尾上菊之助のインスタグラム(onoekikunosuke) - 4月7日 12時21分


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国立劇場三月歌舞伎公演「通し狂言 義経千本桜」の動画配信にあたり、この場で解説のようなことができたらと思い書きました。芝居をご存知の方にはつまらない内容かと思いますが、動画とともに読んでいただけましたら嬉しいです。

『義経千本桜』
作:竹田出雲、三好松洛、並木千柳

「菅原伝授手習鑑」、「仮名手本忠臣蔵」とともに三大名作と呼ばれる歌舞伎にとっても大切な演目の一つです。
「義経記」「平家物語」がベースになる、登場人物の波瀾万丈のドラマです。


①「伏見稲荷鳥居前の場」通称「鳥居前」(Aプロ序幕)

世の中は源氏の時代。兄の源頼朝(源氏)から謀反の疑いをかけられた源義経(源氏)は、 左大臣・藤原朝方 から「初音の鼓」を与えられ、 後白河法皇の命令として 頼朝討伐をもちかけられます。 しかし、その命令は偽りで、天下を狙う朝方の計略でした。

舞台は、京都の伏見稲荷の鳥居の前からはじまります。
都(京都)を離れる義経一行を愛妾の静御前が同行したいと追っ掛けてきます。義経は危険な旅のため静御前の同行を許さず、かわりに形見として「初音の鼓」を静御前に渡し、梅の木に縛り付けて去ろうとします。

その時現れたのが、主君義経の危機を知り駆けつけた佐藤忠信でした。彼は母親の看病のために故郷へ帰っていたのです。

忠信は静御前を救い、義経から忠義を褒められ源九郎義経という名前をもらい、静御前の護衛を任されたのです。

実はこの佐藤忠信は狐が人間に化けているんです。
最後の花道での引っ込みでは鼓の音がする度に、狐の部分が出てしまいます。その六方を「狐六方」といいます。狐らしい仕草にもご注目ください。
そしてこの狐の仕草がCプロ「道行初音旅」「河連法眼館の場」に繋がっています。

私は佐藤忠信を演じております。
初役の時に故坂東三津五郎のお兄さんに教えていただきました。
花道の引っ込みでは、お腹から花道の揚幕に向かって一本の糸がでていて、それを伝うように揚幕に入っていくと教えていただきました。

「碇知盛」「椎の木」「すし屋」「道行」「四の切」につきましてはまた後ほどアップします。

写真:#岡本隆史

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2020/4/7

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