RCC中国放送「RCCスポーツ」のインスタグラム(rcc__sports) - 11月3日 21時00分
【放送席Dのひとりごと】
9回ウラ終了後、CM中の放送席。
新井さんは「めっちゃ悔しい!」というセリフとは裏腹に、とても嬉しそうな顔をしていた。まさに、破顔。
その理由とは…
9回2アウト1塁。このまま戸郷に完封負けを喫してしまうのか、という場面。バッターボックスに向かったのは、新井さんの弟分・菊池。
「こういうとき、打ってくれるのが菊池なんですよね」と解説しようとした、その瞬間だった。
カキーン!
初球打ちのボールは、夕闇迫るライトスタンドへするすると吸い込まれていった。起死回生の同点2ラン!
菊池が打つ直前、新井さんの脳裏に浮かんでいたのは、カープファンの記憶にも深く刻まれた、ある夏の夜の思い出。
2016年8月7日、9回に菊池が沢村から同点弾、そして、新井さんのサヨナラ打で勝利した、あの試合のことだ。追いすがる巨人を振り切ったカープは、ここから、25年ぶりの優勝へと加速していく。
「いやあ、何で言えんかったんかなあ!」
引き分けに終わった放送後も、悔しさを隠さなかった新井さん。それは解説者としてのプロ意識であり、そしてちょっぴり、「カープファン新井貴浩」が顔をのぞかせた瞬間だったのかもしれない。
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2020/11/3