中井智彦さんのインスタグラム写真 - (中井智彦Instagram)「●中井智彦の「ミュージカルトレインなかい号」Vol.3-①  ミュージカルを中心としたカルチャーについて語り尽くす連載の第3回。僕の運転する「ミュージカルトレインなかい号」に乗って、皆様を素敵な旅にお連れいたします。  12月になりました。早いもので、2020年も終わりが近づいてきました。 今年は、世界的に新型コロナウイルスが流行し、多くの人にとって、忘れることのできない年となりました。僕たちアーティストにとっても、ステージでパフォーマンスができない期間が続き、芸術とは何か、アーティストとはどうあるべきか、ということを、いつも以上に考えた1年になりました。 今回は、2020年の締め括りとして、「アーティストとは?」というテーマについて、ミュージカルの話も交えながらお話ししていきたいと思います。 中井智彦ファンクラブでは、会員ページにて、こちらの内容をwebラジオとして公開していますので、そちらも是非チェックしてみてくださいね。  それでは、出発進行!  ★最初の停車駅は「2020年に考えるアーティスト」です。 コロナ禍になる前は、「アーティスト」とは「何かを自分で生み出して形にできる人」だと思っていました。その人が生み出したものによって、感動する人が1人でもいれば、それは素晴らしいことだと。しかし今、それがどれだけの人を救えるのか、と考えると、それだけではない、違う答えが出てくるようにも思うのです。 ミュージカル『RENT』の中に、こんなシーンがあります。映像クリエイターを志すマークが、警官に嫌がらせを受けているホームレスを助けようと、彼らにカメラを向けたところ、「あんたは何様のつもりなんだ。自分が有名になるために私を利用するんじゃないよ。ねえ、アーティストさん。金を恵んでくれるのかい?」と言われてしまうんです。生きるためには食べるものが必要で、それが芸術で補えるわけもない。アーティストにとって、自分たちの無力さを突きつけられるような言葉です。現在のコロナ禍でも、「エンタメが何になるんですか?そんなものより、生きるためのお金をくださいよ」という意見は、世界中に溢れているのではないかと思います。そんな中で、僕たちアーティストは、何のために表現をし続けているのでしょうか。 僕は今、人に生きる喜びを伝えられるのが「アーティスト」なのではないかと考えるようになりました。表現の形は何であれ、「誰かのため」に生み出された芸術は、人間の救いになるものだと思います。『RENT』は、家賃を払うお金も無く、HIVやドラッグが蔓延している混沌とした環境の中でも、夢や希望を持って、笑って生きている人たちを描いた物語です。この作品に勇気や希望をもらった人たちが、世界中に数え切れないほどいる。そういう作品を作り上げたジョナサン・ラーソンは、真の「アーティスト」だなと思うんです。 ※photo: ①1-2月「CHESS THE MUSICAL」 ②6月 アルバム「I Live Musical!」リリース」12月2日 16時51分 - nakaitomohiko

中井智彦のインスタグラム(nakaitomohiko) - 12月2日 16時51分


●中井智彦の「ミュージカルトレインなかい号」Vol.3-①

ミュージカルを中心としたカルチャーについて語り尽くす連載の第3回。僕の運転する「ミュージカルトレインなかい号」に乗って、皆様を素敵な旅にお連れいたします。

12月になりました。早いもので、2020年も終わりが近づいてきました。
今年は、世界的に新型コロナウイルスが流行し、多くの人にとって、忘れることのできない年となりました。僕たちアーティストにとっても、ステージでパフォーマンスができない期間が続き、芸術とは何か、アーティストとはどうあるべきか、ということを、いつも以上に考えた1年になりました。
今回は、2020年の締め括りとして、「アーティストとは?」というテーマについて、ミュージカルの話も交えながらお話ししていきたいと思います。
中井智彦ファンクラブでは、会員ページにて、こちらの内容をwebラジオとして公開していますので、そちらも是非チェックしてみてくださいね。

それでは、出発進行!

★最初の停車駅は「2020年に考えるアーティスト」です。
コロナ禍になる前は、「アーティスト」とは「何かを自分で生み出して形にできる人」だと思っていました。その人が生み出したものによって、感動する人が1人でもいれば、それは素晴らしいことだと。しかし今、それがどれだけの人を救えるのか、と考えると、それだけではない、違う答えが出てくるようにも思うのです。
ミュージカル『RENT』の中に、こんなシーンがあります。映像クリエイターを志すマークが、警官に嫌がらせを受けているホームレスを助けようと、彼らにカメラを向けたところ、「あんたは何様のつもりなんだ。自分が有名になるために私を利用するんじゃないよ。ねえ、アーティストさん。金を恵んでくれるのかい?」と言われてしまうんです。生きるためには食べるものが必要で、それが芸術で補えるわけもない。アーティストにとって、自分たちの無力さを突きつけられるような言葉です。現在のコロナ禍でも、「エンタメが何になるんですか?そんなものより、生きるためのお金をくださいよ」という意見は、世界中に溢れているのではないかと思います。そんな中で、僕たちアーティストは、何のために表現をし続けているのでしょうか。
僕は今、人に生きる喜びを伝えられるのが「アーティスト」なのではないかと考えるようになりました。表現の形は何であれ、「誰かのため」に生み出された芸術は、人間の救いになるものだと思います。『RENT』は、家賃を払うお金も無く、HIVやドラッグが蔓延している混沌とした環境の中でも、夢や希望を持って、笑って生きている人たちを描いた物語です。この作品に勇気や希望をもらった人たちが、世界中に数え切れないほどいる。そういう作品を作り上げたジョナサン・ラーソンは、真の「アーティスト」だなと思うんです。
※photo: ①1-2月「CHESS THE MUSICAL」 ②6月 アルバム「I Live Musical!」リリース


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2020/12/2

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