干場義雅さんのインスタグラム写真 - (干場義雅Instagram)「【僕のたからもの】グレーのスーツに白いシャツ、黒い細身のネクタイ。今でこそ、干場スタイルの基本ではありますが……。そもそもこのスタイルは、10年前に亡くなった父のスタイルでした。東京で3代続くテーラーを継いだ父は、いつも同じ恰好をしていました。仕事に行くのも、ご飯を食べに行くのも。「なんで他の恰好をしないの?」と聞いたら父はこんなことを言ったのです。「いいんだよ、私はいつも同じ恰好で。これが好きなのさ。落ち着くんだよ」と……。 ============================= 父が亡くなった後、母に箪笥の中を見せてもらう機会がありました。そこにはグレーのスーツが10着ほどかかっていました。同じ色とカタチのグレースーツ。よく見たら、そのうちの5着は春夏用のサマーウールで、残りの5着は秋冬用のフランネル。10着とも同じミディアムグレーのスーツだったのです。普段は白いシャツに黒のネクタイ。胸にはポケットチーフ。寒い冬だけは、白いシャツの代わりに僕が誕生日にあげたカシミア素材の黒のタートルネックを着る。これが父のスタイルでした。いつしか父と同じような年齢になり、気づけば自分も父と同じスタイルを自然とするようになっていました。このスタイルをしていると、自分らしくいられて心が落ち着くことがわかったのです。そして、親子はだんだんと似ていくことも……。 ============================= そんな父が、僕が6歳の頃、小学校の入学式のために仕立ててたくれたのがこのスーツです。ネイビーのダブルストライプ柄。男性的な大きな襟のダブルブレステッドで、四角いボタン。組下のトラウザースは少しフレアーがかっているのが70年代に主流だったデザインを彷彿とさせてくれます。走り回る小学生ということもあって、同じ生地でショートパンツもセットで作ってくれました。襟元には、「CUSTOM TAILOR HOSHIBA」の名前が。その当時の電話番号も入っています。まだ「3」が付いていなかった昭和の時代の番号です。 ============================= ちなみに、生地は「JohnG Hardy(ジョンジーハーディ)」という英国製のしっかりしたもの。ダブルストライプ柄で、タグにはよく見るとエリザベス2世のロイヤルワラントが入っています。ジョンジーハーディは、カントリーの服地を世界に知らしめた最初のマーチャントとして知られていて、“Prince of Wales”の名で知られるウェールズ皇太子が着ていたグレンチェック柄は、ジョンジーハーディのコレクションから誕生したと言われています。 ============================= 後から母に聞いたら……。「あの頃、お父さんは本当に忙しくてね。何年も何年も、毎晩のように徹夜して沢山のスーツを作っていたのよ。寝る暇無く働いていたんだけど、自分の息子である義雅には、どうしても自分の手で仕立てたスーツを着せたいと言ってね。仕事の合間を見つけては一針一針丁寧に作ったのがこのスーツなの」。上着裏に刺繍された、「よしまさ」という平仮名の文字を見ると、今でも目頭が熱くなります。まったく手抜きをせず、表も裏も大人と同じように仕立てられた父の愛情がたっぷり詰まったこのスーツ。もう着ることは出来ないけれど、僕のクローゼットの一番前にかかっている大事な大事な「僕のたからもの」なんです。  @yoshimasa_hoshiba  #yoshimasahoshiba #干場義雅 @forzastylecom  #FORZASTYLE」2月28日 19時04分 - yoshimasa_hoshiba

干場義雅のインスタグラム(yoshimasa_hoshiba) - 2月28日 19時04分


【僕のたからもの】グレーのスーツに白いシャツ、黒い細身のネクタイ。今でこそ、干場スタイルの基本ではありますが……。そもそもこのスタイルは、10年前に亡くなった父のスタイルでした。東京で3代続くテーラーを継いだ父は、いつも同じ恰好をしていました。仕事に行くのも、ご飯を食べに行くのも。「なんで他の恰好をしないの?」と聞いたら父はこんなことを言ったのです。「いいんだよ、私はいつも同じ恰好で。これが好きなのさ。落ち着くんだよ」と……。
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父が亡くなった後、母に箪笥の中を見せてもらう機会がありました。そこにはグレーのスーツが10着ほどかかっていました。同じ色とカタチのグレースーツ。よく見たら、そのうちの5着は春夏用のサマーウールで、残りの5着は秋冬用のフランネル。10着とも同じミディアムグレーのスーツだったのです。普段は白いシャツに黒のネクタイ。胸にはポケットチーフ。寒い冬だけは、白いシャツの代わりに僕が誕生日にあげたカシミア素材の黒のタートルネックを着る。これが父のスタイルでした。いつしか父と同じような年齢になり、気づけば自分も父と同じスタイルを自然とするようになっていました。このスタイルをしていると、自分らしくいられて心が落ち着くことがわかったのです。そして、親子はだんだんと似ていくことも……。
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そんな父が、僕が6歳の頃、小学校の入学式のために仕立ててたくれたのがこのスーツです。ネイビーのダブルストライプ柄。男性的な大きな襟のダブルブレステッドで、四角いボタン。組下のトラウザースは少しフレアーがかっているのが70年代に主流だったデザインを彷彿とさせてくれます。走り回る小学生ということもあって、同じ生地でショートパンツもセットで作ってくれました。襟元には、「CUSTOM TAILOR HOSHIBA」の名前が。その当時の電話番号も入っています。まだ「3」が付いていなかった昭和の時代の番号です。
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ちなみに、生地は「JohnG Hardy(ジョンジーハーディ)」という英国製のしっかりしたもの。ダブルストライプ柄で、タグにはよく見るとエリザベス2世のロイヤルワラントが入っています。ジョンジーハーディは、カントリーの服地を世界に知らしめた最初のマーチャントとして知られていて、“Prince of Wales”の名で知られるウェールズ皇太子が着ていたグレンチェック柄は、ジョンジーハーディのコレクションから誕生したと言われています。
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後から母に聞いたら……。「あの頃、お父さんは本当に忙しくてね。何年も何年も、毎晩のように徹夜して沢山のスーツを作っていたのよ。寝る暇無く働いていたんだけど、自分の息子である義雅には、どうしても自分の手で仕立てたスーツを着せたいと言ってね。仕事の合間を見つけては一針一針丁寧に作ったのがこのスーツなの」。上着裏に刺繍された、「よしまさ」という平仮名の文字を見ると、今でも目頭が熱くなります。まったく手抜きをせず、表も裏も大人と同じように仕立てられた父の愛情がたっぷり詰まったこのスーツ。もう着ることは出来ないけれど、僕のクローゼットの一番前にかかっている大事な大事な「僕のたからもの」なんです。

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2020/2/28

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