を通じて同じことに私は気づかされた。だるまの絵と合わせて思い出されるのが、毎月一回の長い夕食会である。昼頃から家族全員で買い出しに出かけ、時には焼き鳥の串うちからはじめ、夕食が終わるのが9時という長い夕食である。そこにはいつも楽しそうに夕食づくりを仕切る父の元気な姿があった。ささやかな幸せを守ることは存外難しいが、それがあるからこそ「七転八起」ができるのかもしれない。
ルイス玲子・ヴェンタスデザイン代表 (808-358-9135)
CNNテレビ東京支局でシニアプロデューサー職を16年務め渡米後インテリアデザイナーに転身。本業のインテリアデザインの仕事の傍ら茶の湯の指導にあたっている。


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2021/1/15

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